ビジョンシーケンスのテストとデバッグ

ビジョンシーケンス中のすべてが正常に機能しているかどうかを知るには、ビジョンシーケンスのAllPassedリザルトの状態を調べます。
ビジョンオブジェクトのいずれかの検出結果が不良であった場合、AllPassedビジョンリザルトが、Falseに設定されています。一方で、すべてのビジョンオブジェクトが正しく設定されていないとAllPassedリザルトもまちがえて良品と返す場合があります。最後に、ビジョンシーケンスのテストをして、ビジョンシーケンス中で適切に実行されないものがある場合には、デバッグをする必要があります。
ここでは、Vision Guideシーケンスで使われるデバッグの機能と方法のいくつかについて説明します。

ビジョンオブジェクトの色の確認

問題の原因を解明するために、まず確認するべきことのひとつとして、画像イメージ表示部のビジョンオブジェクトにおかれている、良/不良の色の確認があります。
検出結果-良とされたビジョンオブジェクトは、検出位置とともに、サーチウィンドウが緑色(PassColorプロパティーで変更可能)で表示されます。
不良判定されたビジョンオブジェクトは、サーチウィンドウが赤色(FailColorプロパティーで変更可能)で表示されます。このような場合は、これについてさらに詳細に検討する必要があることを示唆しています。
Graphicsプロパティーが“None”に設定されているビジョンオブジェクトには、いかなるグラフィックも表示されません。すべてのビジョンオブジェクトについて、確実にグラフィックを表示したい場合には、Vision Guideツールバー - [全グラフィック表示] ボタンをクリックしてください。この操作をすることによって、個々のGraphicsプロパティーの設定と関係なく、すべてのグラフィックが表示されるようになります。

個々のビジョンオブジェクトリザルトの確認

ビジョンシーケンスを実行すると、シーケンスウィンドウ上にビジョンシーケンスのリザルトを表示したり、オブジェクトウィンドウ上にビジョンオブジェクトのリザルトを表示したりすることができます。
あるビジョンオブジェクトの実行について問題があると推測される場合、また、ビジョンシーケンスの実行中にそのビジョンオブジェクトを詳細にモニターしたい場合などは、数回クリックすれば、表示できます。

  1. 対象となるビジョンオブジェクトをフローチャート、またはシーケンスツリーから選択します。
  2. そのビジョンオブジェクトのリザルトを確認します。

ビジョンシーケンスを実行している最中でも、ビジョンオブジェクトの切り替えや、オブジェクトウィンドウ表示とシーケンスウィンドウ表示の切り替えができます。
このような機能によって、1サイクルあるいはそれ以上のビジョンシーケンスの実行を開始することができ、ビジョンシーケンスを中止することなく、ビジョンシーケンス内のさまざまな多数のビジョンオブジェクトについてリザルトを確認することができます。

ビジョンシーケンスでの逐次ステップ実行

Vision Guide 8.0開発環境のその他の優れたデバッグ機能のひとつに、逐次ステップ実行機能があります。
ビジョンシーケンスの実行パネルには、[ステップ実行]ボタンがあります。このボタンをクリックすると、一度に1つのビジョンオブジェクトを逐次ステップ実行します。
また、逐次ステップの実行中に、実行前のビジョンオブジェクトについてプロパティーを変更することができます。
[ステップ実行]ボタンをクリックすると、すべてのビジョンオブジェクトを静止状態にします。オブジェクトは青色になります。もう一度[ステップ実行]ボタンをクリックすると、シーケンスの最初のビジョンオブジェクトを実行します。オブジェクトが検出されたら緑色に、検出されなければ赤色になります。

ビジョン統計機能の使用

もうひとつのツールとして、ビジョン統計機能があります。
ビジョンシーケンスの信頼性をテストする場合は、まず、「サイクル数」の値を高い数値に設定し、ビジョンシーケンスをしばらくの間実行してください。
次に、統計ダイアログで、すべてのビジョンオブジェクトの統計結果をチェックします。信頼性の高い結果が得られたのは、どのビジョンオブジェクトか、また結果にばらつきが多いのは、どのビジョンオブジェクトかを確認することができます。
ビジョン統計機能の詳細は、以下を参照してください。
統計ツール

RUNウィンドウとVision Guideウィンドウの切り替え

何度かテストを実行することにより、RUNウィンドウから最終テストを実行する準備ができたと判断できる場合や、まだ調整する必要があると判断できる場合があります。このような場合に備えて、RUNウィンドウの実行中に、Vision Guide 8.0開発環境ウィンドウへのアクセスができるようになっています。
例をあげて説明してみましょう。
今、RUNウィンドウからVision Guide 8.0アプリケーションを実行しているとして、前回実行時に問題のあったCorrelationオブジェクト “pin1”について、Scoreリザルトを確認すると仮定してください。
まず、Epson RC+ 8.0ツールバー - [ビジョン]ボタンをクリックします。この操作によって、アプリケーションを実行しながら、Vision Guide 8.0開発環境ウィンドウを表示させることができます。
フローチャートから “pin1”オブジェクトを選択してください。これで、プログラムの実行を実際に中止することなく “pin1”オブジェクトのリザルトを表示することができます。
RUNウィンドウに戻りたい場合は、Epson RC+ 8.0ツールバー - [RUNウィンドウ]ボタンをクリックしてください。