安全に関する機能
ロボットシステムには、次のような安全機能があります。安全上、特に重要なため、ロボットシステムを使用する前に、必ずその機能が働くことを確認してください。
Controller Safety Function 標準機能:
- 安全トルクOFF (STO)
ロボットコントローラーからの信号入力によって、リレーを開いてモーターへの電力供給を遮断し、ロボットを停止させた状態です。ロボットコントローラーの安全状態になります。
STOは、非常停止や保護停止などから間接的に動作されます。直接動作させることはできません。
非常停止
非常停止入力コネクターや安全I/Oコネクターに取り付けた非常停止スイッチ、または安全リレーからの信号入力によって、ロボットを非常停止させる機能です。 信号入力後はSS1が実行され、モーター停止後に 非常停止状態になります。非常停止状態のときは、ロボットコントローラーの7セグメントLEDに、EPが表示されます。
ロボットコントローラーの非常停止経路は3つあります。- 非常停止入力コネクター (E-Stop)
- 非常停止設定した安全I/Oコネクターのポート (Safety Input)
- ティーチペンダントに付帯する非常停止スイッチ (E-Stop, TP)
セーフガード (SG) / 安全扉 (保護停止)
安全I/Oコネクターに取り付けられた安全周辺機器からの信号入力によって、ロボットを保護停止させる機能です。信号入力後はSS1が実行され、モーター停止後に保護停止状態になります。ロボットコントローラーの7セグメントLEDには、SOが表示されます。
ロボットコントローラーのセーフガード (SG)経路は、次の通りです。- セーフガード (SG)に設定した安全I/Oコネクターのポート
イネーブル
イネーブルはティーチペンダントを取りつけた場合に、イネーブルスイッチが接続される経路です。エプソン製のティーチペンダントのみ接続可能で、お客様のイネーブルスイッチは接続できません。
ティーチペンダントのイネーブルスイッチが、中間位置以外になったことを検知し、SS1実行後にSTO状態になります。ソフト軸制限
ロボットの各軸が、動作範囲内にあることを監視します。ロボットの各軸のいずれかが、制限範囲を超えた場合は、ロボットの非常停止およびSTOを実行し、ロボットコントローラーを非常停止状態にします。
ロボットの各軸の制限範囲は、専用のソフトウェア (安全機能マネージャー)で設定します。
- 安全出力
外部の安全機器を、ロボットコントローラーの安全出力に接続し、安全機能のOn/Off状態を通知します。
専用のソフトウェア (安全機能マネージャー)で設定を割り当てることで、次の安全信号を出力できます。- STO状態
- 非常停止スイッチの状態
- イネーブルスイッチ状態
- 安全速度監視 (SLS)の有効化/無効化状態
- 安全位置監視 (SLP)の有効化/無効化状態
Controller Safety Function 有償オプション機能:
安全速度監視 (SLS)
ロボットの動作速度を監視します。ロボットが監視速度を超えた場合は、ロボットの非常停止およびSTOを実行し、ロボットコントローラーを非常停止状態にします。
ロボットの安全制限速度は、専用のソフトウェア(安全機能マネージャー)で設定します。キーポイント
ティーチング時の速度監視機能は標準機能として使用することができます。
安全位置監視 (SLP)
ロボットの位置や、関節角度を監視します。ロボットが監視位置や関節角度監視を越えた場合は、ロボットの非常停止およびSTOを実行し、ロボットコントローラーを非常停止状態にします。
ロボットの監視位置や関節角度監視は、専用のソフトウェア(安全機能マネージャー)で設定します。
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