LimitTorque
ハイパワーモード時のトルク上限値の設定と表示をします。
書式
(1) LimitTorque 全関節ハイパワートルク上限値
(2) LimitTorque 第1関節ハイパワートルク上限値, 第2関節ハイパワートルク上限値, 第3関節ハイパワートルク上限値, 第4関節ハイパワートルク上限値
(3) LimitTorque 第1関節ハイパワートルク上限値, 第2関節ハイパワートルク上限値, 第3関節ハイパワートルク上限値, 第4関節ハイパワートルク上限値, 第5関節ハイパワートルク上限値, 第6関節ハイパワートルク上限値
(4) LimitTorque
パラメーター
- 全関節ハイパワートルク上限値
- すべての関節のハイパワートルク上限値を、各関節の瞬時最大トルクに対する割合を表す整数値で指定します。
- 第n関節ハイパワートルク上限値
- 第n関節のハイパワートルク上限値を、第n関節の瞬時最大トルクに対する割合を表す整数値で指定します。
結果
パラメーターが省略されているときは、現在のLimitTorque値を表示します。
解説
ハイパーモード時のトルク上限値を制限します。通常は最大トルクが設定されており、本設定値を変更する必要はありませんが、例えば、周辺機器との干渉によるロボットや装置のダメージを少なくするため、特定の動作に必要なトルク以上のトルクを発生しないように制限したい場合に有効です。上限値は、特定の動作をした時のピークトルクをPTRQで測定し、その値に変動分 (10%程度)を考慮した余裕を加えた値とします。
本コマンドでローパワーモード時のトルク上限値を下回るハイパワートルク上限値を設定することはできません。各機種、関節に対して設定できる最小値はそれぞれ異なります。設定後に設定値を表示し、実際に設定された上限値を確認してください。
下記の場合、LimitTorqueはデフォルト値に戻ります。
- コントローラー起動時
- Motor On実行
- SFree, SLock, Brake 実行
- Reset, Reset Error実行
- 停止ボタン, Quit All実行などによるタスクの終了
注意
低すぎるLimitTorque設定
LimitTorqueは、特定の動作に対して、設定された加減速度で動作するために必要なトルクの大きさにかかわらず、設定されたトルク制限値を上限値とし、トルクを制限します。その結果、特定の動作が設定した上限値より大きなトルクを必要とする場合、ロボットは適切に動作をすることができず、振動的な動作をしたり、異音が発生したり、位置偏差エラーおよびオーバーランが発生したりすることが考えられます。必ずPTRQを計測してから、トルク制限機能を使用してください。万一、上記の状態が発生した場合は、トルクが不足しているため、トルク上限値を大きくし、正常に動作するように調整してください。
参照
LimitTorque関数, Power, PTRQ, RealTorque関数
LimitTorque使用例
第1関節の最大トルクを80%に制限して動作する例です。
Function main
Motor On
Power high
Speed 100; Accel 100,100
LimitTorque 80,100,100,100 '第1関節の最大トルクを80%に制限する
Jump P1 'Jump動作を実行する
Fend
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