キャリブレーション手順
ここでは、それぞれのカメラ設置について、キャリブレーションの手順を説明します。
キャリブレーション手順: 可動カメラ
ロボットに搭載されたカメラからオブジェクトを検索し、その位置をロボット座標系に取り込みます。
準備1: ロボットへのカメラ取りつけ
ロボットにカメラを取りつけます。どのような角度でも取りつけることができます。ただし、カメラは使用するローカル座標系に対して垂直 (ローカル座標系のZ軸方向)に合わせて取りつけてください。
準備2: 基準点のタイプの決定
基準点は、次の3つの決定方法があります。
- Auto reference
- 手動で教示したポイントを使う方法
- 上向き固定カメラで検出されたポイントを使う方法
Auto referenceを使用するためには、Auto referenceプロパティーを”True”に設定します。高精度を得るために、AutoRefModeを”Fine”に設定してください。
キーポイント
Auto reference機能を使用すると、キャリブレーション実行に、自動的にロボットを動かして基準点座標を取得します。ロボットと周辺装置の干渉に注意してください。特に水平多関節型(スカラ)の第2アーム(J2)に設置されたカメラキャリブレーションにおいてFineモードを使用する場合は、キャリブレーション中にロボットの姿勢が大きく移動(左ハンド姿勢と右ハンド姿勢の切り替わり)するため注意してください。またAuto reference機能処理中のエラーを回避するため、各関節が伸びる特異点近傍姿勢を避けて使用してください。
精度の高い基準点を得るためには、上向き固定カメラを使用してください。詳しくは、「キャリブレーション手順 : 上向き固定カメラ」を参照してください。
Auto reference、もしくは上向き固定カメラで検出した基準ターゲットを使用しない場合は、基準点を教示するのに、次の2つのツールのどちらかを使用してください。
- 第4軸に取りつけられ、第4軸の中心を通って伸びるロッドを使用してください。
- パーツのピックアップに用いるグリッパーなどのツールを、キャリブレーション基準点に動作させることができる場合は、そのツールを使ってください。
これらのロッドやツールに(TLSetコマンドを使って)ツールを定義する場合は、基準点を教示するとき、180o回転位置での再教示をする必要はありません。
準備3: 正方格子パターンを検出するためのビジョンシーケンスの作成(歪み補正を行う場合のみ)
- キャリブレーションプレートを作成します。
- 以下を参照し、ビジョンシーケンスを作成します。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
準備4: キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成
以下を参照し、ビジョンシーケンスを作成します。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
準備が完了したら、キャリブレーションウィザードを開始して、必要な設定を行います。
Step1: キャリブレーションウィザード開始
Vision Guideツールバー - [新規キャリブレーション]ボタンをクリックして、キャリブレーションウィザードを開始します。
[新規キャリブレーション名の入力]にキャリブレーション名を入力します。
[新規キャリブレーションで使用するカメラ選択]にキャリブレーションの対象とするカメラを選択します。
[コピー元キャリブレーション]にコピー元のキャリブレーションデータを指定すると、設定がコピーされます。
[次へ]ボタンをクリックして、Step2に進みます。
Step2: キャリブレーションの種類とカメラの向きの設定
[ロボットカメラ]を選択します。
[ロボットを選択]で、カメラが取りつけられているロボットを選択します。
[設置と向き]で、カメラの取りつけ位置を次の中から選択します。
水平多関節型 (スカラ)ロボットの場合:
Mobile J2 (可動カメラ: ロボット第2軸搭載) | カメラは水平多関節型(スカラ)ロボットの第2アーム、直角座標型ロボットの第2軸(J2)に搭載されています。 |
Mobile J4 (可動カメラ: ロボット第4軸搭載) | カメラは水平多関節型(スカラ)ロボットの第4アーム(J4)、直角座標型ロボットの第4軸(J4)に搭載されています。 |
6軸ロボットの場合:
Mobile J5 (可動カメラ: ロボット第5軸搭載) | カメラは垂直6軸型ロボットの第5アーム(J5)に搭載されています。 |
Mobile J6 (可動カメラ: ロボット第6軸搭載) | カメラは垂直6軸型ロボットの第6アーム(J6)に搭載されています。 |
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step3: ターゲットシーケンスの指定
ターゲットシーケンスを指定します。
「準備4: キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成」で作成したビジョンシーケンスをリストから選択します。
ここでは、Step1で指定されているカメラのビジョンシーケンスのみリストに表示されています。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step4: ローカルの設定
ビジョンキャリブレーションに使用する、ローカル座標を選択します。
このダイアログで、ローカルウィザードを開始して、ローカル番号にローカル座標系を定義することもできます。ウィザードを開始するには、設定する“0”以外のローカル番号を選択して、[ローカルウィザード]ボタンをクリックします。カメラを使用したローカル設定の方法については、「7.7 カメラを使用したローカル設定」で説明しています。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step5: 基準点のタイプの設定
キャリブレーションで使用される基準点のタイプを設定します。
キャリブレーションで使用される基準点は、ロボット座標で指定されたポイントです。
[ティーチポイント]を選択した場合:Auto Referenceにチェックがついている場合、基準点を自動的に見つけられます。チェックがついていない場合は、ロボットをジョグ動作させ、手動で基準点をティーチングする必要があります。
ロボット先端に取りつけられたハンドなどの基準点となるツール番号と、アーム番号を指定する必要があります。(増設アーム設定は、スカラロボットのみ設定可能です。)
第2アーム(J2), 第4アーム(J4), 第6アーム(J6)のいずれかに設置されているカメラは、[Auto Reference]をチェックすることで、ツールやアームの指定を省略することもできます。省略した場合は、キャリブレーション実行中に自動的にアーム、またはツールの計算を実行し、基準点を自動的に指定します。
このステップで、“0”以外のツール番号を指定して[ツールウィザード]ボタンをクリックすると、ツールウィザードを開始してツール定義をすることもできます。
また、“0”以外のアーム番号を指定して[アームウィザード]ボタンをクリックすると、アームウィザードを開始してカメラのアーム定義をすることができます。
カメラのツールやアーム定義の方法は以下を参照してください。
可動カメラ設置位置の検出
ヒント: Auto Reference機能により基準点のティーチを省略してキャリブレーションを実行したときで、必要なキャリブレーション精度が得られない場合は、Auto Reference機能を使用しないでキャリブレーションを実行すると、精度が向上する場合があります。
[上向きカメラ]を選択した場合: すでにキャリブレーションされた上向き固定カメラを使って基準点を精度よく検出できます。
基準点のタイプとして[上向きカメラ]を選択した場合は、[上向きターゲットシーケンス]で、さらに検出に使うビジョンシーケンスを選択します。リストには、選択されているカメラが指定されたビジョンシーケンスのみ表示されています。
[2点の基準]をチェックした場合: キャリブレーション中に、Uを180°回転させた2点目の基準点を使用するように設定されます。ツールを使用している場合は、省略できます。
選択や設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step6: 基準点の自動計算パラメーターの設定
基準点を自動で見つけるときのパラメーターを設定します。Step5で[Auto Reference]をチェックすると、このステップが表示されます。
基準点を自動で見つけるときのモードを設定します。カメラの取りつけ位置により、ロボットの動作が異なります。
[Rough]を選択した場合: ロボットは小さく動き、粗い位置決めができます。MobileJ2カメラの場合、アームが小さく動きます。MobileJ4, J6カメラの場合、ツールが小さく回転します。
[Fine]を選択した場合: ロボットは大きく動き、精度よく位置決めできます。MobileJ2カメラの場合、アームが左右の姿勢変更をともなって動きます。MobileJ4, J6カメラの場合、ツールが大きく回転します。
[Manual]を選択した場合: ロボットの動作角度やターゲットの許容量を手動で入力できるようになります。[Rough]を選択してもロボットの動きが大きいと感じる場合には、[Manual]を選択して小さな動きに変えることができます。アームは左右の姿勢変更を伴いません。
MobileJ6カメラの場合、基準点を自動で見つけるときの動作方法も設定できます。
[Tool]を選択した場合: ロボットはツール0座標系のXY平面で動作します。カメラは、光軸がツール0座標系のZ軸方向(第6 関節フランジ面に対して垂直方向)に対して概ね平行となるように取り付ける必要があります。
[Local]を選択した場合: ロボットはSptep4で指定した ローカル座標系のXY平面で動作します。Toolの場合と異なり、カメラは自由な角度で取り付けられます。ただし、ローカル座標系のXY平面がカメラの撮像面と概ね平行となるように、ローカル座標系を指定する必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step7: カメラポイントの設定
キャリブレーション実行時に、カメラポイントを自動で生成するかどうかを指定します。
[カメラポイント自動生成]をチェックした場合: カメラ視野内でターゲットを検出しながら自動的にロボットを動かして、複数のカメラポイントを自動的に生成します。それぞれのカメラポイントでは、視野内でのターゲットの位置を検出します。自動生成の場合は、カメラ視野の中央付近にターゲットを配置した1点をポイントティーチする必要があります。
[カメラポイント自動生成]のチェックをはずした場合: キャリブレーション実行前に手動でロボットをジョグ動作させ、必要な数のカメラポイントをティーチングする必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step8: レンズ歪みとカメラの設置歪みの補正の設定
レンズ歪みと、カメラの設置歪みの補正を行うかを指定します。
チェックボックスをチェックすると、補正が有効になります。補正するためには、あらかじめ歪み補正用のターゲットシーケンスを作成しておき、ここで指定する必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step9: 照明コントロールの設定
キャリブレーション時に使用する照明のコントロールを設定します。照明のコントロールが不要な場合は、設定を変更する必要はありません。
カメラのため照明を使用する場合、照明がオンするまでの待機時間をミリ秒で設定します。さらに、照明をオンする出力ビットを設定します。
Step5で基準点のタイプとして[上向きカメラ]を選択した場合は、上向きカメラの照明をオンする出力ビットも設定できます。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step10: ロボットの動作の設定
ロボットの動作に関する設定を行います。
ロボットの速度と加速度、およびロボットが動作した後の静定時間 (撮像までの待ち時間)を設定します。より精密なキャリブレーションを行うためには、遅い速度と加速度に設定し、静定時間を十分に取るようにします。
アプローチポイントも設定できます。アプローチポイントを設定すると、キャリブレーションポイントへは、毎回、指定されたアプローチポイントから移動します。キャリブレーションポイントへは、常に一定の方向からアプローチするようになり、ロボットの位置が安定します。
アプローチポイントの設定方法: [アプローチポイントを使用]をチェックし、[ティーチ]ボタンをクリックします。表示されるポイントティーチ画面でアプローチポイントをティーチングします。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step11: 設定の確認
設定された項目が表示されます。設定を確認します。
[完了]ボタンをクリックしてウィザードを終了します。
歪み補正の検出 (歪み補正を有効にした場合のみ)
- シーケンス、またはキャリブレーションツリーで、作成したキャリブレーションを選択します。
- 正方格子パターンを作業面に配置します。
- プロパティーリストで、DistCorrectプロパティーの下にあるCalプロパティーを選択し、正方格子パターンの検出を実行します。
Calibrationプロパティー(キャリブレーションターゲットを位置決めするためのシーケンス)に、作成したキャリブレーションスキームを選択すると、レンズ歪み、およびカメラチルトが補正された画像を確認することができます。この設定を省略しても、キャリブレーション実行時に、自動的に歪みが補正されます。
ポイントの教示
- [ポイントティーチング]ボタンをクリックします。[キャリブレーションポイントのティーチング]ダイアログが表示されます。
- ダイアログ下方のメッセージボックスに表示されるメッセージの指示にしたがいます。カメラの設置, 基準点のタイプ, その他の設定によって、必要なカメラポイントと基準点のティーチの内容が異なります。
- カメラポイントを教示します。カメラポイントの自動生成を有効にした場合は、1個のカメラ位置を教示します。カメラポイントの自動生成を無効にした場合は、9個のカメラ位置を教示します。これらのカメラ位置は、9個のロボット位置を表します。1番目の位置は画像イメージ表示部の左上コーナーに、2番目の位置は画像イメージ表示部の中央上に見えるように教示します。以下順次、同様に教示します。よりよい結果を得るために、これらのポイントは、カメラの視野全体に広げてください。
垂直6軸型ロボット使用の場合、通常、カメラポイントのV座標は0になり、W座標はローカルの方向により、0または180になります。キャリブレーションポイントを教示するとき、V座標とW座標を変更する必要はありません。これは、カメラの位置が各カメラポイントのローカルと相対的に一直線上にあるようにするためです。 - 基準点タイプにティーチポイントを指定した場合:基準点を教示します。パーツのピックアップに用いられるツールがパーツの真上の位置に来るように、ロボットを適切にティーチングします。(ロボットの動作先としてティーチングするのと同じことです。)
キャリブレーション実行
[キャリブレーション実行]ボタンをクリックして、キャリブレーションサイクルを開始します。
ロボットは、各カメラ位置に動作し、キャリブレーションターゲットビジョンシーケンスを実行します。9個の位置全部へ移動した後、キャリブレーションパラメーターを確定し、統計データを集めるために、サイクルを繰り返します。
[中止]ボタンをクリックすると、キャリブレーションを停止できます。
キャリブレーション手順: 下向き固定カメラ
ロボット作業領域に対して下向きに向けられた固定カメラでオブジェクトを検索し、その位置をロボット座標系に取り込みます。ここでは、作業平面にキャリブレーションプレートを配置する方法を説明します。エンドエフェクターに取りつけられたツール上のターゲットを基準点とする方法は、「キャリブレーション手順: 上向き固定カメラ」に記載しています。
準備 1: カメラの取りつけ
ロボット作業領域に対して下向きになるように、カメラを取りつけます。ロボットがカメラと接触しないことを確認してください。
準備2: 歪み補正の準備 (歪み補正を行う場合のみ)
- 歪み検出用のパターンを作成します。以下を参照してください。
レンズの歪み、およびカメラチルト補正
オプションのキャリブレーションプレートも使用できます。 - ビジョンシーケンスを作成します。以下を参照してください。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
準備 3: キャリブレーションプレートの作成
カメラ視野全体に広がる9個の穴、またはターゲットを備えたプレートを作成します。
準備4: キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成
ビジョンシーケンスを作成します。以下を参照してください。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
準備が完了したら、キャリブレーションウィザードを開始して、必要な設定を行います。
Step1: キャリブレーションウィザード開始
Vision Guideツールバー - [新規キャリブレーション]ボタンをクリックして、キャリブレーションウィザードを開始します。
[新規キャリブレーション名の入力]にキャリブレーション名を入力します。
[新規キャリブレーションで使用するカメラ選択]にキャリブレーションの対象とするカメラを選択します。
[コピー元キャリブレーション]にコピー元のキャリブレーションデータを指定すると、設定がコピーされます。
[次へ]ボタンをクリックして、Step2に進みます。
Step2: キャリブレーションの種類とカメラの向きの設定
[ロボットカメラ]を選択します。
[ロボットを選択]で、カメラが取りつけられているロボットを選択します。
[設置と向き]で、[固定下向き]を選択します。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step3: ターゲットシーケンスの指定
ターゲットシーケンスを指定します。
「準備4: キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成」で作成したビジョンシーケンスをリストから選択します。
ここでは、Step1で指定されているカメラのビジョンシーケンスのみリストに表示されています。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step4: ローカルの設定
ビジョンキャリブレーションに使用する、ローカル座標を選択します。
このダイアログで、ローカルウィザードを開始して、ローカル番号にローカル座標系を定義することもできます。ウィザードを開始するには、設定する“0”以外のローカル番号を選択して、[ローカルウィザード]ボタンをクリックします。カメラを使用したローカル設定の方法については、「7.7 カメラを使用したローカル設定」で説明しています。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step5: 基準点のタイプの設定
キャリブレーションで使用される基準点のタイプを設定します。
キャリブレーションで使用される基準点は、ロボット座標で指定されたポイントです。
[ティーチポイント]を選択します。ロボットをジョグ動作させ、手動で基準点をティーチする必要があります。
ロボット先端に取りつけられたハンドなどの基準点となるツール番号と、アーム番号を指定する必要があります。(増設アーム設定は、スカラロボットのみ設定可能です。)
このステップで、“0”以外のツール番号を指定して[ツールウィザード]ボタンをクリックすると、ツールウィザードを開始してツール定義をすることもできます。
また、“0”以外のアーム番号を指定して[アームウィザード]ボタンをクリックすると、アームウィザードを開始してカメラのアーム定義をすることができます。
カメラのツールやアーム定義の方法は以下を参照してください。
可動カメラ設置位置の検出
[EndEffector]を指定する場合は、「キャリブレーション手順: 上向き固定カメラ」を参照してください。
[2点の基準]をチェックした場合:キャリブレーションで2つの基準点を使用するように設定されます。
選択や設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step6: レンズ歪みとカメラの設置歪みの補正の設定
レンズ歪みとカメラの設置歪みの補正を行うかを指定します。
チェックボックスをチェックすると、補正が有効になります。補正するためには、あらかじめ歪み補正用のターゲットシーケンスを作成しておき、ここで指定する必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step7: 照明コントロールの設定
キャリブレーション時に使用する照明のコントロールを設定します。照明のコントロールが不要な場合は、設定を変更する必要はありません。
照明のコントロールをする場合、照明がオンするまでの待機時間をseconds(秒)で設定し、さらに、照明をオンする出力ビットを設定します。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step8: ロボットの動作の設定
ロボットの動作に関する設定を行います。
ロボットの速度と加速度、およびロボットが動作した後の静定時間(モーションディレイ)を設定します。より精密なキャリブレーションを行うためには、遅い速度と加速度に設定し、静定時間を十分に取るようにします。
アプローチポイントも設定できます。アプローチポイントを設定すると、カメラポイントへは、毎回、指定されたアプローチポイントから移動します。カメラポイントへは常に一定の方向からアプローチするようになり、ロボットの位置が安定します。
アプローチポイントの設定方法:[アプローチポイントを使用]をチェックし、[ティーチ]ボタンをクリックします。表示されるポイントティーチ画面でアプローチポイントをティーチングしてください。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step9: 設定の確認
設定された項目が表示されます。設定を確認します。
[完了]ボタンをクリックしてウィザードを終了します。
歪み補正の検出 (歪み補正を有効にした場合のみ)
- シーケンス、またはキャリブレーションツリーで、作成したキャリブレーションを選択します。
- 正方格子パターンを作業面に配置します。
- プロパティーリストで、DistCorrectプロパティーの下にあるCalプロパティーを選択し、正方格子パターンの検出を実行します。
Calibrationプロパティー(キャリブレーションターゲットを位置決めするためのシーケンス)に、作成したキャリブレーションスキームを選択すると、レンズ歪み、およびカメラチルトが補正された画像を確認することができます。この設定を省略しても、キャリブレーション実行時に、自動的に歪みが補正されます。
ポイントの教示
- [ポイントティーチング]ボタンをクリックします。[キャリブレーションポイントのティーチング]画面が表示されます。
- ダイアログ下方のメッセージボックスに表示されるメッセージの指示にしたがい、各基準点を教示します。
ポイントを教示し、TwoRefPointsが、“True”に設定されている場合は、第4軸を180o回転してポイントを再教示するように指示します。ツールを使用している場合は、この180o回転による再教示の手順は省略することができます。この手順を省略するには、[次へ]ボタンをクリックし、次のステップに移ってください。
キャリブレーション実行
[キャリブレーション実行]ボタンをクリックして、キャリブレーションサイクルを開始します。
キャリブレーションソフトウェアは、9個のターゲットを位置決めした後、もう1度位置決めして、キャリブレーションパラメーターを確定し、統計データを集めます。
[中止]ボタンをクリックすると、キャリブレーションを停止できます。
キャリブレーション手順: 上向き固定カメラ
ロボット作業領域に対して上向きに向けられた固定カメラでオブジェクトを検索し、その位置をロボット座標系に取り込みます。
下向き固定カメラでも、基準点タイプをエンドエフェクター(EndEffector)に設定することにより、同様のキャリブレーションが可能です。
準備 1: カメラの取りつけ
ロボット作業領域に対して上向きになるようにカメラを取りつけます。
準備 2: ハンド上のキャリブレーションターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成
- ハンド上のキャリブレーションターゲットを位置決めするためのシーケンスを作成します。キャリブレーションソフトウェアでは、ターゲットの位置を得るのに、シーケンス中の最後のステップ実行を使用します。最後のステップ実行によるXとYの結果がターゲットの中心になります。
- キャリブレーションの間、ハンドはカメラ視野内の9個の異なるポイントに移動して、ターゲットを検索します。また、それぞれの位置で第4軸を180°回転し、ターゲットを再検索します。この再検索によって、各ポイントに第4軸の中心を決定することができます。最高の結果を得るためには、ターゲットは丸型のものを使用してください。
準備が完了したら、キャリブレーションウィザードを開始して、必要な設定を行います。
Step1: キャリブレーションウィザード開始
Vision Guideツールバー - [新規キャリブレーション]ボタンをクリックして、キャリブレーションウィザードを開始します。
[新規キャリブレーション名の入力]にキャリブレーション名を入力します。
[新規キャリブレーションで使用するカメラ選択]にキャリブレーションの対象とするカメラを選択します。
[コピー元キャリブレーション]にコピー元のキャリブレーションデータを指定すると、設定がコピーされます。
[次へ]ボタンをクリックして、Step2に進みます。
Step2: キャリブレーションの種類とカメラの向きの設定
[ロボットカメラ]を選択します。
[ロボットを選択]で、カメラが取りつけられているロボットを選択します。
[設置と向き]で、[固定上向き]、または[固定下向き]を選択します。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step3: ターゲットシーケンスの指定
ターゲットシーケンスを指定します。
「準備2: ハンド上のキャリブレーションターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成」で作成したビジョンシーケンスをリストから選択します。
ここでは、Step1で指定されているカメラのビジョンシーケンスのみリストに表示されています。
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step4: ローカルの設定
ビジョンキャリブレーションに使用する、ローカル座標を選択します。
このダイアログで、ローカルウィザードを開始して、ローカル番号にローカル座標系を定義することもできます。ウィザードを開始するには、設定する“0”以外のローカル番号を選択して、[ローカルウィザード]ボタンをクリックします。カメラを使用したローカル設定の方法については、以下で説明しています。
カメラを使用したローカル検出
選択が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step5: 基準点のタイプの設定
キャリブレーションで使用される基準点のタイプを設定します。
上向き固定カメラの基準点タイプは、[EndEffector]です。ロボットのエンドエフェクターに取りつけられたツール上にあるターゲットを基準点とします。ターゲットは、カメラから見える必要があります。(下向き固定カメラの場合は、このステップで[基準点タイプ]を選択できますが、ここでは[EndEffector]を選択してください。)
このステップで、“0”以外のツール番号を指定して[ツールウィザード]ボタンをクリックすると、ツールウィザードを開始してツール定義をすることもできます。
また、“0”以外のアーム番号を指定して[アームウィザード]ボタンをクリックすると、アームウィザードを開始してカメラのアーム定義をすることができます。
(増設アーム設定は、スカラロボットのみ設定可能です。)
カメラのツールやアーム定義の方法は以下を参照してください。
可動カメラ設置位置の検出
[2点の基準]をチェックした場合:キャリブレーションで2つの基準点を使用するように設定されます。
選択や設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step6: カメラポイントの設定
キャリブレーション実行時に、カメラポイントを自動で生成するかどうかを指定します。
チェックボックスをチェックした場合:カメラ視野内でターゲットを検出しながら自動的にロボットを動かして、複数のカメラポイントを自動的に生成します。
それぞれのカメラポイントでは、視野内でのターゲットの位置を検出します。この方法では、カメラ視野の中央付近にターゲットを配置してポイントティーチします。ロボットをジョグ動作させ、他のカメラポイントをティーチングする必要はありません。
チェックボックスのチェックをはずした場合:キャリブレーション実行前に手動でロボットをジョグして、必要な数のカメラポイントをティーチする必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step7: レンズ歪みとカメラの設置歪みの補正の設定
レンズ歪みと、カメラの設置歪みの補正を行うかを指定します。
チェックボックスをチェックすると、補正が有効になります。補正するためには、あらかじめ歪み補正用のターゲットシーケンスを作成しておき、ここで指定する必要があります。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step8: 照明コントロールの設定
キャリブレーション時に使用する照明のコントロールを設定します。照明のコントロールが不要な場合は、設定を変更する必要はありません。
照明のコントロールをする場合、照明がオンするまでの待機時間をseconnds(秒)で設定し、さらに、照明をオンする出力ビットを設定します。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step9: ロボットの動作の設定
ロボットの動作に関する設定を行います。
ロボットの速度と加速度、およびロボットが動作した後の静定時間(モーションディレイ)を設定します。より精密なキャリブレーションを行うためには、遅い速度と加速度に設定し、静定時間を十分に取るようにします。
アプローチポイントの設定もできます。アプローチポイントを設定すると、キャリブレーションポイントへは、毎回、指定されたアプローチポイントから移動します。キャリブレーションポイントへは常に一定の方向からアプローチするようになり、ロボットの位置が安定します。
アプローチポイントの設定方法:[アプローチポイントを使用]をチェックし、[ティーチ]ボタンをクリックします。表示されるポイントティーチ画面でアプローチポイントをティーチングします。
設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
Step10: 設定の確認
設定された項目が表示されます。設定を確認します。
[完了]ボタンをクリックしてウィザードを終了します。
ポイントの教示
- [ポイントティーチング]ボタンをクリックします。
[キャリブレーションポイントのティーチング]ダイアログが表示されます。 - ダイアログ下方のメッセージボックスに表示されるメッセージの指示にしたがい、各基準点を教示します。
表示メッセージは、ポイントを教示し、第4軸を180o回転してポイントを再教示するように指示します。ツールを使用している場合は、この180o回転による再教示の手順は省略することができます。この手順を省略するには、[次へ]ボタンを押して、次のステップに移ってください。
キャリブレーション実行
[キャリブレーション実行]ボタンをクリックして、キャリブレーションサイクルを開始します。
キャリブレーションソフトウェアは、それぞれのカメラ位置にロボットを動作させ、ターゲットを検索し、TwoRefPointsが“True”に設定されている場合は、第4軸を180o回転してそのターゲットを再検索します。キャリブレーションを繰り返し、統計データを集めます。
[中止]ボタンをクリックすると、キャリブレーションを停止できます。
キャリブレーション手順: スタンドアローンカメラ
このキャリブレーションでは、物理的な測定をすることができます。
スタンドアローンカメラとしてキャリブレーションされたカメラは、ロボット座標系の計算に使用することができません。mm単位のCameraX座標位置とCameraY座標位置を返すことができるだけです。
Step 1: カメラの取りつけ
作業面に対して45~90°になるようにカメラを取りつけます。
Step 2: 正方格子パターンの作成 (歪み補正を行う場合のみ)
100点以上のポイントを持つ正方格子状パターンを作成します。格子パターンは、カメラ視野の全体に広がるサイズで作成し、できるだけ歪みを抑えてください。格子パターンの精度が画像処理精度に影響します。
Step3: キャリブレーションプレートの作成
カメラ視野全体に広がる9個の穴、またはターゲットを備えたキャリブレーションプレートを作成します。
Step 4: 正方格子パターンを検出するためのビジョンシーケンスの作成(歪み補正を行う場合のみ)
ビジョンシーケンスを作成します。以下を参照してください。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
Step 5: キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスの作成
ビジョンシーケンスを作成します。以下を参照してください。
キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
Step 6: キャリブレーションスキームの作成
- Vision Guideツールバー - [新規キャリブレーション]ボタンをクリックして、キャリブレーションを選択します。
- キャリブレーションウィザードが開始します。キャリブレーション名とカメラを選択します。必要に応じてコピー元キャリブレーションを選択します。
- スタンドアローンカメラを選択します。
- キャリブレーション基準ターゲットを検出するためのビジョンシーケンスを設定します。
- 歪み補正を有効にするかを設定します。歪み補正を有効にした場合、正方格子パターンを検出するためのビジョンシーケンスを選択します。
- 残りのステップを必要に応じて設定し、キャリブレーションウィザードを完了させます。
Step 7: レンズ歪み、およびカメラチルト補正の設定 (歪み補正を行う場合のみ)
- シーケンス、またはキャリブレーションツリーで、作成したキャリブレーションを選択します。
- 正方格子パターンを作業面に配置します。
- プロパティーリストで、DistCorrectプロパティーの下にあるCalプロパティーを選択し、正方格子パターンの検出を実行します。
- Calibrationプロパティー(キャリブレーションターゲットを位置決めするためのシーケンス)に、Step 6で作成したキャリブレーションスキームを選択すると、レンズ歪み、およびカメラチルトが補正された画像を確認することができます。この設定を省略しても、キャリブレーション実行時に、自動的に歪みが補正されます。
Step 8: キャリブレーション
- 正方格子パターンを取りのぞき、Step3で作成したキャリブレーションプレートを設置します。
- [ポイントティーチング]ボタンをクリックして、キャリブレーションプレートの中の9個のターゲットの座標を設定します。
- [キャリブレーション実行]ボタンをクリックして、キャリブレーションサイクルを開始します。キャリブレーションソフトウェアは、9個のターゲットを位置決めします。さらに、もう1度位置決めして、キャリブレーションパラメーターを確定し、統計データを集めます。