安全位置監視(SLP)の使用例

安全位置監視(SLP)の使用例を説明します。
本使用例では、スカラ型マニピュレーターがGX8-B653S、6軸型マニピュレーターがC4-B901Sの場合を一例に、SAFETY_IN3にSLP_Aを割り当て、ロボットが制限領域に進入すると非常停止になることを確認します。

スカラ型マニピュレーターの安全位置監視(SLP)の設定

以下の手順で、Safety基板の安全機能パラメーターの設定を行ないます。

  1. Epson RC+ の[セットアップ]-[システム設定]-[コントローラー]-[安全機能]から、安全機能マネージャーを起動します。

  2. [SAFETY_IN3]の[SLP_A]にチェックを入れます。

  3. [ロボット監視範囲設定]の[J2]に100(mm)、[J3]に80(mm)と入力します。

  4. SLP_AのXY平面にチェックを入れ、[壁]を選択します。

  5. [X1], [X2], [Y1], [Y2]のチェックボックスを有効にし、各壁の位置を、[X1]に-700(mm), [X2]に700(mm), [Y1]に-700(mm), [Y2]に700(mm)と入力します。

  6. SLPビューアーで、設定された範囲を確認します。

  7. 設定を適用します。

6軸型マニピュレーターの安全位置監視(SLP)の設定

以下の手順で、Safety基板の安全機能パラメーターの設定を行ないます。

  1. Epson RC+ の[セットアップ]-[システム設定]-[コントローラー]-[安全機能]から、安全機能マネージャーを起動します。

  2. [SAFETY_IN3]の[SLP_A]にチェックを入れます。

  3. [ロボット監視範囲設定]の[J2]に99(mm)、[J3]に99(mm)、[J5]に48(mm)、[J6]に30(mm)と入力します。

  4. SLP_AのXY平面にチェックを入れ、[壁]を選択します。Z方向にもチェックを入れます。

  5. [X1], [X2], [Y1], [Y2]のチェックボックスを有効にし、各壁の位置を、[X1]に-700(mm), [X2]に700(mm), [Y1]に-700(mm), [Y2]に700(mm)と入力します。[Z1], [Z2]のチェックボックスを有効にし、各壁の位置を、[Z1]に-700(mm), [Z2]に700(mm)と⼊⼒します。

  6. SLPビューアーで、設定された範囲を確認します。

  7. 設定を適用します。

安全位置監視(SLP)の動作確認⽅法

以下の手順で、動作を確認します。

  1. [SAFETY_IN3]をON状態(0V)にし、安全位置監視を有効にします。

  2. Epson RC+ の[ツール]-[ロボットマネージャー]-[ジョグ&ティーチ]で、ロボットを壁の外側 (制限領域)に移動させます。

  3. 非常停止が発生し、ロボット動作が停止することを確認します。

復帰方法
以下の3つの方法で、非常停止状態、またはエラー状態からの復帰が可能です。安全機能の詳細は、以下を参照してください。
ロボットコントローラー安全機能使用時の注意

  • 安全入力を使用する方法
  • モーターブレーキ解除を使用する方法
  • ティーチペンダントを使用する方法

安全入力を使用する方法

  1. [SAFETY_IN3]をOFF状態(24V)に設定し、安全位置監視を無効にします。

  2. リセット操作を行います。
    EPSON RC+ 7.0: EPSON RC+ の[ロボットマネージャー]-[コントロールパネル]から、[Reset]ボタンをクリックします。
    Epson RC+ 8.0: Epson RC+ の[ロボットマネージャー]から、[Reset]ボタンをクリックします。

  3. Epson RC+ の右下に表⽰される[⾮常停⽌]が消灯することを確認します。

  4. モーターをオンにします。
    EPSON RC+ 7.0: EPSON RC+ の[ロボットマネージャー]-[コントロールパネル]から[MOTOR ON]ボタンをクリックします。
    Epson RC+ 8.0: Epson RC+ の[ロボットマネージャー]から[Motor: Off]ボタンをクリックします。

  5. [ジョグ&ティーチ]で、ロボットを壁の内側(制限領域外)へ移動させます。

モーターブレーキ解除を使用する方法

スカラ型マニピュレーターの復帰方法

  1. モーターブレーキを解除します。
    EPSON RC+ 7.0: EPSON RC+ の[コントロールパネル]-[Free Joints]の[Free All]ボタンをクリックします。
    Epson RC+ 8.0: Epson RC+ の[ジョグ&ティーチ]-[Free Joints]タブから、[全軸非励磁]ボタンをクリックします。

  2. ロボットを手で動かし、制限領域の外に移動させます。

  3. リセット操作を行います。
    EPSON RC+ 7.0: EPSON RC+ の[ロボットマネージャー]-[コントロールパネル]から、[Reset]ボタンをクリックします。
    Epson RC+ 8.0: Epson RC+ の[ロボットマネージャー]から、[Reset]ボタンをクリックします。

  4. Epson RC+ の右下に表示される[非常停止]が消灯することを確認します。

6軸型マニピュレーターの復帰方法

ブレーキ解除ユニット (オプション)を使⽤する⽅法があります。詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
"マニピュレーターマニュアル ‒ 安全について - 電磁ブレーキ作動状態からのアームの動作⽅法"

ティーチペンダントを使用する方法

  1. ロボットコントローラーにティーチペンダントを取り付け、TEACHモードに設定します。

注意


TEACHモード時は、安全位置監視が無効になります。ロボットの動作に注意してください。

  1. ティーチペンダントを操作し、ロボットを制限領域外に移動させます。

  2. AUTOモードに変更し、ティーチペンダントかEpson RC+で、リセット操作を行います。

  3. ティーチペンダントかEpson RC+で、[非常停止]が消灯することを確認します。