座標変換
力覚センサーの座標変換とは、力覚センサーの出力値をフォース座標系における力とトルクに変換することです。
全てのフォース機能は、フォース座標系で実行されます。座標変換は、常に自動で実行されます。
フォース座標系は、フォース座標オブジェクトによって設定できます。動的に座標系を切り替えながらフォース機能を実行します。
座標変換を使用しても、力覚センサーの出力値は変化しません。そのため、表示される値が力覚センサーの定格内であっても、力覚センサーの出力値が定格を超えている場合は、5548エラーが発生します。
注意
フランジオフセットやフォース座標オブジェクトの設定に誤りがある場合、力覚センサーの出力値は誤った座標系における力とトルクに変換されます。この状態で力制御機能を実行すると、力制御機能が意図しない動作を行うことがあります。十分に注意して設定し、動作確認を行ってから力制御機能を実行してください。
力覚センサー座標系とツール座標系の対応
力覚センサーの出力値を座標変換するためには、力覚センサーとロボットの相対関係を意味するフランジオフセットを設定する必要があります。
フランジオフセットの物理的な意味は、センサーフランジによるオフセット量です。フランジオフセットは、ロボットのツール0座標系からみた力覚センサーの底面中心位置を原点として、方向が力覚センサー座標系と一致する座標系の位置姿勢を設定します。
弊社のセンサーフランジを使う場合のロボットの取付方法によるオフセットは、次の通りです。
ロボット機種 | センサー機種 | 取付方法 | フランジオフセット (X, Y, Z, U, V, W) |
---|---|---|---|
GX4, GX8シリーズ | S2503, S2506 | すべて | (0, 0, -22, 180, 0, 180) |
GX10, GX20シリーズ | S25010 | (0, 0, -24, 180, 0, 180) |
センサーフランジを、お客様が製作する場合は、オフセット量を計測しフランジオフセットを設定してください。
フランジオフセットは、[システム設定]-[コントローラー]-[力覚センサー] -[センサー*]か、F_FlangeOffsetステートメントで設定することができます。設定の詳細は、次の項とマニュアルを参照してください。
- ソフトウェア編 [システム設定]メニュー - 力覚センサー
- "Epson RC+ 8.0 オプション Force Guide 8.0 SPEL+ランゲージリファレンス"
ツール座標系とフォース座標系の対応
フォース座標系は、ツール座標系からオフセットを持った座標系です。そのため、ロボットのツール先端が移動した場合や、選択しているツール座標系のオフセットが変更された場合、移動や変更にしたがってフォース座標系も移動します。
フォース座標系のオフセットは、フォース座標オブジェクトで設定します。
フォース座標系の原点は、現在選択されているツール座標系からのオフットで定義され、Positionプロパティーを使用します。
フォース座標系の方向は、次の座標系から選択できます。Orientationプロパティーを使用します。
- ベース座標系
座標系の方向は、常にベース座標系と一致しています。ロボットの姿勢やツール設定が変わっても変化しません。 - ローカル座標系
使用するローカル座標系の番号を同時に選択します。座標系の方向は、常に選択された番号のローカル座標系と一致しています。ロボットの姿勢やツール設定が変わっても変化しません。 - ツール座標系
座標系の方向は、常にツール座標系と一致しています。ロボットの姿勢やツール設定にしたがって変化します。 - カスタム座標系
ツール座標系からの回転移動量を、U, V, Wで同時に設定します。座標系の方向は、ツール座標系からオフセットを持った方向となります。ロボットの姿勢やツール設定にしたがって変化します。
フォース座標オブジェクトは、[フォースエディター]と、FSetステートメントで設定できます。設定の詳細は、次の項とマニュアルを参照してください。 - ソフトウェア編 [ロボットマネージャー] (ツールメニュー)
- [ツール]-[ロボットマネージャー]-[フォースデータ]パネル
- "Epson RC+ 8.0 オプション Force Guide 8.0 SPEL+ランゲージリファレンス"
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