用語の定義

本マニュアルで使用する用語、およびその定義を、下表に示します。

用語 意味
ハンド マニピュレーター先端に取りつけ、何か動作をする機器の総称
エンドエフェクター*1 マニピュレーター先端に取りつける機器の総称 (ISO規格)
EOAT*1

End Of Arm Tooling

マニピュレーター先端に取りつける機器の総称

グリッパー

ハンドのうち、ワークを把持するハンドの総称

おもに、吸着タイプとチャックタイプがある

電動ドライバー

電動のねじ締め装置

(ハンド機能では、マニピュレーター先端に取りつけることができ、I/O制御をサポートしているものを対象としています。)

ディスペンサー 接着剤やグリスなどを塗布する装置
溶接トーチ 溶接を行う装置
圧空

圧縮空気

空気圧を動力源として動作する機器に供給する

真空 (状態) 大気圧より空気圧が低い状態
真空発生器

真空状態を生成する装置

エジェクター, 真空ポンプなど

エジェクター 圧空から得られる気流を用いて真空を生成する装置
真空ポンプ 容器内から気体を排出し、真空を得るためのポンプ
真空破壊 (機能) 真空状態の部分に圧空を送り込み、真空状態を能動的に大気圧に戻す機能
入力信号*2 ハンドからコントローラーへ送られる信号
出力信号*2 コントローラーからハンドへ送られる信号
単機能 (ハンド)

“開, 閉”、または “吸着, 解放”の2状態から構成されるハンド

(Epson RC+のハンド機能では、I/O接続で入出力点数がそれぞれ2点以下のものと定義しています。)

高機能 (ハンド) “単機能”に該当しないハンド
  • I/O接続で、入力, 出力のどちらか、または両方が3点以上のもの
  • I/O接続ではなく、通信を用いるハンド
吸着 (ハンド)

真空を用いて、ワークを吸いつけること

または、吸いつけるタイプのハンド

チャック (ハンド)

ワークを、挟み込むことで掴むこと

または、挟み込むタイプのハンド

ワークの外側から把持するタイプ(外把持)と、内側から把持するタイプ(内把持)とがある。

チャックタイプのハンドにおいて、先端部にある可動部
バルブ

圧空を制御するソレノイドバルブ

Epson RC+のハンド機能では、シングルソレノイドと、ダブルソレノイドをサポートしています。

単動 (式)

チャックハンドのうち、開閉のどちらかの動作は空気圧で行い、その逆の動作は、ばねの作用で行う方式

圧空を供給しない状態で指が開いているもの(常時開)と、閉じているもの(常時閉)とがある。

複動 (式) チャックハンドのうち、開閉の両方の動作を空気圧で行う方式
センサー

チャックハンドの指位置を取得するセンサー

メーカーによって、オートスイッチ, センサースイッチ, 近接センサーなどの名称がある。

Epson RC+のハンド機能では、2線式, 3線式(NPN/PNP)をサポートしている。

プラスコモン

I/Oのコモン端子が、プラス(+24V)に接続されている接続方法

ソースコモン

コントローラーのI/O出力端子をプラスコモンとして接続すると、コントローラー内部は、PNPタイプのスイッチ(トランジスター)として動作する。

コントローラーのI/O入力端子をプラスコモンとして接続する場合は、NPNタイプのセンサー(トランジスター)を使用する。

マイナスコモン

I/Oのコモン端子がマイナス(GND)に接続されている接続方法

シンクコモン

コントローラーのI/O出力端子をマイナスコモンとして接続すると、コントローラー内部は、NPNタイプのスイッチ(トランジスター)として動作する。

コントローラーのI/O入力端子をマイナスコモンとして接続する場合は、PNPタイプのセンサー(トランジスター)を使用する。

*1: Epson RC+では、“ハンド”と呼びます。
*2: 本マニュアルに記載している “出力”, “入力”信号は、すべてコントローラー側から見た信号の向きを指しています。

記号 内容
a ハンド
b コントローラー
A 出力(動作指令など)
B 入力(ワーク検出信号など)