発展課題

次の操作を実際に行ってみましょう。

  1. 「ソフトウェア編 非接触状態に戻る 」のような、ジョグを用いた数十ミリの距離の移動は、大変手間がかかります。
    円柱の嵌合の直後に、力制御機能を用いて抜き出す方法を試してみましょう。
    このとき、[シーケンス]-[プロパティー]で、力覚センサーのリセットを行わないようにする必要があります。

    注意


    嵌合後、5分程度経過すると、力覚センサーのドリフト特性によって、正しい値を検出できず、引き抜きに失敗する可能性があります。また、その時、ワークに過大な力がかかり、ワークを破壊する可能性があります。フォースガイドシーケンスを実行した直後に実行してください。

    接触状態で、力覚センサーをリセットすると、その時の力とトルクが “0”となります。この状態では、正しく力制御機能を実行できず、引き抜きに失敗したり、ワークを破損する可能性があります。必ず、[ResetSensor]プロパティーを“False”にしてください。また、フォースモニターで[力覚センサーリセット]ボタンをクリックしたり、コントローラーを再起動するなど、力覚センサーをリセットした場合は、力制御機能を実行せずに、ジョグを用いて移動したり、非把持状態にして、非嵌合状態にしてください。

    1. [InsertSeq]とは別の、空のフォースガイドシーケンスを新規作成します。
      例: PullFromHole
    2. 押付けオブジェクトのみを追加してプロパティーを設定します。
      6軸ロボットの場合は、下記の設定を基準とし、[Firmness]などのプロパティーを調整してください。
      • [Fz_ControlMode]で “Press- ” 方向を設定する
      • [Fx_ControlMode], [Fy_ControlMode]は、“Follow”とする
      • [Fz_ControlMode]は、10N以下の力を設定する
        (強すぎると引っかかる可能性があります。)
      • [Timeout]を60secなど大きな値にする
        (引き抜きができてもその時間動き続けます。[中断]ボタンをクリックして、ロボットを停止してください。)
      • [FZ_Firmness]は、[InsertSeq]の[Insert01]のInsertFirmnessFと同じ値に設定する
      • [Fx_Firmness], [Fy_Firmness]は、[InsertSeq]の[Insert01]のFollowFirmnessFと同じ値に設定する
    3. フローチャートのシーケンスフローをクリックして選択します。
    4. [ResetSensor]プロパティーを、“False”にします。
    5. 下記を参照し、力制御機能を実行します。
      フォースガイダンス機能による実行
  2. 本チュートリアルでは円柱嵌合を行いましたが、コネクターのような嵌合後に引っ張っても抜けない形状のワークを使って、嵌合後に嵌合方向と逆方向に引っ張って抜けないことを確認する機能もあります。
    下記に従って実際に試してみましょう。

    1. [ForceGuide]ウィンドウを表示します。
    2. [InsertSeq]のシーケンスフローを右クリックしてシーケンスウィザードをクリックします。
      シーケンスウィザードが表示されます。
    3. [次へ]ボタンを3回クリックし、[Step 4: 挿入作業オプションの設定]ダイアログを表示します。
      下表のプロパティーを変更します。[次へ]ボタンを6回クリックします。
      画像
      項目
      設定値
      説明
      引張り試験を有効にする 有効 挿入作業が完了したあと、挿入方向と逆向きに力をかけて抜けないことを確認します。
    4. [Step 10: 引張り試験の完了条件の設定]ダイアログが表示されます。
      お客様のワークに合わせて下表のプロパティーを変更します。
      初期値のままでよければ、変更の必要はありません。
      [次へ]ボタンをクリックします。
      画像
      項目
      設定値
      説明
      試験力 5

      引張り試験で引っ張る試験力を設定します。

      お客様の使うワークに合わせて設定してください。

      5Nと設定します。

      許容誤差 1

      試験力に関する完了条件の許容誤差です。

      引張り試験の完了条件とする許容誤差を設定します。

      Z軸: 5±1Nに力の値が入った状態が継続

      必要継続時間 0.1

      完了条件を満たしたと判定する継続時間を設定します。

      0.1secと設定します。

    5. [Step 11: 引張り試験のクリアランスの設定]ダイアログが表示されます。
      お客様のワークに合わせて下表のプロパティーを変更します。
      初期値のままでよければ、変更の必要はありません。
      [次へ]ボタンをクリックします。
      画像
      項目
      設定値
      説明
      クリアランス 1

      引張り試験で失敗したと判定するクリアランスの範囲です。

      お客様の使うワークに合わせて設定してください。

      1mmと設定します。

    6. [Step 12: 作業のタイムアウト時間の設定]ダイアログが表示されます。
      初期値から変更する必要はありません。
      [次へ]ボタンをクリックします。
      画像
    7. [Step 13: 変更一覧]ダイアログが表示されます。
      変更したプロパティーがあるオブジェクト, プロパティー名, 変更前後の値が表示されます。
      下図は、引張り試験を有効に変更した場合のダイアログです。
      Step10, 11で値を変更している場合は、そのプロパティーについても表示されます。
      [完了]ボタンをクリックします。
      画像
    8. [InsertSeq]シーケンスに、[TensileTest01]オブジェクトがあることを確認します。
      画像
    9. 下記を参照し、力制御機能を実行します。
      フォースガイダンス機能による実行

これで、挿入シーケンスのチュートリアルを終了します。