CollisionDetect
現在のロボットの衝突検出機能(ロボット動作の異常の検出機能)をオン、またはオフします。
書式
(1) CollisionDetect 状態
(2) CollisionDetect 状態, 関節番号
(3) CollisionDetect
パラメーター
- 状態
-
- On: 衝突検出(ロボット動作の異常の検出)を有効にします。
- Off: 衝突検出(ロボット動作の異常の検出)を無効にします。
- 関節番号
- スカラロボット (RSシリーズ含む)の場合、1から4まで、垂直6軸型ロボット (Nシリーズ含む)の場合、1から6までの関節番号を指定します。
結果
パラメーターが省略されているときは、現在のCollisionDetect状態を表示します。
解説
ロボットを動かしたい速度と、実際に動いている速度の差(速度偏差値)により、ロボット動作の異常を検出します。本機能で検出できる異常は、AとBに分類されます。
- A: ロボットアームやハンドの衝突や接触の発生
- B: 衝突や接触以外のロボット動作での異常
さらにBの異常は、パワーの状態により、以下のように分類されます。
- ハイパワー状態での異常: WeightやInertiaの過小設定によるトルク飽和
- 多関節軸の複合動作や長尺物を振り回すことによるトルク飽和
- 電源電圧低下によるトルク飽和
- ハードウェアの異常やソフトウェアの誤作動による異常動作
- ローパワー時の異常:
- ハードウェアの異常やソフトウェアの誤動作による異常動作
- 仕様を超えたハンド質量や長尺物の保持によるローパワー時トルク飽和
衝突検出機能は、EPSON RC+ 7.0 Ver.7.2以降でサポートされる汎用ロボット (垂直6軸型ロボット, スカラロボット)に対応しています。X5シリーズなど、未サポートのロボットを接続した状態で本コマンドを使用すると、エラーが発生します。
本コマンドの実行は処理時間を要します。サイクルタイムが要求される場合は、コマンドの使用を最小限にしてください。
コマンドにより、全軸のオンオフと、各軸のオンオフの設定ができます。デフォルト値は、全軸オンです。(ファームウェアバージョンVer7.2.1.x 以降の場合はオン、Ver7.2.0.x以前の場合はオフ)
コントローラーの電源をオフするとデフォルト値に戻りますが、それ以外の場合は、本コマンドで明示的に設定しない限り、状態は変化しません。
衝突検出時には、以下のメッセージを出力し、ロボットを停止します。
- エラー5057 "ハイパワー状態で衝突を検知(ロボット動作の異常の検出)"
- エラー5058 "ローパワー状態で衝突を検知(ロボット動作の異常の検出)"
ハイパワーモード時のダメージ低減には、LimitTorqueコマンドによるトルク制限機能との併用、ローパワーモード時のダメージ低減には、LimitTorqueLPコマンドによるトルク制限機能との併用も効果的です。
以下の説明も参照してください。
"Epson RC+ ユーザーズガイド - 衝突検出機能(ロボット動作の異常の検出機能)"
参照
LimitTorque, LimitTorque関数, LimitTorqueLP, LimitTorqueLP関数
CollisionDetect使用例
CollisionDetect On ' 全軸衝突検出をONとする
CollisionDetect Off, 5 ' 第5関節のみOFFとする
CollisionDetect ' on, on, on, on, off, on と表示されます。