キャリブレーション用ビジョンシーケンスの作成
カメラキャリブレーションを実施する前に、キャリブレーションターゲットを検出するためのビジョンシーケンスを作成しなければなりません。
ターゲット1個を検出するビジョンシーケンス
可動カメラ, 上向き固定カメラ, または基準点タイプが“EndEffector (エンドエフェクター)”に設定されている下向き固定カメラの場合、シーケンスは視野の全体で1つのキャリブレーションターゲットを検索します。
サーチウィンドウのサイズが、画像イメージ表示部全体と同じ大きさに定義されていることを確認してください。
キャリブレーションをする間、キャリブレーションソフトウェアでは、シーケンス中の最後のオブジェクトのXリザルトとYリザルトを使用します。使用できるオブジェクトについては、以下を参照してください。
"Vision Guide 8.0 プロパティー&リザルトリファレンス - PixelXYUリザルト"
ターゲット9個を検出するビジョンシーケンス
基準点タイプが、“TaughtPoints (ティーチポイント)”に設定されている下向き固定カメラ、またはスタンドアローンカメラのキャリブレーションに必要なビジョンシーケンスでは、9つのキャリブレーションターゲットの位置が検出されなければなりません。次の2つの方法があります。
- 方法1: ターゲットのそれぞれにオブジェクトを作成します。つまり、全部で9個のオブジェクトを作成します。
- 方法2: 1つのオブジェクト(Blobオブジェクト、やCorrelationオブジェクトなど)を作成し、複数のリザルトを返すように設定します。つまり、NumberToFindを9に設定し、9個のリザルトが返されるようにします。
スタンドアローンカメラのキャリブレーションを行うために配置されたビジョンオブジェクト
方法1の場合、オブジェクトは、ターゲットが教示される順番で、画像イメージウィンドウ内に配置されていなければなりません。1番目のオブジェクトは左上コーナーに、2番目のオブジェクトは中央上に、3番目のオブジェクトは右上コーナーの位置に設定します。
下向き固定カメラキャリブレーションは、オブジェクトの位置決めを上図の1, 2, 3, 6, 5, 4, 7, 8, 9の順番で行ってください。ロボットの動作にとってこの順番による位置決めが最も効率的で、キャリブレーションをより速く完了できるからです。
歪み補正に必要なビジョンシーケンス
歪み補正を実行するには、あらかじめ次の手順でビジョンシーケンスを作成しておく必要があります。
- 正方格子パターンを設置します。
- 正方格子パターンを検出するためのシーケンスを作成します。
- 必要に応じて、Lampプロパティーを選択します。
- Blobオブジェクトを作成し、サーチエリアを画面全体に広げます。
- NumberToFindプロパティーを、“All”に設定します。
- RejectOnEdgeプロパティーを、“True”に設定します。
- ドットが検出できるようにThresholdAuto, ThresholdHigh, ThresholdLow, MinArea, MaxAreaなどの各プロパティーを設定します。
- シーケンス作成後、作成したシーケンスを実行します。100点以上のポイントが検出されるかテストします。
チルト角のついたカメラによる正方格子パターンの撮影画像例
ローカル設定, ツール設定, 増設アーム設定に必要なビジョンシーケンス
カメラを使ってキャリブレーションプレートのローカル座標を検出するには、キャリブレーションプレートを認識するためのビジョンシーケンスが必要です。
オプションのキャリブレーションプレートのドットが明瞭に認識できるように、シーケンスのプロパティー (ExposureTime (露光時間)など)を設定します。ビジョンオブジェクトは不要です。
それ以外のカメラを使ったツール設定, 増設アーム設定のキャリブレーションを実行するには、キャリブレーションターゲットの位置を検出するためのビジョンシーケンスが必要です。「ターゲット1個を検出するビジョンシーケンス」と同様に、ターゲット1個の位置を検出するビジョンオブジェクトを持つシーケンスを作成してください。