押付け移動オブジェクト
押付け移動オブジェクトは、指定方向に指定の力で押し付けながら指定された軌道をロボットを移動させるフォースガイドオブジェクトです。
また同時に別の指定方向を倣い移動オブジェクトのように倣わせることもできます。
接触していない状態で押付け移動オブジェクトを実行した場合、指定された軌道に加えて、指定の力になる方向にもロボットは移動します。嵌合や組み立てでの押し込み、ねじ締め、研磨などに使用します。ワーク寸法やワークの把持位置などに誤差がある場合でも、安定して力を一定に保ちながら、移動することができます。
上図は、押付け移動オブジェクトによる動作のイメージです。非接触状態で実行した場合、青い矢印で示す軌道を移動しながら、白い矢印で示す押し付ける方向に向かって移動します。接触状態になってからは赤い矢印が示すように一定の力を加えた状態を保持したまま、指定した軌道を移動します。
押付け移動オブジェクトは、指定した軌道を移動する間に終了条件を満たしたとき成功となります。押付け移動オブジェクトは、力と位置とI/Oに関する終了条件が使用可能です。
各終了条件は、ForceCheckEnabled, PosCheckEnabled, IOCheckEnabledで使用するかしないかを設定します。1つも終了条件を設定しない場合は、常に成功となります。また複数の終了条件を設定した場合、EndCheckOperatorで終了条件の組み合わせ方をANDとORから選択できます。
各条件は、以下の通りです。
終了条件 | 成功条件 |
---|---|
力に関する終了条件 | 指定した軌道を移動する間に、以下の全てをHoldTimeThreshで指定した時間の間満たし続けること |
ForceCheckPolarityがInsideの場合: Fx, Fy, Fz の内、ControlModeで、Press-またはPress+に指定した軸がPressForce±PressCheckTolFの範囲に入ること | |
ForceCheckPolarityがOutsideの場合: Fx, Fy, Fz の内、ControlModeで、Press-またはPress+に指定した軸がPressForce±PressCheckTolFの範囲に入らないこと | |
ForceCheckPolarityがInsideの場合: Tx, Ty, Tz の内、ControlModeで、Press-またはPress+に指定した軸がPressForce±PressCheckTolTの範囲に入ること | |
ForceCheckPolarityがOutsideの場合: Tx, Ty, Tz の内、ControlModeで、Press-またはPress+に指定した軸がPressForce±PressCheckTolTの範囲に入らないこと | |
ForceCheckModeがPressFollowで、ForceCheckPolarityがInsideの場合: Fx, Fy, Fz の内、ControlModeでFollowに指定した軸が±FollowCheckTolFの範囲に入ること | |
ForceCheckModeがPressFollowで、ForceCheckPolarityがOutsideの場合: Fx, Fy, Fz の内、ControlModeでFollowに指定した軸が±FollowCheckTolFの範囲に入らないこと | |
ForceCheckModeがPressFollowで、ForceCheckPolarityがInsideの場合: Tx, Ty, Tz の内、ControlModeでFollowに指定した軸が±FollowCheckTolTの範囲に入ること | |
ForceCheckModeがPressFollowで、ForceCheckPolarityがOutsideの場合: Tx, Ty, Tz の内、ControlModeでFollowに指定した軸が±FollowCheckTolTの範囲に入らないこと | |
位置に関する終了条件 | 指定した軌道を移動する間に、以下のどちらかを満たすこと |
PosCheckTypeがRobotPlaneの場合: PlaneNumberで指定したPlaneに対して、PlaneEndConditionで指定した状態を満足すること | |
PosCheckTypeがRelativePlaneの場合: PlaneRelativeX, PlaneRelativeY, PlaneRelativeZ, PlaneRelativeOrg, PlaneRelativeOrient, PlaneAxes, PlaneRelativeRobotLocalで指定した相対平面に対して、PlaneEndConditionで指定した状態を満足すること | |
I/Oに関する終了条件 | 指定した軌道を移動する間に、IOCheckInputBitで指定した入力ビットがIOCheckInputStatusで指定した状態になること |