TMove
現在のツール座標系で、オフセット直線補間動作を実行します。
書式
TMove 目標座標 [ROT] [CP] [Till | Find ] [ ! 並列処理 ! ] [SYNC]
パラメーター
- 目標座標
- ポイントデータを用いて動作の目標位置を指定します。
- ROT
- ツール姿勢変化を優先させ、動作の速度、加減速度を決めます。省略可能です。
- CP
- パスモーションを指定します。省略可能です。
- Till | Find
- TillまたはFind式を記述します。省略可能です。
Till | Find Till Sw(式) = {On | Off} Find Sw(式) = {On | Off} - ! 並列処理 !
- 動作中にI/Oその他のコマンドを実行するために、並列処理ステートメントを付け加えることができます。省略可能です。
- SYNC
- 動作コマンドを予約します。SyncRobotsによる動作開始まで、ロボットは動作しません。
解説
現在のツール座標系で、オフセット直線補間動作を実行します。
ポイントデータで与えられた姿勢フラグは無視され、現在の姿勢フラグが維持されます。ただし、垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)では姿勢フラグを関節移動量が小さくなるよう自動的に変更します。これは、Move命令にてLJM修飾パラメーターを指定した場合と同等です。このため、180度以上の姿勢変化を行わせたい場合、複数回に分けて実行してください。
TMoveの速度と加減速度はそれぞれSpeedSとAccelSの設定値を使用します。速度と加減速度の関係については、"注意"の"TMoveをCPとともに用いる"を参照してください。ただし、ROT修飾パラメーターを使っているときの速度と加減速度はそれぞれSpeedRとAccelRの設定値を使用します。その場合、SpeedSとAccelSの設定値は無効となります。
通常、移動距離が"0"で、姿勢関節のみが動作するような場合にはエラーとなります。ROT修飾パラメーターを付けてツール姿勢変化の加減速を優先することでエラーなく動作が可能になります。ROT修飾パラメーターを付けたとき、姿勢変化がなく、移動距離が"0"でない場合には、エラーとなります。
また、移動距離に対してツール姿勢変化速度が大きすぎる場合や、指定された回転速度がマニピュレーターの限度を越えている場合もエラーとなります。その場合は指定速度を落とすか、またはROT修飾パラメーターを付けて姿勢変化の加減速度を優先するようにしてください。
Till修飾子を用いることで、Till条件成立時に、動作途中でロボットを減速停止させて、TMoveを完了することができます。
Find修飾子を用いることで、動作中にFind条件の値が真(True)になったとき、ポイントデータをFindPosに保存します。
!並列処理!を使って、動作と並列に他の処理を実行することができます。
注意
TMoveをCPとともに用いる
CPパラメーターを使うと、動作命令は減速開始と同時に制御を次のステートメントに移します。これは、ユーザーがいくつかの動作命令をつなげ、連続した動作を一定の速度で行わせたいときに便利です。CP指定なしのTMove命令では、アームは必ず減速して、指定された目標座標に停止します。
参照
AccelS, CP, Find, ! 並列処理 !, P# = ポイント指定, SpeedS, TGo, Till, Tool
TMove使用例
> TMove XY(100, 0, 0, 0) '(ツール座標系で)X方向に100 mm移動
Function TMoveTest
Speed 50
Accel 50, 50
SpeedS 100
AccelS 1000, 1000
Power High
Tool 0
P1 = XY(300, 300, -20, 0)
P2 = XY(300, 300, -20, 0) /L
Go P1
Print Here
TMove XY(0, 0, -30, 0)
Print Here
Go P2
Print Here
TMove XY(0, 0, -30, 0)
Print Here
Fend
[出力結果]
X: 300.000 Y: 300.000 Z: -20.000 U: 0.000 V: 0.000 W: 0.000 /R /0
X: 300.000 Y: 300.000 Z: -50.000 U: 0.000 V: 0.000 W: 0.000 /R /0
X: 300.000 Y: 300.000 Z: -20.000 U: 0.000 V: 0.000 W: 0.000 /L /0
X: 300.000 Y: 300.000 Z: -50.000 U: 0.000 V: 0.000 W: 0.000 /L /0