仕様

R-I/Oコネクター

ロボットコントローラーRC700シリーズ, RC800シリーズは、リアルタイムI/Oのトリガー入力信号を接続するためのR-I/Oコネクターを備えています (RC800シリーズ (の一部)は、非対応です)。R-I/O入力は、標準I/O入力より高速に信号を取り込むことができる専用の入力インターフェイスです。トリガー入力信号は、コントロールユニットとドライブユニットそれぞれについて各2点まで接続できます。たとえば、カメラ上空をロボットが通過したときに、透過型センサーが反応するように設置し、カメラーシャッターと同時にR-I/O入力が入るように接続します。

接続コネクターや接続回路などハードウェアの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"ロボットコントローラーマニュアル - I/O リモート設定"

リアルタイムI/O コマンド

リアルタイムI/Oを使用するための専用コマンドが用意されています。ここでは、これらのコマンドの概要を説明します。

詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"SPEL+ランゲージリファレンス"

LatchEnable
リアルタイムI/Oによるロボット位置情報ラッチ機能の有効, 無効を切り替えます。LatchEnable Onを実行すると、R-I/Oに接続したトリガー入力信号によるロボット位置のラッチ機能が有効となります。ラッチを有効にしてから、SetLatchで指定した連続ラッチ回数分(最大4回)のラッチが可能です。繰り返しロボット位置をラッチする場合は、一度LatchEnable Offでラッチを解除し、再びLatchEnable Onを実行します。繰り返し使用する場合、各コマンドの処理時間を考慮すると、約60 ms以上の間隔が必要となります。LatchEnable自体の実行時間は無視できます。
SetLatch
トリガー入力信号を接続するリアルタイム入力ポートのポート番号, 入力論理, 連続ラッチ回数を指定します。指定できるポート番号は、以下のとおりです。R-I/Oを使用するロボットが接続されているユニットのポート番号を指定します。それ以外のポート番号を指定した場合はエラーが発生します。1台のロボットが複数のポートのトリガー信号を同時に待つことはできません。

RC700シリーズ

ポイント ポート番号
コントロールユニット 入力 2点 24, 25
ドライブユニット1 入力 2点 56, 57
ドライブユニット2 入力 2点 280, 281
ドライブユニット3 入力 2点 312, 313

RC800シリーズ (RC800シリーズ (の一部)は、非対応です)

ポイント ポート番号
コントロールユニット 入力 4点 24,25,26,27
SetLatchの実行には、約40 msの処理時間がかかります。
LatchState関数
選択されているロボットの位置情報のラッチが完了しているかどうかの状態を取得する関数です。ラッチ完了を確認したあとLatchPos関数で位置情報を取得します。
LatchPos関数
トリガー入力によりラッチされたロボットの位置情報を返す関数です。LatchPos関数の実行には約15 msの処理時間がかかります。
Tool 0, Arm 0の位置を返す場合: キャッチオンフライアプリケーションを使用する場合は、WithoutToolArm パラメーターを設定してください。
RobotPosビジョンシーケンスプロパティー
RobotPlacePosリザルトを使用してパーツ配置位置を取得する場合、RobotPlacePosリザルト取得前に画像取得時のロボット位置を本プロパティーに設定します。
また、モバイルカメラシステムを使用する場合において、パーツ位置を算出するための、画像取得時のロボット位置を設定するプロパティーです。
いずれの場合も、LatchPos関数で取得した位置を本プロパティーに設定することで、正しいパーツ位置を算出することができます。
詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
"Vision Guide 8.0プロパティー&リザルトリファレンス"

精度

位置情報をラッチする理論上のサンプリング時間は、以下のとおりです。

サンプリング時間 [μs]
コントロールユニット 4軸ロボット 32
6軸ロボット 32
ドライブユニット* 4軸ロボット 32
6軸ロボット 21
  • RC700シリーズのみ

ラッチトリガー入力時のロボット速度 (ワーク移動速度)とサンプリング時間から、ラッチ精度の目安を求めることができます。実際の精度については、ハード的な遅延時間やばらつきなどが影響するため、要求精度に対して余裕を持たせる必要があります。トリガー入力時のロボット速度を落とすほどラッチ精度は、向上します。

ラッチ位置精度 [mm] = ロボット速度 [mm/s] × サンプリング時間 [s]