TLSet
ツール座標系を設定, 表示します。
書式
(1) TLSet ツール座標系番号, ツール設定データ
(2) TLSet ツール座標系番号
(3) TLSet
パラメーター
- ツール座標系番号
- 設定するツールを1~15の整数値で指定します。 (Tool 0はデフォルトツールで変更することはできません。)
- ツール設定データ
- 設定するツール座標系の原点および向きを、P番号, P(式), ポイントラベル, ポイント式のいずれかで指定します。
結果
パラメーターをすべて省略すると、すべてのTLSet 設定を表示します。
ツール番号だけを指定すると、指定のTLSet 設定を表示します。
解説
Tool 0座標系 (ハンド座標系)に対する相対原点位置と相対回転角度を指定して、ツール座標系Tool 1, Tool 2, Tool 3を定義します。
TLSet 1, XY(50,100,-20,30)
TLSet 2, P10 +X(20)
上記の場合、座標値P10が参照され、X値に20を加えています。アーム属性とローカル座標系番号は無視されます。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | ツール座標系番号 |
| b | ツール座標系の原点のX軸方向位置(次図a) |
| c | ツール座標系の原点のY軸方向位置(次図b) |
| d | ツール座標系の原点のZ軸方向位置 |
| e | ツール座標系の回転角度(次図c) |
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| X, Y | ロボット座標系 |
| xt0, yt0 | ツール0座標系 |
| xt1, yt1 | ツール1座標系 |
垂直6軸型ロボットでのTLSetの使用
垂直6軸型ロボットでは、すべての関節を0度の位置にしたとき、第6関節のフランジ面中心を原点とし、垂直上方向にX軸、ロボット座標系X軸方向にY軸、第6関節フランジ面に対して鉛直方向にZ軸を持つ座標系がツール0座標系です。(下図参照)
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | ロボット座標系 |
| b | ツール0座標系 |
垂直6軸型ロボットの設置方法により、ツール0座標系の定義が異なります。
| 天吊設置 | 壁掛け設置 |
|---|---|
a: ロボット座標系 b: ツール0座標系 | |
NシリーズでのTLSetの使用
Nシリーズでは、すべての関節を0度の位置にしたとき、ロボット座標系-X軸方向にX軸、ロボット座標系Y軸方向にY軸、ロボット座標系-Z軸方向にZ軸を持つ座標系がツール0座標系です。(下図参照)
Nシリーズの設置方法により、ツール0座標系の定義が異なります。
| 天吊設置 | 壁掛け設置 |
|---|---|
a: ロボット座標系 b: ツール0座標系 | |
解説
ロボットパラメーターデータは、コントローラー内のコンパクトフラッシュに格納されています。このため、本コマンドを実行するとコンパクトフラッシュへの書き込みが発生します。頻繁なコンパクトフラッシュへの書き込みは、コンパクトフラッシュの寿命に影響します。本コマンド実行を必要最小限にとどめることを推奨します。
注意
TLSet 値は保持されます
TLSet 値は保持されています。ツール定義をクリアするには、TLClrを使用します。
参照
Tool, Arm, ArmSet, TLSet関数, TLClr
TLSet使用例
下記は、ツール定義をした場合の動作と、ツール定義をしない場合の動作の違いを理解するために、コマンドウィンドウから操作を行った例です。
> TLSet 1, XY(100, 0, 0, 0) 'Tool 1 (ハンドの座標系からX方向に100 mm)を
'ツール座標系で定義
> Tool 1 'TLSetで定義したTool 1を選択
> TGo P1 'Tool 1の目標座標をP1に設定
> Tool 0 '今後の動作でツールを使用しないように設定
> Go P1 'U関節の中央をP1に設定