XYLimMode
XYLimの監視方法の設定と表示をします。
書式
(1) XYLimMode 監視方法
(2) XYLimMode
パラメーター
- 監視方法
- 使用するXYLimの監視方法を表す整数式
定数 値 内容 XYLIM_STANDARD 0 動作コマンドの目標座標に対してXYLimを適用します。(Pulseに対しては影響しません。) XYLIM_STRICT 1 XYLIM_STANDARDの監視方法に加え、動作軌跡とパルス動作に対してもXYLimを適用します。
結果
パラメーターを省略すると、現在設定されているXYLimの監視方法を表示します。
解説
XYLimModeは、指定されているロボットのXYLimの監視方法を設定します。
XYLIM_STANDARDを指定した場合、XYLimで設定した動作範囲は、動作コマンドの目標座標に対してのみ有効となります。動作の開始地点から目標座標までの動作軌跡に対しては適用されません。したがって、動作中、アームがXYLimで設定した範囲外を通過することもあります。このモードでは、XYLimはパルス動作に対しては適用されません。
XYLIM_STRICTを指定した場合、XYLimで設定した動作範囲は、動作コマンドの目標座標と、動作の開始地点から目標座標までの動作軌跡に対して適用されます。したがって、動作中、アームがXYLimで設定した範囲を超えて動こうとするとエラーになります。このモードでは、XYLimはパルス動作に対しても適用されます。ただし、開始地点がXYLim範囲外で目標座標がXYLim範囲内のようにXYLim範囲外から範囲内に動く場合、XYLim範囲外エラーにならずに動けます。
ロボットと装置との干渉を防ぐために、XYLIM_STRICTでご使用いただくことを推奨します。
Epson RC+ のコントローラー環境設定により、コントローラー起動時の監視方法のデフォルト値を変更することができます。XYLimModeコマンドで設定された値は、コントローラー再起動まで有効です。コントローラーを再起動した場合、XYLimの監視方法はコントローラー環境設定で指定した監視方法にリセットされます。
注意
XYLIM_STANDARDは、アームがXYLimで設定した範囲外を通過することがあります。そのため、XYLimを実際の障害物と余裕をもって設定したり、XYLimの境界付近の動作は低速で軌道を確認して、ロボットと装置とが干渉しないことに注意してください。
起こりやすいエラー
XYLim境界付近でPTP動作を実行した場合
Go命令などのPTP動作を実行すると、開始地点と目標座標は左下図の矢印のように動きます。そのため、XYLIM_STRICTでは、目標座標は範囲内ですが、動作軌跡は範囲外なのでエラーになります。このような場合は、右下図のように開始位置と目標座標の間に経由座標を追加し、動作軌跡がXYLimを超えないようにして回避してください。
記号 説明 a XYLim下限位置 b XYLim上限位置 c 開始地点 d 経由座標 e 目標座標 過去プロジェクト使った場合
XYLimの監視方法をXYLIM_STRICTにしたコントローラーに、コントローラーFWのVer 7.5.2.0、7.5.52.0未満で使っていたプロジェクトを適用すると、動作軌跡が範囲外エラーになる場合があります。その場合、経由座標を追加するなどXYLimを超えないようにプログラムを修正してください。
参照
XYLim
XYLimMode コマンド使用例
下記はXYLimModeを使用する例です。現在位置からP1まではXYLIM_STANDARDで移動し、P1からP2まではXYLIM_STRICTで移動します。
Function XYLimMode_sample
Motor On
XYLimMode XYLIM_STANDARD
Go P1 ’目標座標のみにXYLimを適用
XYLimMode XYLIM_STRICT
Go P2 ’目標座標と動作軌跡にXYLimを適用
Fend
下記は、XYLimModeをコマンドウィンドウで使用する例です。現在のXYLimの監視方法を表示します。
> XYLimMode
1