非常停止時の停⽌時間と停⽌距離の補足情報
Appendix. Bに記載の停止時間と停止距離はISO 10218-1を元に弊社が定めた動作で測定したものです。
したがってお客様の環境における停止時間と停止距離の最大値を保証するものではありません。
停止時間と停止距離はロボットのモデル、動作、パラメーターや停止信号の入力タイミングによって異なります。お客様の環境に合わせ、必ず停止時間と停止距離を測定してください。
キーポイント
ロボットの動作やパラメーターには以下が含まれます。
- 動作の開始ポイント、動作の目標ポイント、動作の中継ポイント
- 動作コマンド (Go, Move, Jump等)
- Weight設定、Inertia設定
- 動作速度, 加速度, 減速度, 動作タイミングが変わるもの
以下の記載も参考にしてください。
GX1:
Weight設定とInertia設定
第3関節オートアクセルの注意事項
GX4:
Weight設定とInertia設定
第3関節オートアクセルの注意事項
GX8:
Weight設定とInertia設定
第3関節オートアクセルの注意事項
GX10/GX20:
Weight設定とInertia設定
第3関節オートアクセルの注意事項
お客様の環境で停止時間と停止距離を確認する方法
実際の動作における停止時間と停止距離は、以下の方法で測定してください。
- お客様環境における動作プログラムを作成する。
- 停止時間と停止距離を確認する動作が開始されたのち、任意のタイミングで停止信号を入力する。
- 停止信号が入力されてからロボットが停止するまでの時間と距離を記録する。
- 上記 1 ~ 3 を繰り返して最大の停止時間と停止距離を確認する。
- 停止信号の入力方法:停止スイッチを手動で操作する、または安全PLC等で停止信号を入力する。
- 停止位置の測定方法:メジャーで測定します。またはWhereやRealPosコマンド等で角度を求めます。
- 停止時間の測定方法:ストップウォッチで測定します。またはTmr関数で測定します。
注意
停止信号の入力タイミングにより停止時間と停止距離は変わります。
人や物への衝突を防ぐため、最大の停止時間と停止距離を元にリスクアセスメントを行い、装置設計を行ってください。
そのため、必ず実動作で停止信号の入力タイミングを変えて繰り返し測定を行い、最大の値を測定してください。
停止時間と停止距離を短くしたい場合、安全速度監視(SLS)を利用し、最高速度を制限してください。
安全速度監視(SLS)の詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
“安全機能マニュアル“
停止時間と停止距離の測定に役立つコマンドの紹介
| コマンド | 機能 |
|---|---|
| Where | ロボットの現在の位置データを表示します。 |
| RealPos | 指定したロボットの現在の位置を返します。 CurPosの動作目標位置とは異なり、実際のロボットの位置をエンコーダーからリアルタイムで取得します。 |
| PAgl | 指定した座標値から関節位置を計算して返します。 P1 = RealPos ‘現在の位置を取得 Joint1 = PAgl (P1, 1) ‘ 現在の位置から、J1の角度を求める |
| SF_RealSpeedS | 速度監視点の現在速度をmm/sで表示します。 |
| Tmr | Tmr関数は、タイマーがスタートしてからの経過時間を、単位秒で返します。 |
| Xqt | ファンクション名で指定したプログラムを実行し、タスクを生成します。 停止時間と停止距離の測定に利用する関数は、NoEmgAbortオプションを付けて立ち上げたタスクで実行してください。非常停止とセーフガード開でも停止しないタスクを実行できます。 |
詳細については、以下のマニュアルを参照してください。
“Epson RC+ SPEL+ ランゲージリファレンス“