Local
ローカル座標系の定義と表示をします。
書式
(1) Local ローカル座標系番号, (ポイント番号1 : ポイント番号2 ), (ポイント番号3 : ポイント番号4 )
[, { L | R }] [, BaseU]
(2) Local ローカル座標系番号, 座標系データ
(3) Local ローカル座標系番号, 原点, [X軸指定], [Y軸指定], [ { X | Y } ]
(4) Local ローカル座標系番号
パラメーター
- ローカル座標系番号
- ローカル座標系の番号を指定します。ローカル座標系は1~15の整数で、合計15まで定義することができます。
- ポイント番号1, ポイント番号3
- ローカル座標系のポイントデータをポイント変数で指定します。
- ポイント番号2, ポイント番号4
- ベース座標系のポイントデータをポイント変数で指定します。
- L | R
- ローカル原点を、左 (1番)または右 (2番)にあわせます。省略可能です。
- BaseU
- 指定するとU軸座標はベース座標系を使います。省略可能で、省略すると、U軸座標はローカル座標系を使います。
- 座標系データ
- ローカル座標系の原点と向きをポイントデータで直接指定します。スカラロボット (RSシリーズ含む)の場合、V座標とW座標を"0"を指定してください。
- 原点
- ローカル座標系原点を定義するロボット座標系上の位置を、P#(整数)またはP(式)で指定します。
- X軸指定
- ローカル座標系のX軸上の点を定義するロボット座標系上の位置を、P#(整数)またはP(式)で指定します。省略可能です。
- Y軸指定
- ローカル座標系のY軸上の点を定義するロボット座標系上の位置を、P#(整数)またはP(式)で指定します。省略可能です。
- X
- 原点とX軸指定を結んだ直線をローカル座標系のX軸と定義します。X軸と3つのポイントで作られた平面からローカル座標系が算出されるため、Y軸指定は、必ずしもY軸上のポイントになりません。省略可能です。 (デフォルト)
- Y
- 原点とY軸指定を結んだ直線をローカル座標系のY軸と定義します。Y軸と3つのポイントで作られた平面からローカル座標系が算出されるため、X軸指定は、必ずしもX軸上のポイントになりません。省略可能です。
解説
(1) Local は、ベース座標系の2点の位置データ、ポイント番号2とポイント番号4に合致するローカル座標系の2点、ポイント番号1およびポイント番号3を指定して、ローカル座標系を定義します。
例:
Local 1, (P1:P11), (P2:P12)
P1 と P2 はローカル座標系の点です。P11 と P12 はベース座標系の点です。
もし、ローカル座標系で指定した2点間の距離が、ベース座標系の2点間の距離と異なる場合は、ローカル座標系の2点の中点とベース座標系の2点の中点が一致する位置にローカル座標系を定義します。
同様に、2つの座標系の中点を使って、ローカル座標系のZ軸を定義します。
(2) 原点とベース座標系に対する角度でローカル座標系を定義します。
例:
Local 1, XY(x, y, z, u)
Local 1, XY(x, y, z, u, v, w)
Local 1, P1
(3) 原点, X軸上ポイント, Y軸上ポイントを指定して、3次元ローカル座標系を定義します。各ポイントのX, Y, Z座標のみを使用し、U, V, W座標は無視します。パラメーターのXを指定すると、X軸指定はローカル座標系のX軸上になり、Y軸指定のZ座標のみ使用します。パラメーターのYを指定すると、Y軸指定はローカル座標系のY軸上になり、X軸指定のZ座標のみ使用します。
例:
Local 1, P1, P2, P3
Local 1, P1, P2, P3, X
Local 1, P1, P2, P3, Y
(4) 指定されたローカルの設定を表示します。
L/R パラメーターの使用: ローカル座標系は、前述したように基本的に中点によって定義しますが、オプションのLまたはRを使って座標系の左右を指定することができます。
- 左ローカル: 左ローカルは、ローカル座標系の点、ポイント番号1が、ベース座標系の点、ポイント番号2に一致する位置にローカル座標を定義します。 (Z軸方向も含まれます。)
- 右ローカル: 右ローカルは、ローカル座標系の点ポイント番号3が、ベース座標系の点ポイント番号4に一致する位置に、ローカル座標を定義します。 (Z軸方向も含まれます。)
BaseU パラメーターの使用: BaseUパラメーターを省略すると、設定された4点のXY座標値に適合するようローカル座標系のU軸が自動的に補正されます。したがって、ベース座標系の2点は、最初からU軸座標値を含んでいることもあります。
ローカル座標系のU軸は、自動的に補正するよりも、ティーチングによる回転軸の補正など、ベース座標系の2点のU軸値に基づいて補正を行うことをお勧めします。そのときには、BaseUパラメーターの設定が必要です。
ロボットパラメーターデータは、コントローラー内のコンパクトフラッシュに格納されています。このため、本コマンドを実行するとコンパクトフラッシュへの書き込みが発生します。頻繁なコンパクトフラッシュへの書き込みは、コンパクトフラッシュの寿命に影響します。本コマンド実行を必要最小限にとどめることを推奨します。
注意
水平多関節ロボットの場合、V,Wに対しての設定はしないでください。
水平多関節ロボットを使用する場合、ベース座標系にてV,W座標に数値を設定しないか、"0"を入力してください。設定した場合は、J4での範囲外にエラーなどが発生する場合があります。
参照
ArmSet, Base, ECPSet, LocalClr, TLSet, Where
Local使用例
コマンドウィンドウからの操作例です。
左ローカルでローカル座標系の原点を定義する例:
> p1 = 0, 0, 0, 0/1
> p2 = 100, 0, 0, 0/1
> p11 = 150, 150, 0, 0
> p12 = 300, 150, 0, 0
> local 1, (P1:P11), (P2:P12), L
> p21 = 50, 0, 0, 0/1
> go p21
原点をローカル座標系の原点と定義する例:
> local 1, 100, 200, -20, 0
X軸を45度回転させた原点をローカル座標系の原点と定義する例:
> local 2, 50, 200, 0, 0, 45, 0
P2をローカル座標系のX軸に合わせた位置を3次元ローカル座系の原点と定義する例:
> local 3, p1, p2, p3, x
P3をローカル座標系のY軸に合わせた位置を3次元ローカル座標系の原点と定義する例:
> local 4, p1, p2, p3, y
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