セーフガードとしての接続

マニピュレーターの周囲には、安全のための安全防護柵を設け、その出入口には安全機器を取りつける必要があります。本マニュアルで述べる「セーフガード」とは、安全防護柵の中に入るためのインターロックの付いた安全装置のことを指します。具体的には、セーフティードアスイッチ, セーフティーバリア, ライトカーテン, セーフティーゲート, セーフティーフロアマットなどになります。安全機能マネージャーで、必ず1つは、セーフガード(SG)を割り当てる必要があります。

接続条件
セーフガードは、次の条件を満たすよう設計してください。

  • キースイッチ型の安全装置を使う場合は、強制的にインターロックの接点が開くタイプを使用してください。インターロック自身のばね力で接点を開く(オープンになる)ものは、使用しないでください。
  • インターロック機構のものは、インターロック機構を無効化しないでください。
  • 安全I/Oには二重化された経路が用意されています。安全扉スイッチは2接点のものを使用し、各接点を二重化された経路にそれぞれ接続してください。

キーポイント


セーフガード入力は二重化されています。この二重化された経路の状態が、約2秒以上異なる場合は、セーフガード経路に何らかの異常があったと判断し、エラーとなります。セーフガード入力には、二重経路を持つものを使用してください。

ラッチ解除入力
セーフガードの状態および、TEACHモードの状態は、ソフトウェアによってラッチされます。安全I/Oコネクターには、これらのラッチ状態を解除するためのラッチ解除入力が用意されています。(“ラッチ”は、“保持”を意味しています。)
この信号は非安全信号なので、一重の信号です。
スイッチを接続する場合、ノーマリーオープンのスイッチを使用してください。

  • ラッチ解除入力オープン (スイッチOFF)
    セーフガード開の状態および、TEACHモードの状態をラッチします。
  • ラッチ解除入力クローズ (スイッチON)
    ラッチ状態を解除します。

キーポイント


セーフガードが開いた状態で、TEACHモードのラッチ状態を解除した場合、セーフガードが開いているため、動作禁止状態となります。マニピュレーターが起動するには、セーフガードを閉じ、ラッチ解除入力をクローズしてください。

以下のラッチ解除入力の電気特性を守って、接続をしてください。
ラッチ解除入力は、双極性の部品を使用しているため、Pin A8とA10のどちらに電源を接続しても、問題はありません。

電圧: +24V±10%
電流: 10mA/+24V入力時

注意


ラッチ解除入力の端子は1chしかないため、複数のセーフガードに割り当てた場合は、一括で動作します。そのため、各セーフガードにラッチ解除スイッチを置きたい場合は、直列にスイッチを接続してください。

スイッチ機能の確認
セーフガードスイッチとラッチ解除スイッチを安全I/Oコネクターに接続した後は、安全のための確認が必要です。マニピュレーターを動かす前に、次の手順でスイッチの機能を確認してください。

  1. セーフガードが開いた状態で電源を入れ、コントローラーを起動させます。
  2. 画面のステータスバーに、"安全扉"が表示されていることを確認します。または、コントローラーの7セグに"SO"が表示されることを確認します。
  3. セーフガードを閉じて、ラッチ解除入力に接続したスイッチをオンします。
  4. ステータスバーの"安全扉"の表示が消えたことを確認します。または、コントローラーの7セグの"SO"表示が消えたことを確認します。

接続例
安全扉を2つ接続した場合

安全扉とレーザーカーテンを接続した場合

安全機能切替装置としての接続

SLSやSLPをお客様の使用環境に合わせて切り替える必要があります。その切り替え機能として、安全入力を使用することができます。入力信号としては、安全PLCやレーザーカーテンなどが想定されています。
以下のマニュアルを参照してください。
"ロボットコントローラー 安全機能マニュアル"

接続例 (安全PLCと接続した場合)
安全PLCはPNP出力なので、次の組み合わせのみになります。