Inertia
ロボットの負荷イナーシャと偏心量を設定します。
書式
(1) Inertia [負荷イナーシャ [, 偏心量]]
(2) Inertia
パラメーター
- 負荷イナーシャ
- ハンドおよびワークを含む、先端関節の中心周りの慣性モーメント (イナーシャ) (実数、単位: kg·m2)を、数値または式で指定します。省略可能 (負荷イナーシャのみを省略することは不可能)です。
- 偏心量
- ハンドおよびワークの重心の先端関節中心からの距離 (実数、単位: mm)を、数値または式で指定します。省略可能です。
結果
パラメーターを省略すると、現在設定されているイナーシャパラメーターを表示します。
[偏心量]を省略すると、入力された [負荷イナーシャ]が設定され、デフォルト値の [偏心量]が設定されます。
[負荷イナーシャ]のみを省略することはできません。
イナーシャ値や偏心量に、実際より小さい値を指定すると、過剰な加速値および減速値が設定され、マニピュレーターに損傷を与えることがありますので注意してください。また、エラーの発生や衝撃の原因となり、機能が発揮できないだけでなく、部品の寿命が低下したり、ベルトの歯飛びによる位置ズレが発生したりする可能性があります。
解説
先端関節周りの慣性モーメントを指定するとき、Inertiaステートメントを使います。これにより先端関節の加減速およびサーボゲインを適正に補正することができます。また、偏心量パラメーターで、先端関節中心からハンドとワークの重心までの距離を指定することができます。
ロボットパラメーターデータは、コントローラー内のコンパクトフラッシュに格納されています。このため、本コマンドを実行するとコンパクトフラッシュへの書き込みが発生します。頻繁なコンパクトフラッシュへの書き込みは、コンパクトフラッシュの寿命に影響します。本コマンド実行を必要最小限にとどめることを推奨します。
"負荷, イナーシャ, 偏心/オフセット測定ユーティリティ"による設定も可能です。
詳細は、以下のマニュアルに記載しています。
"Epson RC+ ユーザーズガイド - 負荷, イナーシャ, 偏心/オフセット測定ユーティリティ"
注意
Inertiaの設定値は、電源オフでも変更されません
Inertiaの設定値は、一度設定するとコントローラーに記憶されます。電源をオフしても変更されません。
何も設定しない場合は、前回設定された値のままになります。
参照
Inertia関数
ハンド制御コマンドについては、以下のマニュアルを参照してください。
"Hand機能"
Inertia使用例
Inertia 0.02, 1