自動運転時の注意
プログラムを実行して自動運転を行う方は、以下の安全に関する注意事項にしたがってください。
警告
- 自動運転中は、不用意に動作エリア内に入らないでください。マニピュレーターが止まっているように見えても、マニピュレーターが動き出す可能性があり、非常に危険で重大な安全上の問題を引き起こす可能性があります。
- 自動運転中に原因不明でマニピュレーターが停止した場合、停止中のマニピュレーターには絶対に近づかないでください。マニピュレーターに近づく必要がある場合は、非常停止スイッチを押すか、主電源を遮断してから近づいてください。なお、主電源を遮断する場合は、新たな危険が生じないよう、十分注意してください。
- 自動運転中にプログラムを中断し、ロボットシステムを再起動する場合は、周辺機器との関係で新たな危険が生じないことを確認してから、プログラムを開始してください。
- ロボットシステムを操作するときは、安全防護柵の内側に人がいないことを確認してください。マニピュレーターが不測の動きをした場合、非常に危険で重大な安全上の問題を引き起こす可能性があります。
- ロボットシステム操作中、マニピュレーターの動作に異常を感じたら、ためらわず非常停止スイッチを押してください。異常のまま動作を続けると、非常に危険で、重傷や重大な損害を負う可能性があります。
- セーフガードのインターロックが、必ず機能する状態で作業を行ってください。スイッチにテープを巻くなどして、スイッチがオンオフしない (無効になっている)状態で作業を行うと、セーフガードの安全機能が働かず大変に危険で、重大な安全上の問題を引き起こす可能性があります。
- 故障や異常によって、マニピュレーターに人が挟まれたり、閉じ込められたりした場合は、ブレーキ解除機能を使用してマニピュレーターを動かし、脱出してください。
水平多関節型ロボット
電磁ブレーキがない関節は、そのまま手で動かしてください。ブレーキがある関節(第3関節と第4関節)は、コントローラーの主電源をオンした状態で、マニピュレーター本体にあるブレーキ解除スイッチを押して、マニピュレーターを手で動かしてください。
- 移動プラットフォーム(直線軸, 移動台車, AGV など)が動作している間は、マニピュレーターを動かさないでください。マニピュレーターを使用するときは、マニピュレーターを必ず安全柵で囲う必要があります。移動プラットフォームの動作中にマニピュレーターを動作させると、重傷や重大な損害を負う可能性があります。
- 運転中のマニピュレーターやコントローラーには、触れないでください。運転中のマニピュレーターやコントローラーは、高温になっている場合があり、やけどをするおそれがあります。
警告
- メンテナンス時以外は、コントローラーやマニピュレーターの、カバーを開けないでください。内部には高電圧の充電部があり、電源をオフした状態でも感電の危険があります。
- 濡れた手でコントローラーに触れたり、操作したりしないでください。濡れた手で触れたり操作したりすると、感電または故障の原因になります。
注意
- 水平多関節型ロボット
第1関節, 第2関節, 第4関節
動作角度 5度以下の範囲で繰り返しマニピュレーターを動作させる場合は、関節部に使われるベアリングの油膜切れが起きやすくなります。動作を繰り返すと、早期破損の可能性があります。早期破損を防止するため、目安として1時間に1回程度、各軸の動作角度が50度以上になるよう、マニピュレーターを動作させてください。
第3関節
ハンドの上下の移動距離が10 mm以下の場合は、目安として1時間に1回程度、最大ストロークの半分以上を目安にハンドを動作させてください。
- マニピュレーターの動作速度、アーム姿勢、ハンド負荷の組み合わせによって、動作中に継続的に振動(共振現象)が発生する場合があります。アームの固有振動数に起因する現象のため、次の対策を行うことで振動を抑制することができます。
- マニピュレーターの速度を変更する
- 教示ポイントを変更する
- ハンド負荷を変更する
- 移動プラットフォームにマニピュレーターを設置する場合、移動プラットフォームが、移動や稼動をしているときは、マニピュレーターを停止させてください。マニピュレーターは、全軸のモーターをオフ(非励磁の状態)に設定すると停止することができます。モーターをオフできない場合は、パワーモードをLowに設定し、移動プラットフォームとマニピュレーターの排他処理を行い、同時に動かないようにしてください。
- 動作停止直後は、モーターの発熱などによりマニピュレーターが温まっている場合があります。温度が下がるまで、マニピュレーターに触れないでください。またティーチングや、メンテナンスなどの作業は、マニピュレーターの温度が下がり、触れても熱いと感じないことを確認してから、行ってください。
- ブレーキ解除ユニット, 外部ショートコネクターがある場合
ブレーキ解除ユニット、または外部ショートコネクターを接続しないでマニピュレーターを動作させると、ブレーキが解除されず、ブレーキを破損する可能性があります。
また、ブレーキ解除ユニットを使用した後は、マニピュレーターに外部ショートコネクターを接続するか、またはそのまま、ブレーキ解除ユニット用コネクターが接続されていることを、必ず確認してください。
← 教示とプログラミング時の注意 保全時の注意 →