トラブルシューティング

フォースセンサーI/Fユニットを認識しない

次の項を参照し、配線を確認してください。
ハードウェア編 接続例

特に次の項目について、注意してください。

  • INコネクターの接続
  • 24V電源の接続

力覚センサーを認識しない

次の項を参照し、配線を確認してください。
ハードウェア編 接続例

特に次の項目について、注意してください。

  • 力覚センサーケーブル
  • 力覚センサーM/I接続ケーブル
    ハードウェアの接続確認後、次の項を参照し、力覚センサーを有効にしてください。
    ソフトウェア編 接続確認

力覚センサーの出力値と実際の力の方向が異なる

次の項を参照し、フォース座標系を確認してください。
導入編 座標系

フォース座標系には、次の項目がすべて影響します。

  • Base, Local, Tool座標の設定
  • FlangeOffsetの設定
  • フォース座標オブジェクト(FCS#)の設定

力覚センサーの出力値と実際の力の大きさが異なる

力覚センサーは、リセットしたときの力、およびトルクの出力を “0”として設定します。そのため、リセットしたときに外力がかかっていると、外力がなくなったとき、実際には力が加わっていなくても力覚センサーは力を検出してしまいます。このことを避けるために、力覚センサーのリセットは外力のかかっていない状態で行ってください。また、検出位置が力覚センサー構造中心にあるため、姿勢により力覚センサー本体の重量が加算されます。

また、力覚センサーをリセットした姿勢から、力覚センサーの姿勢が変化すると、重力の影響で力覚センサーの出力値も変化します。フォース機能(力制御機能, フォーストリガー機能, フォースモニター機能)を利用している動作の中で姿勢が変化しない場合には、フォース機能を利用する直前にリセットを行ってください。

フォース機能を行う最中に姿勢が変化する場合には、重力補償を利用することで重力の影響を低減することができます。詳細は、次の項を参照してください。
ソフトウェア編 重力補償

力覚センサーの出力値が時間経過によって変化する

弊社の力覚センサーは、ドリフト特性を持っています。次の項に記載されている時間ドリフトの範囲内の変動であれば正常です。
ハードウェア編 仕様
時間ドリフトの影響を避けるために、フォース機能を利用する直前にリセットを行ってください。力覚センサーのリセット後10分以内に使用してください。

力覚センサーに異常が発生した

力覚センサーに関わるエラーが発生した場合は、次のマニュアルを参照し、各エラーに対応してください。

"Epson RC+ 8.0 SPEL+ランゲージリファレンス" - SPEL+ エラーメッセージ

力覚センサーをリセットせず、長時間使用した場合、ドリフトによって誤差が蓄積されます。これにより力覚センサーの素子エラーが発生することがあります。エラーが発生した場合は、フォースセンサーオブジェクトのRebootプロパティーを実行してください。

また、力覚センサーをぶつけたときや、力覚センサーからエラーが出たときなどに、力覚センサーの精度に異常が発生する場合があります。力覚センサーが正常に動作していることを確認します。詳細は、次の項を参照してください。
ソフトウェア編 力覚センサーの精度確認

フォースガイドオブジェクトで意図した動作ができない

フォースガイドオブジェクトによる動作について、想定以上の力がかかるなど、意図した動作にならない場合は、次の項を参照しプロパティーを調整してください。

5546エラーが発生する

力覚センサーに、外部の装置などからの振動が加わっている状態で、Resetプロパティーを実行したとき、5546エラーが発生することがあります。振動が断続的な場合は、Resetプロパティーに、 “FG_RESET_WAIT_VIBRATION”を指定することで回避できることがあります。
継続的に振動が加わる環境では、5546エラーになる以外にも、力制御機能の精度が劣化するなどの影響をうけることがあります。装置の脚部にゴムシートを配置するなど、ロボットに加わる外部振動を除去するようにしてください。

ロボットが意図した方向と逆方向に動く

弊社の力覚センサーは、受けた力を感じるセンサーです。ロボットの動作する方向と、設定する押付け力、および検出する力は、常に反対方向になることに注意してください。
例えば、押付けオブジェクトのFx_ControlModeでPress+(正方向への押付け)を指定した場合、Fx_PressForceは負の値を設定しなければなりません。その動作結果として記録される力も負の値となります。
またForceControlオブジェクトを用いた力制御機能の場合も同様です。ロボットを+Fx方向に向けて動かして押付ける動作を行う場合は、Fx_TargetForceに負の値を設定しなければなりません。

接触に時間がかかる

接触したときに、あるオーバーシュート以下に抑えるようにしたい場合、移動速度を低速にする必要があります。これによりサイクルタイムが悪化する場合があります。
この場合には、接触動作を開始するアプローチポイントをできるだけ接触位置に近い位置に設定すると接触動作の時間を短くできます。ただし、ワークなどのバラつきを考慮して、アプローチポイントに移動したときに衝突することがないような位置を設定してください。
また接触動作をTill FTを用いて実現する場合、TillStopModeにFG_SOFT_STOPを設定すると改善できます。

目標位置に到達しない

ある方向のみの力制御機能を有効にしてMoveなどの動作命令を実行した場合に、力制御機能が無効である軸が目標位置に到達しないことがあります。これは、フォースコントロールオブジェクトのLimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーによって、移動に必要な速度や加速度が制限された場合に起こります。

制限されたかどうかをMotionLimitedステータスで確認することができます。
制限されている場合、LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーを大きくすることで制限されずに動作でき、目標位置に到達できます。ただし、力制御機能は加わる力に比例して速度や加速度が大きくなります。許容可能な範囲で調整してください。
LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーでは調整できない場合、Moveなどの動作命令に指定しているSpeedSやAccelSを小さくすることで制限されずに動作でき、目標位置に到達できます。

またローパワーモードでは、LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーは自動的にローパワーの範囲に制限されます。LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーを大きくしても効果がない場合はローパワーモードになっていないか確認してください。

押付けたときに大きくバウンドする

LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーの値が小さい場合、加わる力に反応するために必要な速度や加速度が制限され、大きくバウンドするようにロボットが動くことがあります。
この場合はLimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーの値を大きくしてください。
またローパワーモードでは、LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーは自動的にローパワーの範囲に制限されます。LimitSpeedSRJプロパティーやLimitAccelSRJプロパティーを大きくしても効果がない場合はローパワーモードになっていないか確認してください。

特定のプロパティーが表示されない

コントローラーのファームウェアバージョンがサポートできないプロパティーは表示されません。コントローラーのファームウェアをアップデートしてください。