Weight設定とInertia設定
マニピュレーターの持つ性能を⼗分に発揮させるために、負荷(ハンド質量+ワーク質量)、負荷の慣性モーメント、および偏心量を正しく設定してください。
これにより、マニピュレーターのPTP動作を最適化し、振動を抑えて作業時間を短縮することができます。また、ハンドとワークの慣性モーメントが大きい場合に発生する持続振動を抑制する効果もあります。
また、“負荷, イナーシャ, 偏心/オフセット測定ユーティリティ”による設定も可能です。
詳細は、以下のマニュアルに記載しています。
"Epson RC+ ユーザーズガイド - 負荷, イナーシャ, 偏心/オフセット測定ユーティリティ"
Weight設定
注意
- GX10-B/GX10-Cシリーズ
ハンド+ワークの質量は、必ず10 kg以下にしてください。GX10-B/GX10-Cシリーズは、10 kgを超える負荷に対応するように設計されていません。 - GX20-B/GX20-Cシリーズ
ハンド+ワークの質量は、必ず20 kg以下にしてください。GX20-B/GX20-Cシリーズは、20 kgを超える負荷に対応するように設計されていません。 また、必ず負荷に応じた値を設定してください。ハンド質量パラメーターに実際の質量より小さな値を設定すると、エラーの発生や衝撃の原因となり、十分な機能が発揮できないばかりか、各機構部品の寿命を短くする可能性があります。
GX10-B/GX10-Cシリーズ/GX20-B/GX20-Cシリーズの許容する負荷 (ハンド質量+ワーク質量)は、以下の通りです。
| 最大 | |
|---|---|
| GX10-B/GX10-Cシリーズ | 10 kg |
| GX20-B/GX20-Cシリーズ | 20 kg |
負荷質量に合わせて、WEIGHT設定を正しく設定してください。設定に応じてマニピュレーターの最⼤の速度と加減速度が⾃動的に補正されます。
シャフトに取りつけた負荷の質量
シャフトに取りつけた負荷 (ハンド+ワーク)の質量は、Weight命令の「ハンド質量」パラメーターで設定します。
[ツール]-[ロボットマネージャー]-[ハンド質量設定]パネル-[負荷]テキストボックスで設定します。([コマンドウィンドウ]で、Weight命令による設定も可能です。)
アームに取りつけた負荷の質量
カメラやエアバルブなどをアームに取りつける場合は、その質量をシャフトの等価質量に換算し、シャフトに取りつけた負荷の質量に加算して「ハンド質量」パラメーターを設定します。
また、アーム2側ユーザーコネクター付近に外部配線ユニット(ケーブル類をのぞく)を取つけた場合、シャフトの等価質量換算値に0.16 kgを加えてください。
等価質量の計算式
WM=M×(LM+L1)2/(L1+L2)2
WM: 等価質量
M: アームに取りつけた負荷の質量
L1: アーム1長さ
L2: アーム2長さ
LM: 第2関節回転中心からアームに取りつけた負荷の重⼼までの距離
例:
負荷質量W=2 kgをつけたGX10-Bのアーム2先端(第2関節回転中⼼から 500 mmとする)に、1 kgのカメラをつけた場合の「ハンド質量」パラメーターを算出します。
W=2
M =1
L1=450
L2=400
LM=500
WM=1×(500+450)2/(400+450)2=1.25 (小数点以下二桁まで切り上げ)
W+WM=2+1.25=3.25
[ハンド質量]パラメーターに “3.25” を設定します。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | シャフト |
| b | カメラ全体の質量 M=1 kg |
| c | W=2 kg |
| d | 第2関節 |
| e | 第1関節 |
Weight設定時の速度の自動補正
GX10-B/GX10-Cシリーズ
GX20-B/GX20-Cシリーズ
Weight設定時の加減速度の自動補正
GX10-B/GX10-Cシリーズ
GX20-B/GX20-Cシリーズ
Inertia設定
慣性モーメント (イナーシャ)とInertia設定
慣性モーメントとは、物体の回りにくさを表す量で、慣性モーメント, イナーシャ, GD2などの値で表されます。シャフトにハンドなどを取りつけて動作させる場合は、負荷の慣性モーメントを考慮しなければなりません。
注意
- GX10-B/GX10-Cシリーズ
負荷 (ハンド+ワーク)の慣性モーメントは、必ず0.25 kg·m2以下にしてください。GX10-B/GX10-Cシリーズは、0.25 kg·m2を超える慣性モーメントに対応するように設計されていません。 - GX20-B/GX20-Cシリーズ
負荷 (ハンド+ワーク)の慣性モーメントは、必ず0.45 kg·m2以下にしてください。GX20-B/GX20-Cシリーズは、0.45 kg·m2を超える慣性モーメントに対応するように設計されていません。
また、必ず慣性モーメントに応じた値を設定してください。慣性モーメント (イナーシャ)パラメーターに実際の慣性モーメントより小さな値を設定すると、エラーの発生や衝撃の原因となり、十分な機能が発揮できないばかりか、各機構部品の寿命を短くする可能性があります。
GX10-B/GX10-Cシリーズ/GX20-B/GX20-Cシリーズの許容する負荷の慣性モーメントは、以下の通りです。
| 最大 | |
|---|---|
| GX10-B/GX10-Cシリーズ | 0.25 kg·m2 |
| GX20-B/GX20-Cシリーズ | 0.45 kg·m2 |
シャフトに取りつけた負荷の慣性モーメント
シャフトに取りつけた負荷 (ハンド+ワーク)の慣性モーメントは、Inertia命令の「慣性モーメント (イナーシャ)」パラメーターで設定します。
[ツール]-[ロボットマネージャー]-[ハンド偏心設定]パネル-[慣性モーメント]で設定します。
[コマンドウィンドウ]で、Inertia命令による設定も可能です。
Inertia (慣性モーメント) 設定時の第4関節加減速度の自動補正
GX10-B/GX10-Cシリーズ
GX20-B/GX20-Cシリーズ
偏心量とInertia設定
注意
- 負荷 (ハンド+ワーク)の偏心量は、必ず200 mm以下にしてください。GX10-B/GX10-CシリーズとGX20-B/GX20-Cシリーズは、200 mmを超える偏心量に対応するように設計されていません。また、必ず偏心量に応じた値を設定してください。偏心量パラメーターに実際の偏心量より小さな値を設定すると、エラーの発生や衝撃の原因となり、十分な機能が発揮できないばかりか、各機構部品の寿命を短くする可能性があります。
偏心量
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | 回転軸 |
| b | 負荷重心位置 |
| c | 偏心量 (200 mm以下) |
シャフトに取りつけた負荷の偏心量
シャフトに取りつけた負荷 (ハンド+ワーク)の偏心量は、Inertia命令の「偏心量」パラメーターで設定します。
[ツール]-[ロボットマネージャー]-[ハンド偏心設定]パネル-[偏心量]で設定します。
[コマンドウィンドウ]で、Inertia命令による設定も可能です。
Inertia (偏心量)設定時の加減速度の自動補正
GX10-B/GX10-C/GX20-B/GX20-Cシリーズ
慣性モーメントの計算方法
負荷 (ワークを持ったハンド)の慣性モーメントの計算例を示します。
負荷全体の慣性モーメントは、(A) ~ (C)の合計で求められます。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | 回転軸 |
| b | シャフト |
| A | ハンド |
| B | ワーク |
| C | ワーク |
(A) (B) (C) の各慣性モーメントの計算方法は次のとおりです。これらの基本的な形状の慣性モーメントを参考に、負荷全体の慣性モーメントを求めてください。
(A) 直方体の慣性モーメント
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | 回転軸 |
| b | 直方体の重心 |
(B) 円柱の慣性モーメント
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | 円柱の重心 |
| b | 回転軸 |
(C) 球の慣性モーメント
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | 回転軸 |
| b | 球の重心 |