安全速度監視(SLS)に関する安全機能パラメーターの設定

安全速度監視(SLS)機能を利用するための設定です。以下の項目を設定してください。

  • TCPオフセット
  • 安全速度監視

警告


安全速度監視を正しく機能させるため、TCPオフセットは必ず設定してください。

安全機能マネージャーで設定するTCPオフセットは、”Epson RC+ ユーザーズガイド”に掲載の”ツール設定”で設定する各種設定パラメーターとは連動しません。整合するように設定してください。

キーポイント


  • SLS_1, SLS_2, SLS_3は、安全入力に機能が割り当てられた場合のみ、編集できます。
  • TCPオフセットは、Tool 0座標系を基準にハンドの先端位置*を設定してください。
    *: ロボット動作中に、ハンドが最も高速で移動する位置。または、ボールねじ直動機構の先端から、最も離れた位置。
  • 安全速度監視(SLS)の速度を超えないための制御を、SPEL+コマンドを利用して、明示的に設定する必要があります。
    安全速度監視(SLS)が有効で、ロボットの速度が監視速度を超えた場合、ロボットは非常停止します。
  • SLS_1, SLS_2, SLS_3が有効な場合、コントローラー起動時に⾃動的に次のSPEL+コマンドが設定された状態となります。
    • SF_LimitSpeedS 設定されたSLS 番号, 0
    • SF_LimitSpeedSEnable 設定されたSLS 番号, On
  • SF_LimitSpeedS, SF_LimitSpeedSEnableはToolコマンドで選択されたツール位置の速度を調整する機能です。 詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
    ”SPEL+ランゲージリファレンス”
  • 監視部位の速度はSF_PeakSpeedS/SF_RealSpeedSで取得できます。また、監視部位の関節速度はPeakSpeedで取得できます。 詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
    ”SPEL+ランゲージリファレンス”

a: SF_PeakSpeedSコマンドの値を参考に、監視速度 (mm/s)を超過しないようにSPEL+で制御します。
b: PeakSpeedコマンドの値を参考に、監視関節速度(%)を超過しないようにSPEL+で制御します。

No 名称 機能 備考
1. TCPオフセット設定 TCPオフセット[mm]を設定します。
1.1 X_TCP X軸のオフセット位置[mm]の設定 -
1.2 Y_TCP Y軸のオフセット位置[mm]の設定 -
1.3 Z_TCP Z軸のオフセット位置[mm]の設定 -
No 名称 機能 備考
2. 関節角度監視 関節角度監視に関する設定をします。
2.1 チェックボックス 関節角度監視実施の有無の設定

SLS_1の機能(安全機能オプション)です。

使用するには、安全入力設定でSLS_1を有効にしてください。

2.2 監視関節角度 制限角度[× 0.1 deg]の設定
No 名称 機能 備考
3 SLS_T設定 TEACHモード, TEST T1モードでの監視速度の設定

以下の設定が可能です。

- 監視速度設定(必須)

250[mm/sec]以下で設定してください。

- 監視関節速度設定(任意)

監視関節速度以外の監視部位は、常に有効です。無効にはできません。

4 SLS_T2設定 TEST T2モードでの監視速度の設定

以下の設定が可能です。

- 監視速度設定(必須)

- 監視関節速度設定(任意)

監視関節速度以外の監視部位は、常に有効です。無効にはできません。

5 SLS_1設定 SLS_1での監視速度の設定

安全機能オプションです。

以下の設定が可能です。

- 監視速度設定(必須)

- 遅延時間(任意)

- 監視部位(監視関節速度を含め、1つ以上選択が必須)

- 監視関節速度設定(必須)

6 SLS_2設定 SLS_2での監視速度の設定
7 SLS_3設定 SLS_3での監視速度の設定
No 名称 機能 備考
A 監視速度(mm/s) 各制限における監視速度[mm/sec]の設定 SF_PeakSpeedSコマンド, SF_RealSpeedSコマンドで取得可能な速度を参考に設定してください。
B 遅延時間(msec) 各制限における遅延時間[ms]の設定 -
C 監視部位 各制限における監視部位の設定 必ず、1つ以上の部位を設定してください。
C.1 J2 J2速度の監視の有無設定 -
C.2 J3 J3速度の監視の有無設定 6軸ロボットのみ設定できます。
C.3 J5 J5速度の監視の有無設定 6軸ロボットのみ設定できます。
C.4 Hand ハンド速度(TCP速度)の監視の有無設定 -
D 関節回転設定 各制限における関節速度監視の設定 -
D.1 Joints 関節速度監視の有無設定 -
D.2 監視関節速度[%] 関節軸の回転または上下移動の監視速度の設定[%] 最大速度に対する割合[%]で設定します。PeakSpeedコマンドで取得可能なピーク速度値の絶対値を参考に設定してください。