キャリブレーション

キャリブレーションについて

キャリブレーションは、Vision Guide 8.0システムで重要な部分を担っています。
ロボット座標系で、パーツの整列や、物理的な測定を行うには、まずシステムのキャリブレーションを実施してください。
Vision Guide 8.0では、可動カメラ, 上向き固定カメラ, 下向き固定カメラ, スタンドアローンカメラのキャリブレーションをサポートしています。

キャリブレーションの定義

Vision Guide 8.0では、各プロジェクトに複数のキャリブレーションをサポートしています。どのキャリブレーションも、同一プロジェクト内の複数のビジョンシーケンスで使用できます。
各キャリブレーションは、次のデータで構成されています。

項目 説明
キャリブレーション名 ビジョンシーケンスが基準とするキャリブレーション名(アルファベットで半角16文字まで)
カメラ番号 キャリブレーションが行われるカメラの番号
カメラ方向 カメラの取りつけ方法
キャリブレーションターゲットシーケンス名 カメラのキャリブレーションに使用されるビジョンシーケンス名(カレントプロジェクトにあるどのシーケンスでも可能)
ロボットのキャリブレーション速度と加速度 (必要に応じて) キャリブレーション中に適用される速度と加速度
キャリブレーション中に使用される、ロボットアーム番号とツール番号 キャリブレーション中にアームやツールを使用することができます。これらのアームやツールは、ポイントの教示やキャリブレーションをする前に定義してください。
基準点やカメラ位置となるロボットポイント これらのポイントは、キャリブレーションごとに保存されます。
ライト出力 キャリブレーションをする間、照明のコントロールに使用するロボットコントローラーの出力オプションです。
撮像歪み補正有無 撮像歪み(カメラのチルト、およびレンズ歪み)の補正を実施するかどうかを指定
撮像歪み補正ターゲットシーケンス名 撮像歪みの補正に使用されるビジョンシーケンス名(カレントプロジェクトにあるどのシーケンスでも可能)

それぞれのキャリブレーションでは、キャリブレーションするカメラの視野をカバーする9つの点を使用しています。
視野全体をカバーすることにより、システムのカメラ傾きの補正やレンズ精度の補正に最高の結果を得ることができます。

視野全体で距離測定を実行する場合、撮像歪み補正を実施してください。撮像歪み補正を実施することで、カメラのチルト (作業平面とカメラ光軸との角度ずれ)とレンズによる歪みを補正することができます。

どのようなときにキャリブレーションが必要か
物理的な測定を行うとき、あるいはロボット座標系の位置を特定するときには、必ずキャリブレーションを行う必要があります。
ビジョンオブジェクトに返されるリザルトの中には、キャリブレーションを実行しておく必要のあるリザルトもいくつかあります。例えば、CameraX, CameraY, RobotX, RobotY, RobotUのリザルトを得るには、キャリブレーションの実行が必要です。

撮像歪み補正用の撮像パターン

撮像歪みの補正に使用できる画像イメージ例を以下に示します。
撮像歪みの補正を行うためには、グリッドが縦横同一ピッチで、かつカメラ視野内に100個以上のグリッドが検出できるようにする必要があります。