タイムアウトと遅延時間

A: 入力があるハンド

[ハンド*の設定]画面の[タイプ]で、“ハンドからの入力”が1点、または2点のハンドを選択した場合、タイムアウトの有無、およびタイムアウト時間(単位:[ms])を指定することができます。

[タイムアウト]チェックボックス
チェックボックスをチェックすると、タイムアウトの設定が有効になります。

  • 有効にしたとき:
    コントローラーは、Hand_OnコマンドやHand_Offコマンドを実行したあと、ハンドからの入力信号が動作成功状態になるまで待ちます。ただし、タイムアウト時間で指定した時間が経過すると、タイムアウトと判定して次のコマンドに移行します。タイムアウトと判定したかどうかは、Hand_TW関数で取得することができます。
  • 無効にしたとき:
    コントローラーは、Hand_OnコマンドやHand_Offコマンドを実行すると、すぐに次のコマンドに移行します。

タイムアウト時間
タイムアウトと判定するまでの時間を指定します。
指定範囲: 10[ms]~10000[ms]
指定値: 整数値のみ有効

タイムアウト時間内に、ハンドからの入力信号が動作成功状態になったとき:

タイムアウト時間内に、ハンドからの入力信号が動作成功状態にならなかったとき:

B: 入力がないハンド

[ハンド*の設定]画面の[タイプ]で、“ハンドからの入力”が0点のハンドを選択した場合、次のコマンドを発行するまでの遅延(待ち時間)の有無、および遅延時間(単位:[ms])を指定することができます。

[遅延時間]チェックボックス
チェックボックスをチェックすると、遅延時間の設定が有効になります。

  • 有効にしたとき:
    コントローラーは、Hand_OnコマンドやHand_Offコマンドを実行したあと、[遅延時間]で設定した時間だけ待ってから、次のコマンドに移行します。
  • 無効にしたとき:
    コントローラーは、Hand_OnコマンドやHand_Offコマンドを実行すると、すぐに次のコマンドに移行します。

遅延時間
次のコマンドに移行するまでの時間を指定します。
指定範囲: 10[ms]~10000[ms]
指定値: 整数値のみ有効

遅延時間を設定したとき

C: 電動ドライバー

[ハンド*の設定]画面の[シリーズ]で、“Screwdrivers(電動ドライバー)”を選択した場合、タイムアウトや遅延時間の設定はできません。このとき、Hand_OnコマンドやHand_Offコマンドを実行すると、コントローラーは、これらのコマンドを実行してすぐに次のコマンドに移行します。
電動ドライバーを選択した場合、[タイムアウト], [遅延時間]は表示されません。

把持状態の確認

チャックハンドに取りつけたセンサーや、真空発生器に備えつけられた圧力センサーなどを用いて、ワークを把持しているかどうかを検出することができます。それらのセンサーの仕様にあわせて、ハンド設定画面で把持状態を示す入力ビットの設定、開放状態を示す入力ビットを設定します。
センサー入力の結果、把持状態と判定した場合、Hand_On関数は、“True”を返します。また、解放状態と判定した場合、Hand_Off関数は、“True”を返します。それ以外の場合、これらの関数は、“False”を返します。

センサーがないハンドの場合 (吸着/チャック)

Hand_Onコマンド/Hand_Offコマンドで、ハンド設定画面で設定したとおりに出力されていれば、正しく把持/解放できている状態です。

センサーが1個のチャックハンドの場合

下図は、チャックハンドの指の可動範囲を模式的に示したものです。全開位置と全閉位置の中間に、ワークを把持したときの指の位置(ワーク把持位置)があるものとします。

この場合は、Hand_On, Hand_Off定義エリアの設定を次のようにすると、ワークの把持を検出できます。(I/Oの18番ビットにセンサーが接続されている場合)

Hand_On

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (把持検出) On

Hand_Off

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (把持検出) Off

センサーが2個のチャックハンドの場合

下図は、チャックハンドの指の可動範囲を模式的に示したものです。全開位置と全閉位置の中間に、ワークを把持したときの指の位置(ワーク把持位置)があるものとします。
この場合は、Hand_On、Hand_Off定義エリアの設定を次の例のようにすると、ワークの把持を検出できます(I/Oの18番、19番ビットにセンサーが接続されている場合)。

例1: ワーク把持位置付近と、全開位置付近にセンサーを設置しているとき

Hand_On

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1:把持検出) On
Input2 入力ビット 19: (センサー2:全開検出) Off

Hand_Off

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1:把持検出) Off
Input2 入力ビット 19: (センサー2:全開検出) On

例2: 全開位置付近、および全閉位置付近にセンサーを設置しているとき

Hand_On

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1:全閉検出) Off
Input2 入力ビット 19: (センサー2:全開検出) Off

Hand_Off

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1:全閉検出) Off
Input2 入力ビット 19: (センサー2:全開検出) On

吸着ハンドの場合

下図は、吸着ハンド内の空気圧を模式的に示したものです。Hand_Onコマンド実行で徐々に真空状態に移行し、Hand_Offコマンド実行で大気圧に戻ります。真空発生器にセンサーが1個、または2個*内蔵されている場合、Hand_On, Hand_Off定義エリアの設定を次の例のようにすると、ワークの把持を検出できます。(I/Oの18番, 19番ビットにセンサーが接続されている場合)

  • ヒステシリス(応差)を考慮した、センサーが作動する空気圧を2値設定できる真空発生器の場合

Hand_On

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1、応差) On
Input2 入力ビット 19: (センサー2、設定値) On

Hand_Off

ハンド信号 I/Oタイプ コントローラーのI/Oビット I/O状態
(省略)
Input1 入力ビット 18: (センサー1、応差) Off
Input2 入力ビット 19: (センサー2、設定値) Off

ハンドの設定例

ここでは、出力が2点、入力が2点のチャックハンドを接続する場合の設定例を示します。

記号 説明
a [このハンドを使用する]チェックボックスをチェック
b ラベル 名前を入力
c シリーズ Grippersを選択
d タイプ チャック (出力2/入力2を選択)
e コメント 説明文を入力 (任意)
f Hand_On (把持する動作コマンド)の定義
g 動作指令: 出力のNo.12 bit (把持指令)をOnにする
h 動作指令: 出力のNo.13 bit (解放指令)をOffにする
i 動作完了のための条件: 入力のNo.18 bit (把持検出信号)がOnになるまで待つ
j 動作完了のための条件:入力のNo.19 bit (全開検出信号)がOffになるまで待つ
k タイムアウト [タイムアウト]チェックボックスをチェック
入力した時間が経過したら、入力信号にかかわらず次のコマンドに移行する
m Hand_Off (解放する動作コマンド)の定義
n 動作指令: 出力のNo.12 bit (把持指令)をOffにする
o 動作指令: 出力のNo.13 bit (解放指令)をOnにする
p 動作完了のための条件:入力のNo.18 bit (把持検出信号) がOffになるまで待つ
q 動作完了のための条件:入力のNo.19 bit (全開検出信号)がOnになるまで待つ
r タイムアウト [タイムアウト]チェックボックスをチェック
入力した時間が経過したら、入力信号にかかわらず次のコマンドに移行する