Appendix B: トラブルシューティング

ファームウェアのバージョンアップ方法や、ファームウェアやロボット設定情報の異常が原因でコントローラーが正常に起動できなかったり、開発用PCと接続できなくなったりした場合に必要なファームウェアおよびデータファイルの初期化の方法について説明します。

ファームウェアのアップデートについて

コントローラーには、コントローラーやロボットを制御するため必要なソフトウェア (ファームウェア)や、データファイルがあらかじめインストールされています。また、開発用ソフトウェアからユーザーが設定したコントローラー設定情報などもコントローラー内に随時保存されます。

必要に応じて、ファームウェアは、CD-ROMなどにより提供されます。入手方法については、販売元にお問い合わせください。

ファームウェアのアップデートには、開発用ソフトウェアEpson RC+ がインストールされた開発用PCとコントローラーをUSBケーブルで接続する環境が必要です。 (Ethernet接続では、ファームウェアの変更はできません。)

キーポイント


ファームウェアVer.7.5.0.x以降をインストールする場合は、EPSON RC+ 7.0 Ver.7.5.0以降がインストールされたPCを使用してください。

ファームウェアバージョンアップ手順

ファームウェアのバージョンアップ手順を説明します。

  1. 開発用PCとコントローラーを、USBケーブルで接続します。
    (Ethernet接続では、ファームウェアの変更はできません。)

  2. コントローラーの電源をオンします。
    (ファームウェアの変更が完了するまで開発用ソフトウェア Epson RC+ は、起動しないでください。)

  3. インストールする“ファームウェアCD-ROM”を開発用PCのCD-ROMドライブに挿入します。

  4. “Ctrlsetup70.exe”を実行します。次のダイアログが表示されます。

  5. [Upgrade]ボタンを選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

  6. 開発用PCとコントローラーが、USBケーブルで接続されていることを確認し、[次へ]ボタンをクリックします。

  7. 現在のファームウェアバージョンとバージョンアップするファームウェアのバージョンを確認し、[Install]ボタンをクリックします。

  8. ファームウェアの転送が開始されます。転送には数分かかります。

    キーポイント


    転送中には、絶対にUSBケーブルを抜いたり、コントローラーや開発用PCの電源をオフしないでください。

  9. 引き続き、データファイルの転送が開始されます。

  10. 転送が終了すると、以下のダイアログが表示されます。
    [次へ]ボタンをクリックし、コントローラーを再起動します。

  11. 再起動が完了すると、以下のダイアログが表示されます。
    [Finish]ボタンをクリックします。

    以上で、ファームウェアのバージョンアップは終了です。

    キーポイント


    Ver.7.4.0.2より前のファームウェアがインストールされたコントローラーに、Ver.7.4.0.2以降のファームウェアをインストールすると、次のメッセージが表示されます。

    メッセージが表示された場合は、再インストールを行ってください。

コントローラーの復旧

何らかの原因によりコントローラーが正常に使用できない状態になった場合、復旧作業を行ないます。

キーポイント


システムを稼動中の状態に容易に復旧するために、あらかじめ稼動中のシステムをバックアップすることをお勧めします。

以下を参照してください。

バックアップとリストア

コントローラーの異常状態として、コントローラー電源オン直後の2通りの現象を示します。

  • 現象A
    コントローラーが自動的に復旧モードとなり、ERROR, TEACH, PROGRAMのLEDが点灯している。
    開発用PCとの接続はできるが、正常にコントローラーが操作できない。

  • 現象B
    コントローラーのTEACH, AUTO, PROGRAMのいずれのLEDも点滅状態にならない。
    開発用PCとの接続もできない。

異常状態の対策方法を示します。

  • 現象A
    以下にしたがい、ファームウェアの初期化を行なってください。
    "ファームウェア初期化インストール手順"

  • 現象B
    次の操作を行なってください。

    1. コントローラーの電源をオフします。

    2. コントローラー前面のトリガーボタンを押しながら、コントローラーの電源をオンし、そのままトリガーボタンを約30秒押し続けます。(コントローラーが強制的に復旧モードで起動します。)

    3. ERROR, TEACH, PROGRAMのLEDが点灯状態になることを確認します。

    4. 以下の手順3以降を実施し、ファームウェアの初期化を行ないます。
      "ファームウェア初期化インストール手順"

ファームウェア初期化インストール手順

ファームウェア初期化インストール手順を説明します。

  1. 開発用PCとコントローラーを、USBケーブルで接続します。
    (Ethernet接続ではファームウェアの変更はできません。)

  2. コントローラーの電源をオンします。
    (ファームウェアの変更が完了するまで開発用ソフトウェアEpson RC+ は起動しないでください。)

  3. インストールする“ファームウェアCD-ROM”を開発用PCのCD-ROMドライブに挿入します。

  4. “<Ctrlsetup70.exe”を実行します。

  5. [Initialize]ボタンを選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

  6. 開発用PCとコントローラーが、USBケーブルで接続されていることを確認し、[次へ]ボタンをクリックします。

  7. バージョン情報を確認し、[Install]ボタンをクリックします。

  8. ファームウェアおよびデータファイルの転送が開始されます。転送には数分かかります。
    転送中は、絶対にUSBケーブルを抜いたり、コントローラーや開発用PCの電源をオフしないでください。

  9. 転送が終了すると、以下のダイアログが表示されます。
    [次へ]ボタンをクリックし、コントローラーを再起動します。

  10. 再起動が完了すると、以下のダイアログが表示されます。
    [Finish]ボタンをクリックします。

以上で、ファームウェアの初期化インストールは終了です。

Epson RC+ を起動し、稼動中のシステムのリストアを実施してください。
以下を参照してください。
バックアップとリストア

キーポイント


Ver.7.4.0.2より前のファームウェアがインストールされたコントローラーに、Ver.7.4.0.2以降のファームウェアをインストールすると、次のメッセージが表示されます。

メッセージが表示された場合は、再インストールを行ってください。

Ethernet接続のセキュリティー強化による確認ステップの追加について

以下のバージョンから、セキュリティー強化のため、コントローラーとPCとの接続には、パスワードによる認証が追加されています。

  • F/W : Ver.7.4.8.x

以下の条件にあてはまる場合、Ethernet(PC)コネクター接続、リモートイーサネット接続ができなくなります。

  • コントローラーのIPアドレスが、グローバルIPアドレスに設定されている
  • ファームウェアのバージョンがVer.7.4.8.x以降である
  • EPSON RC+ 7.0が、Ver.7.4.7以前である

以下の条件にあてはまる場合、コントローラーファームウェアのアップデートを行うと、コントローラーの設定状態によっては、アップデートを継続するかを確認するステップが実行される場合があります。(以下の手順3以降)

  • コントローラーのIPアドレスが、グローバルIPアドレスに設定されている
  • インストールするファームウェアのバージョンがVer.7.4.8.x以降である

アップデート継続確認のステップを説明します。

  1. インストールする“ファームウェアCD-ROM”を開発用PCのCD-ROMドライブに挿入します。

  2. “CtrlSetup70.exe”を実行します。

  3. コントローラーセットアップ画面が表示されます。
    [Upgrade]ボタンを選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

  4. Step 2の画面が表示されます。
    [次へ]ボタンをクリックします。

  5. Step 3の画面が表示されます。

    1. アップデートを継続するかを確認するステップが実行されない場合:
      Step 3の画面が表示されます。
      画面の説明に沿って、ファームウェアをインストールします。
    2. アップデートを継続するかを確認するステップが実行された場合:
      次の画面が表示されます。

      [I understand the contents]ボタンを選択すると、[OK]ボタンが選択できるようになります。
      [OK]ボタンをクリックすると、Step3画面が表示されます。手順6に進みます。
      [Cancel]ボタンをクリックすると、Step3画面が表示されます。[Disable connection password]チェックボックス, [Install]ボタンがグレイアウト表示となり、選択できなくなります。
  6. Step3画面が表示されます。

    1. [Disable connection password]チェックボックスをチェックすると、ファームウェアアップデート後の接続認証を、“無効”に設定できます。

    2. [Install]ボタンをクリックすると、確認画面が表示されます。
      [Disable connection password]チェックボックスがチェックされている場合:

      [Disable connection password]チェックボックスがチェックされていない場合:

      [OK]ボタンをクリックすると、Step 4画面が表示されます。手順7に進みます。
      [キャンセル]ボタンをクリックすると、確認画面を終了します。

  7. ファームウェアのインストールが開始されます。
    インストールが終了したら、[次へ]ボタンをクリックします。コントローラーが再起動します。

  8. 再起動が完了すると、次の画面が表示されます。
    ファームウェアのインストールが終了したことを確認します。
    [Finish]ボタンをクリックします。