開梱から設置
マニピュレーター、および関連機器の運搬と設置は、当社、および販売元が行っている、導入トレーニングを受けた方が行ってください。また、必ず各国の法規と法令にしたがってください。
警告
玉掛け, クレーン作業, フォークリフトの運転など運搬作業は、有資格作業者により、行ってください。無資格作業者による作業は、非常に危険で重傷や重大な損害を負う可能性があります。
マニピュレーターをつり上げるときは、手を添えてバランスを保ってください。バランスを失うと、マニピュレーターが落下するおそれがあり、非常に危険で重傷や重大な損害を負う可能性があります。
ロボットシステムには、安全を確保するために必ずセーフガードを設置してください。セーフガードについては、以下のマニュアルを参照してください。
"Epson RC+ ユーザーズガイド - 安全について - 設置と設計上の注意"
マニピュレーターは、ワークを持った状態で、腕をいっぱいに伸ばし、ツールまたはワークの先端が側壁、およびセーフガードに届かない場所に設置してください。ツールまたは、ワークの先端が側壁、およびセーフガードに届くと、非常に危険で重傷や重大な損害を負う可能性があります。
マニピュレーターを通電、および動作させるときは、必ずマニピュレーターを固定してください。マニピュレーターを固定せずに、通電、および動作させると、マニピュレーターが転倒する可能性があり、非常に危険で重傷や重大な損害を負う可能性があります。
マニピュレーターの設置や運転の前に、マニピュレーターの部品の欠けや、傷などがないことを確認してください。部品の欠けや、傷により、誤動作の可能性があり、非常に危険で重傷や重大な損害を負う可能性があります。
注意
マニピュレーターは、納入された状態のまま、台車などで運搬してください。
搬送用パレットや梱包箱に固定されているマニピュレーターの固定ボルトや設置ボルトをはずすときは、マニピュレーターが倒れないように支えてください。マニピュレーターを支えずに固定ボルトや設置ボルトをはずすと、マニピュレーターが倒れ、手足を挟み込む可能性があります。
マニピュレーターの運搬は、運搬具に固定するか、2名以上で行ってください。また、ベース下面 (あみかけ部)には、手をかけないでください。手指を挟み込む可能性があり、非常に危険です。
本体質量: 63 kg: 139 lb (ポンド)
マニピュレーターを運搬するときは、十分注意をしてください。コネクターをぶつけて破損する可能性があります。
マニピュレーターの開梱や移設などにかかわる運搬では、アーム部やモーター部などに外力がかかる方法は避けてください。
長距離を運搬するときは、運搬具に直接マニピュレーターを固定し、倒れないようにしてください。また、必要に応じて納入時と同等の梱包にして運搬してください。
周辺の建物, 構造物, 機器などと干渉しないようにマニピュレーターを配置してください。周辺機器と衝突したり、人体を挟み込むおそれがあります。
架台の剛性によっては、マニピュレーター動作時に共振 (共振音や微振動)が発生する場合があります。共振が発生する場合には、架台の剛性をあげるか、マニピュレーターの速度、または加減速度を変更してください。
マニピュレーターベースには、ベースに冷却ファンがあります。冷却ファンが密閉されないように、マニピュレーターを設置してください。詳細は、以下の図を参照してください。
保護テープ
保護テープ (4か所)を取りはずしてください。
固定ボルト
寸法は、以下を参照してください。
マニピュレーターの取付寸法
マニピュレーターベースの固定用ボルト穴は4ヶ所あります。固定用ボルトはM12サイズです。固定用ボルトは、強度がISO898-1 property class 10.9または12.9相当のものを使用してください。 締付トルク: 100.0 ± 5.0 N·m (1,020 ± 51 kgf·cm)
記号 | 説明 |
---|---|
a | 4×M12×40 |
b | スプリングワッシャー |
c | 平ワッシャー |
d | ねじ穴 (深さ25 mm以上) |
架台
マニピュレーターを固定するための架台は、お客様が製作してください。
ロボットシステムの用途によって架台の形状や大きさなどが異なります。ここでは架台設計時の参考として、マニピュレーター側からの条件を示します。
架台は、マニピュレーターの質量だけでなく、最大加減速度で動作した場合の動的な作用にも耐えるよう、梁などを多く設け、十分な強度をもたせてください。
以下に、マニピュレーターの動作によって発生するトルク、および反力を示します。
水平面回転時最大トルク (N·m) | 2,600 |
水平方向最大反力 (N) | 1,000 |
垂直面回転時最大トルク (N·m) | 3,400 |
垂直方向最大反力 (N) | 7,900 |
マニピュレーター取付面の板は、振動を抑制するために、鉄製で厚さ30 mm以上のものを推奨します。
表面粗さは、最大高さで25 μm以下が適切です。
架台は、外部 (床など)に固定し、動かないようにしてください。
マニピュレーター設置面は、平面度: 0.5 mm以下, 傾き: 0.5°以下にしてください。設置面の平面度が悪いと、ベースの破損や、ロボットの性能を十分に発揮できない可能性があります。
架台の高さ調整を行うためにレベラーを使用する場合は、径がM16以上のねじを使用してください。
コネクター
架台に穴を設けてケーブルを通す場合は、下図のコネクター寸法を参照してください。(単位: mm)
記号 | 説明 |
---|---|
a | M/Cケーブル |
b | シグナルケーブルコネクター |
c | パワーケーブルコネクター (ストレート) |
d | パワーケーブルコネクター (Lアングル) |
M/Cケーブルは、マニピュレーター本体から取りはずさないでください。
キーポイント
コントローラーを架台に納める場合の環境条件 (スペースについての条件)は、ロボットコントローラーマニュアルを参照してください。
クリーン環境でマニピュレーターを使用する場合は、設置前に以下の作業を実施してください。
- クリーンルーム前室などで開梱します。
- マニピュレーターが倒れないよう、マニピュレーターを運搬具 (またはパレット)にボルトで固定します。
- マニピュレーター表面を、エチルアルコール、または純水を含ませた不織布などで拭きます。
- クリーンルームに搬入します。
- マニピュレーターを架台に固定します。