動作概要

Part Feedingオプションの動作の概要を説明します。

Part Feedingプロセス

Part Feedingプロセスとは、ビジョンシステムとフィーダー制御を自動的に行う、Part Feedingシステムに組み込まれたプロセス動作です。
Part Feedingプロセスを開始するには、お客様のプログラムからPF_Startコマンドを実行します。
Part Feedingプロセスの内容は以下のとおりです。

  1. フィーダー上のパーツを認識する
    プラットフォームの上にあるパーツの数や分布を、ビジョンで認識します。
  2. パーツを処理する
    ロボットがパーツを把持しやすくするために、フィーダーを制御してパーツを移動させます。パーツの数が少ないときや、パーツがないときは、PF_Controlコールバック関数を呼び出し、ホッパーからパーツを供給します。
  3. ロボットを動かす
    パーツ座標キュー(フィーダー上のパーツ座標のリスト)を生成します。PF_Robotコールバック関数を呼び出し、パーツのピックプレース動作を行います。

Part Feedingプロセスは、お客様のプログラムからPF_Stopコマンドを呼び出すことによって停止します。

フィーダーへのパーツの供給

フィーダーへのパーツの供給は、以下のような方法で行います。

  • ホッパーを使用する
  • 人が給材する

パーツの供給数

プラットフォームへのパーツの供給数は、動作のサイクルタイムを決める重要な要素です。

  • パーツ数が多すぎる場合:
    パーツの重なりが発生し、フィーダーが何回も動かなければならないため、サイクルタイムが低下します。
  • パーツ数が少なすぎる場合:
    プラットフォームへ何回もパーツを供給する必要があります。サイクルタイムが低下します。

供給数 (フィーダーが動作したあとの、プラットフォーム上のパーツ数)には、適量があります。この数は、フィーダーキャリブレーションで求めることができます。

フィーダーにパーツを供給する方式 (タイミング)として、以下の3つがあります。

  1. 取り切り給材
    フィーダー上のパーツをすべて取り切ってからパーツを供給します。
    フィーダー上のパーツの滞留時間がほぼ一定となるため、振動に敏感 (振動に弱い)なパーツは、この方式をお勧めします。ただし、1回のフィーダー動作でロボットが取得できるパーツの平均数が少なくなるため、サイクルタイムは長くなります。

  2. 追加給材
    フィーダー上の取得可能なパーツがなくなったタイミングで、パーツを追加供給します。
    1回のフィーダー動作でロボットが取得できるパーツの平均数が相対的に多くなるため、サイクルタイムは短くなり、生産性が向上します。ただし、パーツの滞留時間に幅ができるため、振動に敏感なパーツは、この方式は適していません。

  3. 並行給材
    この方式は、パーツのピック位置を指定する機能と併せて使用します。
    ロボットがパーツをピックしている最中に、パーツのピック位置と反対側の領域にパーツを追加します。1回のフィーダー動作でロボットが取得できるパーツの平均数が多くなるため、サイクルタイムは短くなります。さらにホッパーとロボットが同時に動作できるため、サイクルタイムはさらに短くなります。ただし、フィーダー上に長くとどまるパーツが発生するため、振動に敏感なパーツには、この方式は適していません。また、ホッパーとロボットが同時に動作するように、お客様がプログラムを記述する必要があります。

フィーダーの動作

Part Feedingオプションは、フィーダー上のパーツの状態によって、フィーダーの動作を自動的に選択して実行します。これにより、ロボットがパーツを把持しやすくなります。
フィーダーの動作を以下に示します。説明図は概要です。実際の動きとは異なる場合があります。

フリップとセパレーション

パーツをプラットフォーム上に均一に分散させます。パーツ間の間隔を適当にあけることで、ロボットがパーツを把持しやすくなります。

セパレーションの前に、パーツを中心に寄せる動作が入ることがあります。これをセンタリングと呼びます。

シフト

パーツの間隔 (分布)を保ったまま、パーツ全体を一方向に移動させます。
プレース位置にパーツを近づけることで、ロボットの移動距離が短縮でき、サイクルタイムが向上します。

シフトには、前方向 (ピック位置に近づける方向)、後方向 (ピック位置から遠ざかる方向)があります。

プラットフォーム上のパーツのピック位置

ロボットでパーツをピックする位置は、「全面ピック」と「部分ピック」の2つがあります。
部分ピックと全面ピックのどちらの効率が良いかは、お客様のパーツ, ハンド, ホッパーなどの装置構成に依存します。実際に装置を動作させてログを取得し、確認してください。

全面ピック

プラットフォームの全面を対象にピックを行います。
プラットフォームのサイズに対しパーツが大きい場合 (IF-240の場合、目安として2平方センチメートル以上)は、全面ピックを選択します。

部分ピック

プレース位置に近い領域を対象にピックを行います。
この方式では、パーツの分布によって、ピック対象領域にパーツをシフトする操作が自動で行われます。また、ピック対象ではない領域に、ロボット動作と同時にパーツを給材できます。 (お客様がプログラムを記述する必要があります。)これらの機能を活用することにより、一般的に全面ピックに比べてロボットのサイクルタイムが短縮できます。

ハンドとプラットフォームの干渉回避

ハンドがプラットフォームと物理的に干渉するのを防止するため、フィーダー上のパーツのピック可能な範囲を、プラットフォームの外周より内側に設定する必要があります。Part Feedingオプションでは、その距離を簡単に指定できます。