LimitTorqueLP
ローパワーモード時のトルク上限値の設定と表示をします。
書式
(1) LimitTorqueLP 全関節ローパワートルク上限値
(2)LimitTorqueLP 第1関節ローパワートルク上限値, 第2関節ローパワートルク上限値, 第3関節ローパワートルク上限値, 第4関節ローパワートルク上限値
(3) LimitTorqueLP 第1関節ローパワートルク上限値, 第2関節ローパワートルク上限値, 第3関節ローパワートルク上限値, 第4関節ローパワートルク上限値, 第5関節ローパワートルク上限値, 第6関節ローパワートルク上限値
(4) LimitTorqueLP
パラメーター
- 全関節ローパワートルク上限値
- すべての関節のローパワートルク上限値を、各関節の瞬時最大トルクに対する割合を表す整数値で指定します。
- 第n関節ローパワートルク上限値
- 第n関節のローパワートルク上限値を、第n関節の瞬時最大トルクに対する割合を表す整数値で指定します。
結果
パラメーターが省略されているときは、現在のLimitTorqueLP 値を表示します。
本コマンドにより値が変更されていない場合は、デフォルト値が表示されます。
解説
ローパワーモード時のトルク上限値を制限します。デフォルトでは、ローパワー動作に対して必要なトルクが上限値として設定されており (値は機種や軸によって異なる。15~60%程度)、本設定値を変更する必要はありませんが、例えば、周辺機器との衝突によるロボットや装置のダメージを少なくするため、衝突のない正常動作に必要なトルクを大きく超えるトルクが発生しないように制限したい場合に有効です。上限値は、正常動作をした場合のピークトルクをPTRQで測定し、その値に変動分 (4割を推奨)を考慮したマージンを加えた値とします。同じ値を異なるロボットに適用する場合は、さらに1~2割のマージンを加えてください。
PTRQの値は、ローパワー時のデフォルトの最大トルクを1.0として表示します。例えば、変更前のデフォルト値が27%で、PTRQでの測定値が0.43となった場合、27% × 0.43 × 1.4 = 16.25となるので、整数で繰り上げて17を設定します。
本コマンドに、5%を下回る値や、デフォルト値を上回る値を設定することはできません。その場合、5以下の設定値は5に、デフォルト値を超えた設定値はデフォルト値に丸められます。例えば、"LimitTorqueLP 100"とすると、デフォルト値は必ず100以下なので、全軸デフォルト値の設定に戻ります。設定後に設定値を表示し、実際に設定された上限値を確認してください。
コントローラーを再起動するまで、LimitTorqueLPの設定値は有効となります。
注意
低すぎるLimitTorqueLP設定
LimitTorqueLPは、特定の動作に対して、設定された加減速度で動作するために必要なトルクの大きさにかかわらず、設定されたトルク制限値を上限値とし、トルクを制限します。その結果、特定の動作が設定した上限値より大きなトルクを必要とする場合、ロボットは適切に動作をすることができず、位置偏差エラーが発生することが考えられます。必ずローパワー状態でのPTRQを計測してから、トルク制限機能を使用してください。上記の状態が発生した場合は、トルクが不足しているため、トルク上限値を大きくし、正常に動作するように調整してください。
参照
LimitTorqueLP関数, PTRQ
LimitTorqueLP使用例
第1関節の最大トルクを10%に制限して動作する例です。
Function main
Motor On
Power low
LimitTorqueLP 10,27,31,42 '第1関節の最大トルクを10%に制限する
'その他の軸はデフォルトの値を設定
Go P1 'Go動作を実行する
Fend