パワー状態
ロボットに対する動作制限をパワー状態として以下3つの状態で表わします。
- 動作禁止状態
- ロボットは、動作禁止
- 制限状態 (ローパワー状態)
- ロボットは、低速, 低トルクで動作する
- 非制限状態 (ハイパワー状態)
- ロボットは、制限なく動作する
制限状態では、ロボットは作業者の操作に関係なく、低速, 低トルクで動作します。動作中、安全扉回路が開いた場合、システムは動作禁止状態に切り替わります。
制限状態 (ローパワー状態)では、ロボットの動作速度とトルクが低減されます。非制限状態 (ハイパワー状態)では、ロボットはプログラムされた速度と所定のトルクで動作します。
制限状態 (ローパワー状態)での動作速度の低減は、もしロボットが予期せぬ動作をした場合、作業者が危険を回避できる時間的余裕を与えるためです。また、トルクの低減は、もしロボットが作業者に衝突した場合でも、重大な傷害を与えないためのものです。なお、低減速度と低減トルクの最大値は、ロボットの機種ごとに決まっています。お客様は変更できません。
安全のため、ロボットの初期状態は必ず制限状態 (ローパワー状態)、または動作禁止状態になります。所定の手順が実行されなければ、非制限状態 (ハイパワー状態)には移行しません。
コントローラー内の多重プロテクト回路と相互監視回路により、制限状態 (ローパワー状態)、および動作禁止状態では、単一の故障が起きても所定の低減速度と低減トルクを超えた暴走は起こりません。