安全速度監視(SLS)の使用例

安全速度監視(SLS)の監視速度の使用例を説明します。
本使用例では、SAFETY_IN3にSLS_1を割り当て、SLS_1の監視速度を1000[mm/sec]に設定します。

設定方法
以下の手順で、安全機能パラメーターの設定を行います。

  1. Epson RC+の[セットアップ]-[システム設定]-[コントローラー]-[安全機能]から、安全機能マネージャーを起動します。

  2. [SAFETY_IN3]の[SLS_1]にチェックを入れます。

  3. TCPオフセットに、[X_TCP:0mm], [Y_TCP:0mm], [Z_TCP:0mm]と入力します。

    キーポイント


    本使用例では、ハンドを取り付けない状態で確認します。TCPオフセットに、全て0mmを入力した場合には、[確認]ボタンを押すと警告メッセージが表示されますが、そのまま継続してください。

  4. [SLS_1]の[Hand]にチェックを入れ、[監視速度]に1000、[遅延時間]に0を入力します。

  5. 設定を適用します。

動作確認方法
以下の手順で、動作を確認します。

  1. SAFETY_IN3をON状態(0V)にして、速度監視機能を有効にします。

  2. Epson RC+ から、速度を500mm/secでロボットを動作させます。

    500mm/secで動作させるサンプルプログラム:

    Function SLS_Test_500
        SF_LimitSpeedS SLS_1, 500      'SLS_1有効時の制限速度を500mm/sに設定
        SF_LimitSpeedSEnable SLS_1, On 'SLS_1有効時の速度制御を有効化	
    	Motor On
        Power Low
        Go P1              '動作開始位置(P1)にPTPモードで移動します。
        Power High
        Speed 100
        Accel 100, 100
        SF_PeakSpeedSClear 'ピーク速度値クリア
        Go P2
        SF_PeakSpeedS      'ピーク速度値を表示
        Motor Off
    Fend
    

    キーポイント


    動作速度が監視速度(1000mm/sec)以下のため、安全機能は動作しません。

  3. Epson RC+ から、速度を1500mm/secに変更し、ロボットを動作させます。

    1500mm/secで動作させるサンプルプログラム:

    Function SLS_Test_1500
    	SF_LimitSpeedS SLS_1, 1500     'SLS_1有効時の制限速度を1500mm/sに設定
        SF_LimitSpeedSEnable SLS_1, On 'SLS_1有効時の速度制御を有効化
        Motor On
        Power Low
        Go P1              '動作開始位置(P1)にPTPモードで移動します。
        Power High
        Speed 100
        Accel 100, 100
        SF_PeakSpeedSClear 'ピーク速度値クリア
        Go P2
        SF_PeakSpeedS      'ピーク速度値を表示
        Motor Off
    Fend
    
  4. 非常停止が発生し、ロボット動作が停止することを確認します。

復帰方法
以下の手順で、非常停止状態、またはエラー状態から復帰します。安全機能の詳細は、以下を参照してください。
ロボットコントローラー安全機能使用時の注意

  1. リセット操作を行います。
    EPSON RC+ 7.0: EPSON RC+ の[ロボットマネージャー]-[コントロールパネル]から、[Reset]ボタンをクリックします。
    Epson RC+ 8.0: Epson RC+ の[ロボットマネージャー]から、[Reset]ボタンをクリックします。

  2. Epson RC+ の右下に表示される[非常停止]が消灯することを確認します。