ハンド

ハンドは、お客様が製作してください。

キーポイント


ハンド側の取付用ねじ穴位置などの詳細は、次の項を参照してください。

外形図

注意


  • ハンドのセンサー側取付面は、完全に接触状態となるように設計してください。また、センサーの性能を引き出すために、剛性のあるハンドを使用してください。
  • ハンドを取りつけてマニピュレーターを動作させると、下記の要因により、マニピュレーター本体に接触する場合があります。
    • ハンドの外径
    • ワークの大きさ
    • 力覚センサーの外径
    • アームの位置 など

システムレイアウトを行うときは、ハンドと力覚センサーの干渉エリアに十分注意してください。

許容モーメントに関する指針

ハンドを設計する上で、注意していただきたいことを記載しています。
ロボットの関節には、許容モーメントがあります。該当する関節の許容モーメントを超えないようにハンド設計する必要があります。モーメントは、下記のように算出されます。

負荷と押しつけのモーメントの方向が同じ場合:

モーメント[N⋅m]
=負荷(力覚, ハンド, ワーク)の質量[kg]×重力加速度[m/s2]×軸回転中心と負荷の重心の距離[m]+押付力[N]×軸回転中心と接触点の距離[m]

負荷と押しつけのモーメントの方向が異なる場合:

モーメント[N⋅m]
=負荷(力覚, ハンド, ワーク)の質量[kg]×重力加速度[m/s2]×軸回転中心と負荷の重心の距離[m]−押付力[N]×軸回転中心と接触点の距離[m]

関節トルクに関する指針

アプリケーションが、大きな力を加える場合や、ハンド, ワークの負荷が大きい場合は、下記の説明に従って、関節トルクの確認をおこなってください。

関節のピークトルクの確認

PTRQは、ピークトルクの取得や表示ができます。(使用方法は、サンプルプログラムを参照してください。)
PTRQが “1”の場合は、安全上の問題を引き起こす可能性があります。必ずPTRQが “1”未満であることを確認してください。

Function PTRQ_Check                    'PTRQを取得、表示するサンプルプログラム
  Integer i
  Double PT(6)
  Do                                   '動作部分とPTRQ取得部分を繰り返す
    PTCLR                              'ピークトルクをクリアする
  '---動作部分(例)---動作部分は例でありユーザーが記述する
    TLSet 1, XY(0, 0, -49, 0, 0, 0)    'ツール1を設定
    Tool 1                             'ツール1を指定
    Motor On                           'モーターオン
    Power High                         'パワーハイ
    Speed 100                          'PTP動作速度設定
    Accel 100, 100                     'PTP動作加速度設定
    SpeedS 50                          'CP動作速度設定
    AccelS 500, 500                    'CP動作加速度設定

    Go P1                              'P1へPTP動作
    Go P2 +Z(20)                       'P2+Z20mmへ移動
    Move P2

    FSet FC1.Fz_Enabled, True          'Fzのみ力制御機能を有効
    FSet FC1.Fz_Spring, 0              '仮想弾性係数は0
    FSet FC1.Fz_Damper, 10             '仮想粘性係数は10
    FSet FC1.Fz_Mass, 10               '仮想慣性係数は10
    FSet FC1.Fz_TargetForce, -50       'Fzの目標力を-50Nに設定
    Wait 0.3                           '0.3秒待機
    FSet FS1.Reset                     '力覚センサーリセット
    FCKeep FC1, 10                     '力制御機能を10秒間実行

    Move P2                            'P2へ移動
    Go P2 +Z(20)                       'P2+Z20mmへ移動
  '-----------------------------------------------------
    For i = 1 To 6                     '1から6まで繰り返す
        PT(i) = PTRQ(i)                'PTRQを取得
        Print "PT_J", i, "=", PTRQ(i)  'PTRQを表示
    Next
  Loop
Fend

関節の過負荷率

OLRateは、過負荷率の取得や表示ができます。(使用方法は、サンプルプログラムを参照してください。)
OLRateは関節に過剰な負荷がかかると上昇し、負荷がかからなくなると下降します。OLRateが上昇し続け、“1”になるとサーボエラーで停止します。OLRateが上昇し続けないことを確認してください。具体的には、動作1周のOLRate上昇量が “0”であることを確認してください。

Function OLRate_Check                'OLRateを取得、表示するプログラム
  Integer i, j
  Double OLCheck(6), OL(6)
  Do                                 '動作部分とPTRQ取得部分を繰り返す
'---動作部分(例)--- 動作部分は例でありユーザーが記述する
    TLSet 1, XY(0, 0, -49, 0, 0, 0)  'ツール1を設定
    Tool 1                           'ツール1を指定
    Motor On                         'モーターオン
    Power High                       'パワーハイ
    Speed 100                        'PTP動作速度設定
    Accel 100, 100                   'PTP動作加速度設定
    SpeedS 50                        'CP動作速度設定
    AccelS 500, 500                  'CP動作加速度設定

    Go P1                            'P1へPTP動作
    Go P2 +Z(20)                     'P2+Z20mmへ移動
    Move P2                          'P2へCP動作

    FSet FC1.Fz_Enabled, True        'Fzのみ力制御機能を有効
    FSet FC1.Fz_Spring, 0            '仮想弾性係数は0
    FSet FC1.Fz_Damper, 10           '仮想粘性係数は10
    FSet FC1.Fz_Mass, 10             '仮想慣性係数は10
    FSet FC1.Fz_TargetForce, -50     'Fzの目標力を-50Nに設定
    Wait 0.3                         '0.3秒待機
    FSet FS1.Reset                   '力覚センサーリセット
    FCKeep FC1, 10                   '力制御機能を10秒間実行

    Move P2                          'P2へ移動
    Go P2 +Z(20)                     'P2+Z20mmへ移動
'-----------------------------------------------------
    For i = 1 To 6                   '1から6まで繰り返す
        If j = 1 Then                '2周目以降の場合
            OLCheck(i) = OLRate(i) - OL(i)
              '動作1周のOLRate上昇量を取得
            OL(i) = OLRate(i)        'OLRateを取得
            Print "OLCheck_J", i, "=", OLCheck(i)
              '動作1周のOLRate上昇量を表示
        Else                         '1周目の場合
            OL(i) = OLRate(i)        'OLRateを取得
        EndIf
    Next
    j = 1
  Loop
Fend

配線, 配管に関する注意

ハンドに接続されたケーブルや配管に引っぱられることにより、ハンドに力が加わることがあります。力覚センサーは、この力も検出します。この力は、作業に悪影響を与えることがあります。そのため、ケーブルや配管をセンサー結束部に固定してください。
弾性力や重力の影響を小さくするために、配線や配管は、センサー結束部に固定してください。
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配線や配管が、周囲の物に接触すると力やトルクが発生してしまいます。配線や配管が周囲に接触しないように固定してください。
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高負荷/高重量物を取り扱う場合の注意事項

高負荷/高重量物を取り扱う場合、動作によっては力覚センサーの定格荷重を超える可能性があります。使用時はお客様環境で事前検証を行い、定格荷重を超えないように速度/加速度の設定をしてください (参考: 4. 力覚センサー)。力制御中に定格荷重を超えると、5548エラーが発生します。