ビジョン用PCの注意点

複数のネットワークアダプターを使用する場合

各ネットワークアダプターが異なるサブネットになるように設定してください。

各アダプターに接続されるGigEカメラは全て同じサブネット上に配置してください。

1枚のネットワークカード上に複数のイーサーネットポートがある場合、各ネットワーク ポートが独立した “複数のネットワークアダプター” と考える必要があります。

使用可能なネットワークアダプター

GigEカメラは、インテル社製のPRO 1000シリーズのNICを搭載するアダプター(Gigabit Ethernet (1000Mbps)対応のものに限る)を使用してください。使用できるネットワークアダプターの詳細は、以下を参照してください。

システム構成

推奨ネットワーク構成

GigEカメラのネットワークと、その他Windowsネットワーク用のイーサーネット通信とを分離することを検討してください。例えば、ロボットコントローラーとビジョン用PCとの接続はUSBで接続し、ロボットコントローラーとビジョン用PCとの間の通信が、ビジョン用PCとGigEカメラ間の通信を阻害しないようにしてください。Windowsの情報系ネットワークとGigEカメラのネットワークを分離するため、複数のネットワークアダプターを搭載することもシステムパフォーマンスの向上に有効です。

キーポイント


GigEカメラはGigabit Ethernet (1000Mbps)対応のネットワークアダプターを使用してください。100Mbps対応のネットワークアダプターは使用できません。

ピアツーピア接続

ネットワーク構成として、各アダプターに対して直接カメラを接続する “ピアツーピア接続” を推奨します。(下図参照)

“ピアツーピア接続” は、各ネットワークが独立しているため各カメラが撮像した画像の転送にネットワーク帯域を十分に利用できます。このため、各カメラの性能を引き出すことができ、システム設計も簡単に行えます。外部トリガーモードで複数のカメラを使用する場合には特に、ピアツーピア接続の利点を有効に活用できます。 しかし、外部トリガーを使用しない場合や、多数のカメラを接続する場合には、次に説明している「ネットワークスイッチ接続」の構成を推奨します。

キーポイント


ピアツーピア接続の場合、各ネットワーク帯域を各カメラが占有できます。しかし、ビジョン用PCに複数のネットワークアダプターを実装する場合、またはマルチポートのネットワークアダプターを使用する場合は、ネットワークアダプターのバス通信速度に注意してください。

一般的なPCIバスの場合、通信速度が133Mバイト/秒となります。PCIバス転送はCPU内の様々なデバイス間通信と共有されているため、GigEカメラ用アダプターのバスとしては不適切です。PCIeを使用したネットワークアダプターを使用してください。

ネットワークスイッチ接続

多くのロボットシステムの場合、「ネットワークスイッチ接続」構成も検討してください。ネットワークスイッチ接続構成の例を以下に示します。

キーポイント


ネットワークスイッチは、Gigabit Ethernet (1000BASE-T準拠)対応の製品を使用できます。GigEカメラにEthernetケーブルを介して電力供給をする場合はIEEE802.3afに準拠した製品を使用してください。

この構成は、カメラ台数が多い場合やGigEカメラとビジョン用PCが離れている場合など特に有効です。しかし、カメラの撮像タイミングが重ならないようにする必要があり、本構成ではシステムパフォーマンスが上げられない場合がありますので、注意してください。

キーポイント


ネットワークスイッチ接続の場合は、複数のカメラに同時にトリガーを入れないようにしてください。同時にトリガーが入ると、画像データが欠落したり、エラーが発生したりすることがあります。このような場合には、複数のカメラをピアツーピア接続で接続するようにしてください。