挿入シーケンスとオブジェクトのプロパティー調整ガイドライン

挿入シーケンスとオブジェクトを使用するときの、調整方法について説明します。

  • FailedStatusリザルトがGeneralObjectFailedと表示されている場合:
    挿入シーケンスに配置されている汎用オブジェクトで失敗しています。LastExecObjectリザルトに最後に実行したオブジェクトが表示されています。表示されているオブジェクトのプロパティー設定ガイドライン、または調整ガイドラインを参考にしてプロパティーを調整してください。

  • FailedStatusリザルトがForceConditionFailedと表示されている場合:
    シーケンスを実行中に、力がオブジェクトで設定されている力の成功条件の範囲外のため失敗しています。

  • LastExecObjectリザルトに挿入オブジェクトが表示されている場合:
    挿入方向または倣い方向のFirmnessの値を小さくします。
    ただし、動作が振動的になることがあります。許容できる状態に調整してください。
    Firmnessの調整は、例えば現在値から10%減少させるなど、段階的に変化させながら調整することを推奨します 。

  • LastExexObjectリザルトに引張り試験オブジェクトが表示されている場合:
    挿入オブジェクトのInsertFirmnessFを小さくします。
    ただし、動作が振動的になることがあります。許容できる状態に調整してください。
    Firmnessの調整は、例えば現在値から10%減少させるなど、段階的に変化させながら調整することを推奨します。

  • FailedStatusリザルトがPosConditionFailedと表示されている場合:
    引張り試験オブジェクトを実行中に、位置がオブジェクトで設定されている位置の成功条件の範囲外のため失敗しています。

    挿入オブジェクトを実行した後に、作業に失敗している可能性があります。フォースガイドシーケンスをステップ実行して、挿入オブジェクトが終了したときに挿入作業が正常にできていることを確認してください。

    正常にできている場合、設定したTestForceとClearanceをワークの仕様と確認してください。TestForceが大きすぎる場合、挿入作業に成功していても抜けてしまいます。Clearanceが小さすぎる場合、位置の成功条件を満たせずに引張り試験オブジェクトは失敗となります。

  • FailedStatusリザルトがOverrunと表示されている場合:
    挿入オブジェクトを実行中に、位置がオブジェクトで設定されている位置の成功条件の範囲を超えても、力が力の成功条件を満たさずに動作したため、位置超過と判定され失敗しています。
    ApproachDistとInsertDepthが実際の環境と比べて短く設定されていないことを確認してください。

  • FailedStatusリザルトがJammedと表示されている場合:
    挿入オブジェクトを実行中に、力がオブジェクトで設定されている力の成功条件を満たしたとき、位置が位置の成功条件を満たしていないため、詰まったと判定され失敗しています。

    ワークが穴に対して傾きすぎている可能性があります。動作開始位置のワークの姿勢を確認して、ティーチングを再度行ってください。

    ティーチングに問題がない場合、ApproachDistとInsertDepthが実際のワークと比べて長く設定されていないことを確認してください。

  • 振動的に動く場合:
    Firmnessの値を大きくします。ただし、ロボットの反応が鈍くになります。許容できる状態に調整してください。
    Firmnessの調整は、例えば現在値から10%増加させるなど、段階的に変化させながら調整することを推奨します。

  • 押し付け方向に大きくバウンドする場合:
    数秒に1回跳ねるように大きくバウンドすることを繰り返す場合、フォースガイドシーケンスのLimitAccelSによって動作が制限されている可能性があります。
    またローパワー状態で実行しているときに起こる可能性があります。
    ハイパワーモードで実行しても改善しない場合は、LimitAccelSを大きくしてください。LimitAccelSを大きくしても改善しない場合は、押し付け方向のFirmnessを小さくしてください。

  • 目標力に達しない場合:
    挿入方向のFirmnessの値を小さくします。
    ただし、動作が振動的になることがあります。許容できる状態に調整してください。
    Firmnessの調整は、例えば現在値から10%減少させるなど、段階的に変化させながら調整することを推奨します。

  • 挿入方向に動かない場合:
    InsertOrientが挿入したい方向に設定されていることを確認してください。
    挿入したい方向に設定されている場合は、InsertForceが”0”になっていないか確認してください。

  • 逆方向に動く場合:
    InsertOrientが逆方向に設定されていないことを確認してください。
    想定する方向に設定されている場合は、フォースガイドシーケンスのForceOrient, RobotLocal, 使用しているツール座標系や、ローカル座標系を確認してください。

  • 目標位置に到達しない場合:
    力制御機能を有効にしていない方向が目標位置に到達しない場合は、フォースガイドシーケンスのLimitAccelやLimitSpeedの影響を受けている可能性があります。値を大きくします。
    また、ローパワーモードの場合、LimitSpeedやLimitAccelの設定値が大きくても、ローパワーモードの最大速度や最大加速度に合わせて制限されます。ハイパワーモードで実行してください。