グリスアップ

ボールねじスプラインおよび減速機には、定期的なグリスアップが必要です。グリスは必ず指定のものを使用してください。

注意


  • グリス切れに注意してください。グリス切れが起こると、スライド部にキズなどが発生し、性能を十分に発揮できないばかりでなく、修理に多大な時間と費用がかかります。
  • グリスが目や口に入ったり、皮膚に付着した場合は、以下の処置をしてください。
    • 目に入った場合

      清浄な水で充分に目を洗浄したあと、医師の処置を受けてください。

    • 口に入った場合

      飲み込んだ場合は無理に吐かず、医師の処置を受けてください。口の中が汚染された場合は、水で充分に洗浄してください。

    • 皮膚に付着した場合

      水と石けんで洗浄してください。

部品 時期 グリス グリスアップ手順
第1関節, 第2関節 減速機 オーバーホール時期 - 適切なトレーニングを受けた担当者のみが行えます。マニピュレーターのメンテナンスマニュアルを参照してください。
第3関節 ボールねじスプラインユニット、サポートシャフト 100 km (初回 50 km)走行 AFB ボールねじスプラインユニットのグリスアップ (後述)

第3関節ボールねじスプラインユニット、サポートシャフト

グリスアップの実施時期は、100km走行時が推奨時期です。ただし、グリス状態からも確認できます。図のように、グリスが黒く変色してきたり、乾いたりしてきたらグリスアップを実施してください。

正常なグリス 黒く変色したグリス

初回のみ50km走行時にグリスアップを実施してください。

キーポイント


Epson RC+ では、ボールねじスプラインユニットのグリスアップの推奨時期をEpson RC+ の[部品消耗管理]ダイアログから参照できます。

ボールねじスプラインユニットのグリスアップ

名称 数量 備考
使用グリス ボールねじスプライン用グリス (AFBグリス) 適量
使用工具 ふき取り布 1 グリスふき取り用 (スプラインシャフト)

キーポイント


グリスが落ちても支障のないように、ハンドや周辺装置を覆うなどの配慮をしてください。

  1. コントローラーの電源をオンします。

  2. 次のいずれかの方法で、シャフトを下限まで下げます。

    • ブレーキ解除スイッチを押しながら、手動でシャフトを下限まで下げます。
    • Epson RC+ [ツール] - [ロボットマネージャー] - [ジョグ&ティーチ]パネルを使用し、シャフトを下限まで下げます。

    キーポイント


    • ハンドが、周辺装置などに干渉しないように注意してください。
    • ブレーキ解除スイッチは第3関節用です。ブレーキ解除スイッチを押すと、第3関節のブレーキは解除されます。ブレーキ解除スイッチを押している間は、ハンドの自重による下降や回転に注意してください。

    記号 説明
    a 第3関節ブレーキ解除スイッチ
    b シャフト
    c アーム2
    d アーム1
  3. コントローラーの電源をオフします。

  4. シャフトの古いグリスを拭き取り、新たにグリスを塗布します。

    グリスの塗布範囲は、スプラインナット端部からメカストッパーまでです。

    記号 説明
    a 塗布範囲
    b メカストッパー
    c シャフト
    d スプラインナット端部
  5. グリスは、ボールねじスプラインのらせん溝、および鉛直方向の溝に、溝が埋まるよう塗布してください。

    グリス塗布例:

  6. コントローラーの電源をオンします。

  7. ロボットマネージャーを起動し、シャフトを原点位置まで移動させます。

    周辺装置にぶつからないよう注意してください。

  8. 原点位置へ移動したら、シャフトを往復動作させます。往復動作は、ローパワーモードの動作プログラムで、上限から下限まで行います。グリスをシャフトに行きわたらせるために、約5分間動作させてください。

  9. コントローラーの電源をオフします。

  10. スプラインナット端部やメカストッパー部の余分なグリスをふき取ります。

    記号 説明
    a スプラインナット端部
    b メカストッパー