WEIGHT設定
注意
ハンド+ワークの質量は、最大可搬質量以下としてください。
C4マニピュレーターが制限なく動作できるのは、この負荷までの場合です。負荷質量が、この負荷を超える場合は、後述の「負荷質量が最大可搬質量を超える場合の制限事項」を参照してください。
またWEIGHT命令では、必ず負荷に応じた値を設定してください。実際の質量より小さな値を設定すると、エラーの発生や衝撃の原因となり、十分な機能が発揮できないばかりか、各機構部品の寿命を短くする可能性があります。
C4マニピュレーターの許容する負荷 (ハンド質量+ワーク質量)は、下表のとおりです。
定格 | 最大 |
---|---|
1 kg | 4 (5) kg* |
負荷質量が定格を超える場合は、WEIGHT命令のハンド質量値を変更します。ハンド質量値を変更すると、負荷に応じた、マニピュレーターの最大の速度と加減速度が自動的に補正されます。
* 負荷質量が最大可搬質量を超える場合は、以下を参照してください。
"WEIGHT設定 - 負荷質量が最大可搬質量を超える場合の制限事項"
ハンド質量値の設定方法
[ツール]-[ロボットマネージャー]-[ハンド質量設定]パネル-[負荷]に設定します。また、[コマンドウィンドウ]で、WEIGHT命令による設定も可能です。
マニピュレーターに取りつけた負荷の質量
負荷の取付位置
C4-B601**
記号 | 説明 |
---|---|
a | アーム6先端負荷 |
b | アーム5取付座 |
c | アーム3取付座 |
C4-B901**
記号 | 説明 |
---|---|
a | アーム6先端負荷 |
b | アーム5取付座 |
c | アーム3取付座 |
C4シリーズ 共通
取付座詳細
(単位: mm)
アーム5取付座 | アーム3取付座 |
---|---|
カメラ, エアバルブなどを取付座に取りつける場合は、その質量をアーム6先端に取りつけた場合の等価質量に換算し、負荷質量に加算したものがハンド質量値となります。
以下の計算式で、ハンド質量値を算出し、変更してください。
ハンド質量値の計算式
ハンド質量値=Mw+ Wa + Wb
- Mw: アーム6先端負荷質量 (kg)
- Wa: アーム3取付座の等価質量 (kg)
- Wb: アーム5取付座の等価質量 (kg)
- Wa=Ma (La)2/ (L)2
- Wb=Mb (Lb)2/ (L)2
- Ma: アーム3取付座のエアバルブなどの質量 (kg)
- Mb: アーム5取付座のカメラなどの質量 (kg)
- L: 上腕長さ (315 mm)
- La: 第3関節からアーム3取付座のエアバルブなどの重心までの距離 (mm)
- Lb: 第3関節からアーム5取付座のカメラなどの重心までの距離 (mm)
<例>
アーム6先端 (第3関節からL=315 mmとする) 負荷質量Mw=1 kgをつけたC4に、以下の負荷をつけた場合
- アーム3取付座 (第3関節からLa=0 mmとする) に Ma=1.5 kg
- アーム5取付座 (第3関節からLb=280 mmとする) に Mb=0.5 kg
Wa=1.5 × 02/3152=0
Wb=0.5 × 2802/3152=0.395 → 0.4 (切り上げ)
Mw+Wa+Wb=1+0+0.4=1.4
ハンド質量値は"1.4"となります。
ハンド質量値設定時の加減速度の自動補正 (C4-B601**)
ハンド質量値設定時の加減速度の自動補正 (C4-B901**)
- グラフ上のパーセンテージは、ハンド質量値を定格 (1 kg)に設定した時の速度を100%とした場合の比です。
- 負荷質量が最大可搬質量を超える場合は、以下を参照してください。
"WEIGHT設定 - 負荷質量が最大可搬質量を超える場合の制限事項"
負荷質量が最大可搬質量を超える場合の制限事項
C4マニピュレーターの最大可搬質量は、以下のとおりです。
アーム5の姿勢を下向きに制限することで、可搬質量を拡大することができます。
最大可搬質量 | 姿勢制限による最大可搬質量 |
---|---|
4 kg | 5 kg |
負荷質量が最大可搬質量を超える場合には、アーム5の姿勢を、下記グラフの制限角度内で使用してください。
下記グラフは負荷質量と、鉛直方向 (重力が働く方向)から測定したアーム5の制限角度 (A1)との関係を示しています。(アーム6先端負荷質量が大きくなるほど、制限角度は小さくなります。)
マニピュレーターの動作方向が作業面に対して垂直の場合、アーム5の姿勢の制限は作業面の傾きの制限 (A2)に相当します。
なお、偏心負荷の場合は、負荷の重心位置とアーム5回転軸を結んだ線と鉛直方向との角度 (B)が制限角度となります。
また、負荷の偏心量は、アーム4, 5, 6の許容モーメント、および許容慣性モーメント内にしてください。
負荷質量とアーム5制限角度との関係
アーム5角度と作業面角度の関係
記号 | 説明 |
---|---|
a | アーム4 |
b | アーム5回転軸 |
c | アーム5 |
d | アーム6 |
e | アーム6先端負荷 |
f | 鉛直方向 |
g | 水平面 |
h | 作業面 |
偏心負荷の場合の制限角度
記号 | 説明 |
---|---|
a | アーム5回転軸 |
b | アーム5 |
c | アーム6 |
d | 重心 |
e | アーム6先端負荷 |
f | 鉛直方向 |