RecordStart プロパティー
適用
フォースモニターオブジェクト FM#
解説
センサー値やロボットの位置姿勢、ステップIDや測定時間の記録を開始します。
即時実行
はい
用法
FSet Object.RecordStart, rValueD, rValueI
FSet Object.RecordStart, rValueD, rValueI ,sValue$
Object
オブジェクト名
オブジェクトは、FM(数値), FM(ラベル)のどちらかとして指定します。rValueD
プロパティーの新しい値を示す実数、または式rValueI
プロパティーの新しい値を示す実数、または式sValue$
プロパティーの新しい値を示す文字列、または式
値
rValueD (測定時間 単位: [sec])
値 | |
---|---|
最小値 | 1* |
最大値 | 600* |
rValueI (測定間隔 単位: [sec])
値 | |
---|---|
最小値 | 0.002* |
最大値 | 10* |
* ただし、“測定時間÷測定間隔”が30,000以下であること
sValue$
半角文字で最大32文字, 全角文字で最大16文字の英数字, 日本語, アンダースコアが使用できます。
詳細説明
センサー値やロボットの位置姿勢、ステップIDや測定時間の記録を開始するために本プロパティーを使用します。
本プロパティーは、コントローラーがRC+と接続されている場合にのみ使用できます。RC+と接続されていない状態で実行した場合、エラーにならずプログラムは次のステートメントに進みますが、ファイルは作成されません。
測定時間と測定間隔は、“測定時間÷測定間隔”が30,000を超える指定はできません。
本プロパティーは、最大で2件まで同時に実行することが可能です。記録を2つ同時に行う場合は、フォースモニターやフォースガイドシーケンスの実行は停止してください。
あるロボットに対してあるフォースモニターオブジェクトを指定して開始した記録中に、同じロボットに対して同じフォースモニターオブジェトを使用した記録を開始することはできません。記録を2つ同時に行う場合は、異なるフォースモニターオブジェクトを使用してください。
本プロパティーは、フォースコントロールモニターと同時に使用することはできません。
本プロパティーは、タスクが終了するか、測定時間に到達するか、RecordEndプロパティーを実行したとき、記録を停止します。
記録するファイル名をsValue$で指定することができます。拡張子は自動的に設定されるため不要です。sValue$を省略する場合は、指定したFMオブジェクトのラベルと開始時刻から自動的にファイル名がつけられます。
形式:
FMオブジェクトのラベル_時刻(年月日)_時刻(時分 秒 ミリ秒).csv
- 例 : FMオブジェクトのラベル: MyFMLabel
開始時刻: 2017 年1 月2 日3 時4 分5 秒006 ミリ秒
MyFMLabel _170102_030405006.csv
ファイル形式:
保存されるファイルは、CSV形式です。次の情報が記録されます。
- 1行目 : ファイルのヘッダー情報の項目名
- 2行目 : ファイルのヘッダー情報
- 3行目 : データ部の項目名
- 4行目以降 : 実際の値
- 最終行の1行前 : フッター情報の項目名
- 最終行 : ファイルのフッター情報
フォースモニターの保存や、フォースガイドシーケンスの実行時に保存されるファイルも、同様のファイル形式です。
ファイルのヘッダー情報:
Start Time, File Type, File Version, Channel, Mode, Duration[sec], Interval[sec], Robot No, Robot Name, Sensor No, Sensor Serial, Sensor Label, FM No, FM Label, FCS No, FCS Label, Seq No, Seq Name, RobotLocal
データ部:
ElapsedTime[msec], Fx Force[N], Fy Force[N], Fz Force[N], Tx Force[N・mm], Ty Force[N・mm], Tz Force[N・mm], Fmag Force[N], Tmag Force[N・mm], CurPos(X)[mm], CurPos(Y)[mm], CurPos(Z)[mm], CurPos(U)[deg], CurPos(V)[deg], CurPos(W)[deg], RefPos(X)[mm], RefPos(Y)[mm], RefPos(Z)[mm], RefPos(U)[deg], RefPos(V)[deg], RefPos(W)[deg], Diff(X)[mm], Diff(Y)[mm], Diff(Z)[mm], TCPSpeed[mm/sec], TCPSpeed(X)[mm/sec], TCPSpeed(Y)[mm/sec], TCPSpeed(Z)[mm/sec], Joint(J1)[deg], Joint(J2)[deg], Joint(J3)[deg], Joint(J4)[deg], Joint(J5)[deg], Joint(J6)[deg], OLRate(J1), OLRate(J2), OLRate(J3), OLRate(J4), OLRate(J5), OLRate(J6), FCOn, StepID, Seq No, Object No, Time
ファイルのフッター情報
EndTime, EndCondition, ErrorNo, ErrorMessage
項目 | 単位 | 説明 | |
---|---|---|---|
Start Time | - | 測定を開始した時間です。年/月/日 時:分:秒:ミリ秒で記録されます。 | |
File Type | - | ファイルの種類です。Motionと記載されます。 | |
File Version | - | ファイルのバージョンです。 | |
Channel | - | データの出力で使用したチャンネル番号です。“1”または”2”で記録されます。 | |
Mode | - | 記録を行ったモードです。次の情報が記録されます。 0: フォースモニターの記録を示します。 1: RecordStartプロパティーの記録を示します。 2: フォースガイドシーケンス実行の記録を示します。 | |
Duration | sec | 測定時に指定した測定時間です。 | |
Interval | sec | 測定時に指定した測定間隔です。 | |
Robot No | - | 測定するロボットの番号です。 | |
Robot Name | - | 測定するロボットの名前です。 | |
Sensor No | - | 測定する力覚センサーの番号です。 | |
Sensor Serial | - | 測定する力覚センサーのシリアル番号です。 | |
Sensor Label | - | 測定する力覚センサーに設定したラベルです。 | |
FM No | - | 指定したフォースモニターオブジェトの番号です。 | |
FM Label | - | 指定したフォースモニターオブジェクトのラベルです。 | |
FCS No | - | 指定したフォース座標系オブジェトの番号です。 | |
FCS Label | - | 指定したフォース座標系オブジェトのラベルです。 | |
Seq No | - | フォースガイドシーケンスで実行したシーケンスの番号です。 | |
Seq Name | - | フォースガイドシーケンスで実行したシーケンスの名前です。 | |
RobotLocal | - | 指定したフォースモニターオブジェクトのRobotLocalプロパティーの値です。 | |
ElapsedTime | msec | 測定開始からの経過時間です。 | |
Fx Force ~ Fz Force Tx Force ~ Tz Force | N N・mm | フォース座標系における各軸のセンサー値です。 | |
Fmag Force | N | フォース座標系における合成力です。 | |
Tmag Force | N・mm | フォース座標系における合成トルクです。 | |
CurPos(X) ~ CurPos(Z) CurPos(U) ~ CurPos(W) | mm deg | ロボットの位置制御と力制御を含む指令位置です。 | |
RefPos(X) ~ RefPos(Z) RefPos(U) ~ RefPos(W) | mm deg | ロボットの位置制御のみの指令位置です。 | |
Diff(X) ~ Diff(Z) | Mm | ロボットの位置制御と力制御を含む指令位置と、位置制御のみの指令位置の差分です。力制御機能による補正量を表します。 | |
TCPSpeed | mm/sec | ロボットのベース座標系におけるツール先端速度です。 詳細は、次のマニュアルを参照してください。 "Epson RC+ 8.0 SPEL+ ランゲージリファレンス" TCPSpeed関数 Note: TCPSpeed関数と異なり、PTP動作中も測定されます。 | |
TCPSpeed(X) ~ TCPSpeed(Z) | mm/sec | ロボットのベース座標系におけるツール先端速度の各軸方向の成分です。 | |
Joint(J1) ~ Joint(J6) | deg | ロボットの各関節の角度です。 スカラ型ロボットの場合、J5, J6は、常に“0”になります。 | |
OLRate(J1) ~ OLRate(J6) | - | ロボットの各関節の過負荷率です。 詳細は、次のマニュアルを参照してください。 "Epson RC+ 8.0 SPEL+ ランゲージリファレンス" OLRate スカラ型ロボットの場合、J5, J6は、常に“0”になります。 | |
FCOn | - | ロボットの力制御機能の実行状態です。 次の情報が記録されます。 1: 力制御機能を実行している場合 0: 力制御機能を実行していない場合 | |
StepID | - | StepIDプロパティーで設定した値です。 | |
Seq No | - | フォースガイドシーケンスで実行したシーケンスの番号です。 | |
Object No | - | フォースガイドシーケンスで実行したオブジェクトの番号です。 | |
Time | - | データを測定した時間です。年/月/日 時:分:秒:ミリ秒で記録されます。 | |
EndTime | - | 測定を終了した時間です。年/月/日 時:分:秒:ミリ秒で記録されます。 | |
EndCondition | - | 測定を終了した理由です。 各状態によって、以下のように表示されます。 | |
指定した測定時間を経過した (フォースモニターでは、600秒経過した場合) | Duration elapsed | ||
測定時間を経過する前に、記録の停止指示を実行した | End executed property | ||
測定時間を経過する前に、フォースモニターを停止した | Stop requested | ||
記録中にSPELプログラムをビルド、またはリビルドした | Build executed | ||
記録の停止指示を実行せずにプロジェクトが終了した | Task ended | ||
記録中にエラーが発生した | Error occurred | ||
ErrorNo | - | エラー番号です。 エラーが発生して、測定が終了した場合に、記録されます。 | |
ErrorMessage | - | エラーメッセージです。 エラーが発生して、測定が終了した場合に、記録されます。 |
使用例
センサー1のログ取得開始 (100msec周期で1分間) から取得停止する例です。
Function Test_Record
FSet FM1.ForceSensor, 1
FSet FM1.RecordStart, 60, 0.1
…
FSet FM1.RecordEnd
Fend
取得した例は、次のとおりです。
Start Time, File Type, File Version, Channel, Mode, Duration[sec], Interval[sec], Robot No, Robot Name, Sensor No, Sensor Serial, Sensor Label, FM No., FM Label, FCS No., FCS Label, Seq No, Seq Name, RobotLocal
2018/03/15 13:42:54:261, Motion, 1, 1, 1, 60, 0.1, 1, rb001, 1, AAAAA00001, VirtualSensor1, 1, fm001, 1, fcs001, 0, (空), 0
ElapsedTime[msec], Fx_Force[N], Fy_Force[N], Fz_Force[N], Tx_Force[N・mm], Ty_Force[N・mm], Tz_Force[N・mm], Fmag_Force[N], Tmag_Force[N・mm], CurPos(X)[mm], CurPos(Y)[mm], CurPos(Z)[mm], CurPos(U)[deg], CurPos(V)[deg], CurPos(W)[deg], RefPos(X)[mm], RefPos(Y)[mm], RefPos(Z)[mm], RefPos(U)[deg], RefPos(V)[deg], RefPos(W)[deg], Diff(X)[mm], Diff(Y)[mm], Diff(Z)[mm], TCPSpeed[mm/sec], TCPSpeed(X)[mm/sec], TCPSpeed(Y)[mm/sec], TCPSpeed(Z)[mm/sec], Joint(J1)[deg], Joint(J2)[deg], Joint(J3)[deg], Joint(J4)[deg], Joint(J5)[deg], Joint(J6)[deg], OLRate(J1), OLRate(J2), OLRate(J3), OLRate(J4), OLRate(J5), OLRate(J6), FCOn, StepID, Seq No, Object No, Time
0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 565, 720, 0, -90, -90, 0, 565, 720, 0, -90, -90, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 2018/03/15 13:42:54:261
100, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 565, 720, 0, -90, -90, 0, 565, 720, 0, -90, -90, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 2018/03/15 13:42:54:361
(上記記載の後、実際の値が続けて記録されます。)
参照
フォースモニターオブジェクトFM#