仕様
付加軸の種類
パルス出力基板で制御するPG軸をサポートします。ただし、PG軸はいくつかの制限があります。
PG付加軸の制限事項:
- 動作開始は、ロボットと付加軸が同期しますが、動作終了タイミングはロボットと付加軸で同期しません。
- CP OnやPassによるパス動作をサポートしません。1動作ごとに停止します。
- CVMoveの経由ポイントを通過しません。
- MCALコマンドによる原点復帰が必要です。原点復帰が完了するまで、付加軸とロボットを同時に動作させることはできません。なお、PG付加軸の移動量が"0"で、ロボットだけが動作するポイントに対してGo、およびMoveを実行した場合、ロボット単独で動作できます。
付加軸数
スカラ型 (RSシリーズ含む), 直角座標型, 垂直6軸型 (Nシリーズを含む), ジョイント型の各ロボットに対し、最大2軸まで追加できます。ただし、コントローラーに搭載できる軸数を超えて設定することはできません。
位置情報管理
付加軸は、すべてのロボットタイプにおいて第8関節, 第9関節に割りあてられ、付加軸を追加したロボットのポイントデータのS座標値, T座標値に表されます。
第8関節に設定された付加軸を付加軸S軸, 第9関節に設定された付加軸を付加軸T軸と呼びます。
付加軸の座標値は、ロボットのポイントデータに一元管理されますが、ロボット座標系には影響を与えません。
付加軸の動作
付加軸は、ロボットと同時に動作します。 (同時開始, 同時終了) ただし、付加軸の種類がPG軸の場合は、動作開始のみ同期し、ロボットおよび付加軸それぞれの設定加減速度で動作し、動作終了は同期しません。各動作命令の詳細は、以下を参照してください。
また、ポイントデータを適切に管理することで、ロボットを単独で動作させたり、付加軸を単独で動作させたりすることができます。しかし、ロボットと付加軸を独立して任意のタイミングで動作させることはできません。その場合は、駆動軸を別ロボットとして設定するマルチマニピュレーター機能を使用してください。
各動作命令の仕様
- Pulse, Go, BGo, TGo, Pass
- 付加軸は、ロボットの動作に同期して動作します。ただし、付加軸がPG軸の場合は、動作開始のみが同期し、ロボットと付加軸両方の動作終了で動作命令が完了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合CP On、およびPass命令によるパス動作は禁止され、自動的にCP Offで動作します。
- Move, BMove, Tmove
- 付加軸は、ロボットの動作に同期して動作します。ただし、付加軸がPG軸の場合は、動作開始のみが同期し、ロボットと付加軸両方の動作終了で動作命令が完了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合CP Onによるパス動作は禁止され、自動的にCP OFFで動作します。
- Arc, Arc3
- 付加軸は、ロボットの動作に同期して動作します。付加軸は経由座標で指定された位置は通過せず、目標座標で指定された位置に直接動作します。また、付加軸がPG軸の場合は、動作開始のみが同期し、ロボットと付加軸両方の動作終了で動作命令が完了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合CP Onによるパス動作は禁止され、自動的にCP OFFで動作します。
- CVMove
- 付加軸は、ロボットの動作に同期して動作します。付加軸がサーボ軸のときは連続ポイントデータで指定されたS座標, T座標を経由するカーブをS, T軸それぞれに対して生成して動作します。ただし、付加軸がPG軸の場合は、連続ポイントデータで指定された経由ポイントを経由せず最終目標ポイントの位置へ直接動作します。また、動作開始のみが同期し、ロボットと付加軸両方の動作終了で動作命令が完了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合CP ONによるパス動作は禁止され、自動的にCP OFFで動作します。
- Jump
- 付加軸は、ロボットの水平動作に同期してPTP動作します。ただし、付加軸がPG軸の場合は、動作開始のみが同期し、ロボット、および付加軸の動作終了で動作命令が完了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合、CP ONによるパス動作は禁止され、自動的にCP OFFで動作します。
- Jump3, Jump3CP
- 付加軸は、ロボットの退避動作, スパン動作, 接近動作それぞれのポイントで指定された位置に対して、同期して動作します。ただし、付加軸がPG軸の場合は、動作開始のみが同期し、ロボットと付加軸両方の動作終了で動作が終了します。また、PG付加軸が移動量を持つ場合CP ONのパス動作は禁止され、自動的にCP OFFで動作します。
- JTran, PTran
- 第8関節, 第9関節を指定することで付加軸単独で動作します。
例:
> JTran 8, 90 ' 付加軸Sを90 mm動作 > PTran 9, 10000 ' 付加軸Tを10000パルス動作