VR (Vibration Reading) ユニット

VRT機能を効果的に活用するには、発生している振動状況を正確に把握し、適切なVRTパラメーターを設定する必要があります。

VRTパラメーターは、振動抑制に必要なパラメーターです。以下の状況の変化によってパラメーターの変更が必要です。

  • ロボットの姿勢 (腕を伸ばした姿勢, 縮めた姿勢)
  • ハンドや、ハンドが把持するものの重量が変化する場合
  • 架台の状況や状態

VRTパラメーターは、以下の場合に取得が必要です。

  • 新規にロボットを設置するとき
  • ラインを変更するとき
  • 工場内のレイアウトを変更するとき

本オプションは、振動状況把握に必要な振動取得ユニット (VRユニット)と、ソフトウェア (VR ソフトウェア)から構成されています。振動状況を把握し、VRTパラメーターが出力されるしくみを提供します。

VRTパラメーターは、次の手順で取得できます。

  1. 振動している場所にVRユニットを直接取りつけます。
  2. VRユニットとPCをUSBケーブルで接続します。
  3. 振動が発生している動作プログラムに、"VRT_Trigger"コマンドを追加します。
  4. VRソフトウェアを起動します。
  5. 取得トリガー待ち状態にします。
  6. Epson RC+から、"VRT_Trigger"コマンドを追加したプログラムを実行します。

振動状態の改善効果は、次の手順で確認できます。

  1. VRソフトウェアで取得したパラメーターの値を使用して、動作プログラム内にVRTコマンドを追加します。
  2. 再度、プログラムを実行し、VRソフトウェアで測定します。

VRTパラメーターを取得するには、以下の条件を満たしていることを確認してください。

  • ロボットコントローラー (コントロールユニット, ドライブユニット)と接続されていること

    (RC90, RC700, RC700DU, RC700-A, RC700DU-A, RC700-D, RC700-E, RC800-A)

  • VRユニットとPCがUSBケーブルで接続されていること

  • VRTオプションが有効になっていること

  • 振動が発生している動作プログラムに"VRT_Trigger"コマンドが追加されていること

VRT機能による振動低減は、停止直後の振動に対して有効に働きます。パラメーターを取得するときは、ロボット動作の測定位置で停止後、1.5秒の停止命令が自動的に実行されます。

パラメーター取得後は、追加した "VRT_Trigger"コマンドを削除してください。削除を忘れた場合でも、VRソフトウェアでトリガー待ち状態にならない限り、測定位置前で1.5秒停止することはありません。

"VRT_Trigger"コマンドを記述したロボット動作途中で、VRソフトウェアのトリガー待ちのON/OFFを切り替えると、追加停止機能 (1.5秒)がON/OFFします。注意してください。