ビジョンシーケンスとオブジェクト

ビジョンシーケンスの概要

ビジョンシーケンスの基本的な知識と使用方法について説明します。
本項では、以下について説明します。

  • ビジョンシーケンスの定義と一般的な知識
  • シーケンスウィンドウ
  • ビジョンシーケンスの作成と削除
  • ビジョンシーケンスに固有のプロパティーとリザルト
  • Vision Guideウィンドウからのビジョンシーケンスの実行
  • ビジョンシーケンスのテストとデバッグ
  • SPEL+言語からビジョンシーケンスを実行する方法
  • 画像イメージの取り込み (ビジョンシーケンスから画像イメージを取り込む方法)

ビジョンシーケンスの定義と一般的な知識

ビジョンシーケンスとは何か
ビジョンシーケンスは、ビジョンオブジェクトを特定の順番でグルーピングしたもので、Vision Guideウィンドウ、またはSPEL+言語から実行することができます。
ビジョンシーケンスは、ビジョンオブジェクトと同様に、ビジョンシーケンスの実行を設定するための特定のプロパティーを備えています。例えば、Cameraプロパティーは、どのカメラを用いてビジョンシーケンスに画像イメージを取り込むかを定義し、RuntimeAcquireプロパティーは、カメラからどのように画像を取り込むかを定義します。
ビジョンオブジェクトは、個々に実行し、テストすることが可能ですが、ほとんどのビジョンアプリケーションでは、最終結果を計算するため、一連のビジョンオブジェクトを連続的に実行する必要があります。ここでビジョンシーケンスが役立ちます。
ビジョンオブジェクトを特定の順番で実行するために、ビジョンシーケンスを使います。個々のビジョンオブジェクトの作成とテストが完了した後、ビジョンシーケンスのテストを行います。

ビジョンシーケンスはどのように動作するか
ビジョンシーケンスは、1つあるいはそれ以上のビジョンオブジェクトから構成されます。ビジョンシーケンスの基本的な目的は、これらのビジョンオブジェクトを、定義された順番で連続的に実行することです。

次のステップでは、ビジョンシーケンスの実行によってどのような結果が生じるのかを示します。

  1. ビジョンシーケンスの実行の設定は、そのプロパティーを設定することで行います。これらのプロパティーの設定には、画像イメージを取り込むカメラの設定や、画像イメージ取り込み方法の決定(RuntimeAcquire設定)などがあります。

  2. 画像イメージは、取り込まれると、ビジョンオブジェクトで使用できるようにフレームバッファに蓄えられます。(RuntimeAcquireプロパティーが“None”に設定されている場合は、事前にフレームバッファに蓄えられていた画像イメージを使ってシーケンスが実行されます。これによって、同一の画像イメージを複数のシーケンスで使用することができます。)

  3. ビジョンオブジェクトは、上述のステップ2によって取り込まれた画像イメージを使って、連続的な順番で実行されます。すべてのビジョンオブジェクトの実行が終わると、シーケンスリザルトとオブジェクトリザルトは、シーケンスウィンドウとオブジェクトウィンドウに表示されるようになるとともに、SPEL+言語から利用することができるようになります。

ビジョンシーケンスとEpson RC+ 8.0プロジェクト
Epson RC+ 8.0は、プロジェクトの概念に基づいて考えられています。
各々のEpson RC+ 8.0プロジェクトには、特定のアプリケーションに必要なプログラムや、教示ポイント、その他のロボット構成パラメーターが含まれます。
Vision Guide 8.0がEpson RC+ 8.0プロジェクト内で実行される場合には、そのプロジェクト内で作成されたすべてのビジョンシーケンスが、そのプロジェクトに保存されます。
これは、特定のプロジェクトを次回開くときに、そのプロジェクト内で以前に作成されていたすべてのビジョンシーケンスを利用、修正できるようにするためです。

ビジョンオブジェクトの概要

ビジョンオブジェクトは、すべての作業の基本となる核であり、Vision Guide 8.0のメインの部分を形成しています。
Vision Guide 8.0を使用する上で必要とされる基本的な知識と詳細を説明するとともに、Vision Guide 8.0を使ってビジョンアプリケーションを処理する方法について説明します。

  • ビジョンオブジェクトの定義と機能
  • さまざまなタイプのビジョンオブジェクトの形状の説明
  • ビジョンオブジェクトの位置とサイズの設定方法
  • ビジョンオブジェクトの用途についての説明
  • ビジョンオブジェクトの使用方法
  • ビジョンオブジェクトのプロパティーとリザルトについて
  • ビジョンオブジェクトの具体的な説明
  • ビジョンオブジェクトに使うユーティリティについて(ヒストグラム, 統計, ビジョンオブジェクトグラフィック操作)

ビジョンオブジェクトの定義

ビジョンオブジェクトとは何か
ビジョンオブジェクトとは、画像イメージに適用できるビジョンツールです。
ビジョン開発者の多くは、ビジョンオブジェクトを一目見て、Vision Guide 8.0をサポートするアルゴリズムの別名だと考えます。しかし、Vision Guide 8.0を使用していただくと、ビジョンアルゴリズムはビジョンオブジェクトを定義するほんの一部でしかない、ということにお気づきになるでしょう。
ビジョンオブジェクトは、特定のビジョンアルゴリズムの使用に必要な情報を持ったコンテナのようなものです。しかし、データを簡単に操作しテストする独自の方法(プロパティーやリザルト)によって、他のビジョンシステムに比べてはるかに迅速に新規ビジョンアプリケーションを開発できる、非常にパワフルなツールです。
ビジョンオブジェクトがサポートするツールには、相関サーチ, 2値検査, ポーラサーチ, エッジ検出, ライン, ポイント, フレームなどがあります。すべてのビジョンオブジェクトは実行後、ビジョンオブジェクトの実行に要した時間, 位置情報, 角度情報, ビジョンオブジェクトが検出できたかどうか、などのリザルトを返します。
詳細は、各ビジョンオブジェクトについての説明を参照してください。