通信ケーブルの加工、取りつけ方法

以下の手順にしたがって、通信ケーブルを加工し、コネクターに取りつけてください。

注意


ケーブルの加工は、刃物を使用するため、手や指を傷つけないように十分注意してください。また、ケーブルの加工に適した刃物や工具を使用してください。用途に適さない刃物や工具を使用すると、損傷や損害の可能性があります。

  1. シールドの網をあまり傷つけないように注意しながら、ケーブルの被覆を約30 mm (a)むいてください。ただし、あまり余分にむきすぎると、短絡の原因となったり、ノイズの影響を受けやすくなったりしますので注意してください。

  2. シールドの網を丁寧にほぐします。
    信号線と電源線の他に、より合わせた、むき出しのシールド線 (a)が1本あります。(網の部分よりも少し硬いので触るとわかります)。

  3. 余分なシールドの網を切りとり、信号線と電源線を包むアルミテープをはがしてから、信号線と電源線の被覆を圧着端子に合わせてむきます (a)。
    むき出した信号線と電源線は、それぞれしっかり、より合わせてください。

  4. ケーブルの被覆をむいた部分に圧着端子 (a)を装着し、専用の工具を使用して、しっかり圧着してください。ケーブルの圧着端子として、以下の製品を推奨します。

    ニチフ社製 TCシリーズ

    型番 仕様 専用工具
    TMEV TC-0.5 細いケーブル用 MH-32
    TMEV TC-2-11 太いケーブル用 (電源線)
    TMEV TC-1.25-11 太いケーブル用 (通信線)

    フェニックス コンタクト社製 AIシリーズ

    型番 仕様 専用工具
    AI 0.5-8WH 細いケーブル用 (電源線) CRIMPFOX UD6
    AI 0.25-8YE 細いケーブル用 (通信線)
    AI 2.5-8BU 太いケーブル用 (通信線)
    AI 1-8RD 太いケーブル用 (通信線)
  5. ケーブルをビニールテープや熱収縮チューブ (a)で処理します。

キーポイント


信号線や電源線、シールド線を差し込む前に、コネクターのケーブル固定用のねじを十分ゆるめておいてください。ねじが締められたままだと、締めつける側ではなく、裏のすき間に信号線が入り、固定できないことがあります。

  1. コネクターの向きに気をつけながら、信号線とシールド線をコネクターの各穴に差し込みます。
    図のように上から、黒, 青, シールド, 白, 赤の順で穴に差し込みます。
    ケーブルの色は、以下のようになっています。

    記号 信号種別 記号
    a 通信電源-側 V-
    b 信号Low側 CAN L
    c シールド S
    d 信号High側 CAN H
    e 通信電源+側 V+
    記号 説明
    f 挿入方向
    g 配線方向
  2. コネクターのケーブル固定用のねじで、線ごとにしっかり締めつけてください。
    ケーブル固定用のねじは、適正締付トルク 0.25~ 0.3 N·m で締めつけてください。太いケーブルを使用する場合は、ケーブルの張力によりコネクターが抜けることがないように、ケーブルに余裕を持たせて配線してください。

    先だけが細くなっている通常ドライバーでは、途中でつかえて奥まで入りません。太さが一定の小型のマイナスドライバーを使用してください。

    DeviceNetコネクターのねじの締めつけには、専用ドライバーがあります。

    • オムロン製: XW4Z-00C
    • フェニックス コンタクト製: SZF-1 0.6×3.5

    記号 説明
    a 厚み
    b