非常停止
ロボットシステムには、作業者が、ただちにシステムを停止させることができる装置が必要です。コントローラーや、他の機器に備えられている非常停止入力を使用し、非常停止装置を設置してください。
非常停止スイッチは、以下に注意してお使いください。
- 非常停止スイッチは、緊急時にマニピュレーターを停止する場合のみに限定して使用してください。
- 緊急時に非常停止スイッチを押す以外で、プログラム動作中のマニピュレーターを停止する場合は、標準I/Oに割り当てた、Pause (一時停止), STOP (プログラム停止)による命令により行ってください。
Pause, STOP命令は、励磁が切れないため、ブレーキはロックしません。
非常時以外 (正常なとき)にロボットシステムを非常停止状態にさせたい場合は、マニピュレーターが動作していないときに非常停止スイッチを押してください。
マニピュレーターが正常に動作しているときに、むやみに非常停止スイッチを押すことは避けてください。
以下の寿命が短くなる可能性があります。
- ブレーキ寿命
ブレーキがロックすることにより、ブレーキの摩擦板が摩耗し、ブレーキ寿命が短くなります。- 通常のブレーキ寿命の目安:
約2年 (100回/日ブレーキを動作させた場合)
または約20,000回
- 通常のブレーキ寿命の目安:
- 減速機の寿命
減速機に衝撃が加わることにより、減速機寿命が低下する可能性があります。
マニピュレーターの動作中にコントローラーの電源をオフし、マニピュレーターを停止させた場合は、以下のトラブルが起こる可能性があります。
- 減速機寿命低下、および破損
- 関節部の位置ずれ
また、マニピュレーターの動作中に停電などやむを得ずコントローラーの電源オフが発生した場合は、電源復旧時に以下の確認を行ってください。
- 減速機に破損がないか
- 関節部に位置ずれがないか
位置ずれがある場合は、メンテナンスが必要です。詳しくは販売元にお問い合わせください。
非常停止時の停止距離について
非常停止スイッチを押しても、動作中のマニピュレーターは瞬時に停止することはできません。また、停止時間および移動量は、以下のような要因により異なります。
- ハンド質量, WEIGHT設定, ACCEL設定, ワーク質量, SPEED設定, 動作姿勢 など
マニピュレーターの停止時間、および移動量は、以下を参照してください。
Appendix B: 非常停止時の停止時間と停止距離
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