テスト

[テスト]画面では、テストモードでプログラムが検証できます。
テストモードは、イネーブルスイッチをオンにし、セーフガードが開いている状態で、プログラム検証を行うモードです。安全規格に定義されている低速プログラム検証機能 (T1: 手動減速モード)です。
このモードでは、指定されたFunctionを、マルチタスク/シングルタスク、マルチマニピュレータ/シングルマニピュレータで、低速に実行できます。
[テスト]画面を表示するには、モード切替キースイッチを“TEACH/T1”へ切り替え、メニューから、[テスト]をタップします。この状態がテストモードとなります。

メニューボタンのアイコンをタップすると[タスクモニター], [I/Oモニター]の各画面が表示されます。表示される画面の詳細は、以下を参照してください。
ツール

実行中は操作できません。実行開始前か一時停止中に画面を表示しておいてください。

シングルタスクプログラム検証

シングルタスクプログラム検証は、ロボットと周辺機器との動作を検証するために、セーフガードが開いている状態で、シングルタスクを実行し、シングルロボット/マルチロボットを動作 (サイクル実行/ステップ実行)させてプログラム検証を行う機能です。Functionを指定し、ロボットを速度制限内で実行することができます。

プログラムの実行:
[開始]ボタンをタップ後、操作ボタン (継続実行, ステップイン, ステップオーバー, Walk)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。

プログラムの一時停止:
イネーブルスイッチをオフにするか、または[Exe]キーを離します。動作中のロボットが、停止します。(Quick Pause)

プログラムの再開:
操作ボタン (継続実行, ステップイン, ステップオーバー, Walk)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。一時停止位置からプログラムが再開します。

プログラム実行の中断:
非常停止スイッチを押します。エラーが発生した場合もプログラムの実行は中断します。動作中のロボットが、停止します。(Quick Pause)

セーフガードの開閉状態によるプログラムの一時停止:
セーフガードの開閉状態の変化により、実行中のプログラムは一時停止します。動作中のロボットが、即座に停止します。(Quick Pause)

セーフガードの開閉状態による一時停止位置からのプログラムの再開:
セーフガードインターロックのラッチ状態を解除します。その後、操作ボタン (継続実行, ステップイン, ステップオーバー, Walk)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。

警告


  • プログラム検証を行う場合は、事前に、Epson RC+のデバッグ機能を使ってロボットシステムが正しく稼動することを確認してください。

    Epson RC+のデバッグ機能は、以下のマニュアルを参照してください。

    “Epson RC+ ユーザーズガイド”

    デバッグが不十分な場合、ロボットが想定外の動作を行い、非常に危険で重傷や重大な損害を与える可能性があります。

  • プログラム検証の前に、作業者は必ずロボットの動作範囲から出てください。 プログラムの検証を行うと、ロボットが自動的に動作を開始し、非常に危険で重傷や重大な損害を与える可能性があります。

注意


  • 周辺機器との干渉など異常が予測される場合は、直ちに[Exe]キーを離してロボットを停止させてください。また、イネーブルスイッチをオフするか、さらに強く押し込むことでもロボットは停止します。
  • プログラム修正を行った場合は、次の点を遵守してください。
    動力を供給する前に、ソフトウェアの変更部分を確認する。
    ロボットシステムが正しく稼動するかどうか機能試験を行う。

[テスト]画面では、プログラムの変更はできません。変更する場合は、[プログラミング]画面で行ってください。
参照: プログラミング
ポイントデータを変更する場合は、次の操作を行ってください。
[ジョグ&ティーチ]画面でティーチングを行う。
参照: ジョグ&ティーチ
[プログラミング]画面でポイントデータ編集を行う。
参照: プログラミング

シングルタスクプログラム検証中のタスクの動作:
バックグラウンドタスクは、テストモードへのモード切り替え時に停止します。
TEACHモードへのモード切り替え時に、再開します。

イベントとタスクの動き

イベント タスクタイプ バックグラウンドタスク
通常 (Normal) NoPause NoEmgAbort
イネーブルスイッチ オフ 一時停止 *1 *1 *2
[Exe]キー オフ 一時停止 *1 *1 *2
セーフガード開/閉状態変化 一時停止 *1 *1 *2
テスト中のエラー発生 中断 *1 *1 *2
非常停止 中断 *1 *1 *2
キースイッチの切り替え 中断 *1 *1 *2

*1 Xqt タスクタイプ (NoPause, NoEmgAbort)は実行できません。該当タスクを指定した場合、通常タスクとしてプログラム検証を行います。
*2 バックグラウンドタスクを指定した場合、通常タスクとしてプログラム検証を行います。

指定可能なFunction:
ソース隠蔽していないFunction

ロボット動作速度の指定 (T1モードの場合):
プログラム検証時、ロボットは、常にローパワーモードで動作します。

  • ローパワーモード: 250 mm/sec以下の速度, モーターパワー出力を低く制限

[速度]で、ローパワーモードの範囲内で速度を変更できます。

  • 低速: ローパワーモードの25%の速度
  • 中速: ローパワーモードの50%の速度
  • 高速: ローパワーモードの100%の速度

注意


速度が早いほど、非常停止時や、一時停止時のロボットの停止距離が伸びます。周辺機器との干渉が予想されるロボット動作を行う場合は、停止距離を考慮し、速度を下げてプログラム検証を行ってください。
暗号化されているプログラムファイルに含まれるFunctionは指定できません。

実行制限される関数, コマンド:
Power High: T1モード パワーモードは、常に“Low”です。指定関数は、実行しません。T2モード 指定関数が実行可能です。

TRAP 条件成立した場合でも、対応するタスクは実行しません。
XQT エラーを発生し、プログラム実行を中止します。
INPUT コンソールからの入力は、エラーを発生し、プログラム実行を中止します。
PRINT #20 ティーチペンダントへの出力は、エラーを発生し、プログラム実行を中止します。

以下のように使用すると、テストモード時、実行制限される関数、コマンドを呼び出さないようにできます。
Integer A
If Stat(0) And &H4000000 Then ‘Testモードかどうかを判定する
A = 1 ‘Testモードの場合は仮の値
Else
Input A ‘Autoモードの場合はInputを使用
EndIf

マルチタスクプログラム検証

マルチタスクプログラム検証は、ロボットと周辺機器との動作を検証するために、セーフガードが開いている状態で、マルチタスクを実行し、シングルロボット/マルチロボットを動作 (サイクル実行)させてプログラム検証を行う機能です。
Functionを指定し、ロボットを速度制限内で実行可能です。

プログラムの実行:
開始ボタンをタップ後、操作ボタン (継続実行)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。

プログラムの一時停止:
イネーブルスイッチをオフにするか、または[Exe]キーを離します。動作中のロボットが、停止します。 (Quick Pause)

プログラムの再開:
操作ボタン (継続実行)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。一時停止位置からプログラムが再開します。

プログラム実行の中断:
非常停止スイッチを押します。エラーが発生した場合もプログラムの実行は中断します。動作中のロボットが、停止します。(Quick Pause)

セーフガードの開閉状態によるプログラムの一時停止:
セーフガードの開閉状態の変化により、実行中のプログラムは一時停止します。動作中のロボットが、即座に停止します。(Quick Pause)

セーフガードの開閉状態による一時停止位置からのプログラムの再開:
セーフガードインターロックのラッチ状態を解除します。その後、操作ボタン (継続実行)をタップし確認画面が表示された状態で、イネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。

警告


  • プログラム検証を行う場合は、事前に、Epson RC+のデバッグ機能を使ってロボットシステムが正しく稼動することを確認してください。

    Epson RC+のデバッグ機能は、以下のマニュアルを参照してください。

    “Epson RC+ ユーザーズガイド”

    デバッグが不十分な場合、ロボットが想定外の動作を行い、非常に危険で重傷や重大な損害を与える可能性があります。

  • プログラム検証の前に、作業者は必ずロボットの動作範囲から出てください。

    プログラムの検証を行うと、ロボットが自動的に動作を開始し、非常に危険で重傷や重大な損害を与える可能性があります。

注意


  • 周辺機器との干渉など異常が予測される場合は、直ちに操作キー (継続実行)を離してロボットを停止させてください。また、イネーブルスイッチをオフするか、さらに強く押し込むことでもロボットは停止します。
  • プログラム修正を行った場合は、次の点を遵守してください。
    • 動力を供給する前に、ソフトウェアの変更部分を確認する。
    • ロボットシステムが正しく稼動するかどうか機能試験を行う。

[テスト]画面では、プログラムの変更はできません。変更する場合は、[プログラミング]画面で行ってください。
参照: プログラミング

ポイントデータを変更する場合は、次の操作を行ってください。
[ジョグ&ティーチ]画面でティーチングを行う。
参照: ジョグ&ティーチ

[プログラミング]画面でポイントデータ編集を行う。
参照: プログラミング

マルチタスクプログラム検証中のタスクの動作:
バックグラウンドタスクは、テストモードへのモード切り替え時に停止します。マルチタスクプログラム検証開始時に自動起動し、指定した通常タスクと共にプログラム検証を行います。
バックグラウンドタスクはマルチタスクプログラム検証停止時に停止します。TEACHモードへのモード切り替え時に、再開します。

イベントとタスクの動き

イベント タスクタイプ バックグラウンドタスク
通常 (Normal) NoPause NoEmgAbort
イネーブルスイッチ オフ 一時停止 一時停止 継続 継続
[Exe]キー オフ 一時停止 一時停止 継続 継続
セーフガード開/閉状態変化 一時停止 一時停止 継続 継続
テスト中のエラー発生 中断 中断 中断 中断
非常停止 中断 中断 継続 中断
キースイッチの切り替え 中断 中断 中断 中断/再開

指定可能なFunction:
ソース隠蔽していないFunction

ロボット動作速度の指定 (T1モードの場合):
プログラム検証時、ロボットは、常にローパワーモードで動作します。

  • ローパワーモード: 250 mm/sec以下の速度, モーターパワー出力を低く制限

[速度]で、ローパワーモードの範囲内で、速度を変更できます。

  • 低速: ローパワーモードの25%の速度
  • 中速: ローパワーモードの50%の速度
  • 高速: ローパワーモードの100%の速度

注意


速度が早いほど、非常停止時や、一時停止時のロボットの停止距離が伸びます。周辺機器との干渉が予想されるロボット動作を行う場合は、停止距離を考慮し、速度を下げてプログラム検証を行ってください。
暗号化されているプログラムファイルに含まれるFunctionは指定できません。

実行制限される関数, コマンド:
Power High:
T1モード パワーモードは、常に“Low”です。指定関数は実行しません。
T2モード 指定関数が実行可能です。
INPUT:
コンソールからの入力は、エラーを発生し、プログラム実行を中止します。
PRINT #20:
ティーチペンダントへの出力は、エラーを発生し、プログラム実行を中止します。

以下のように使用すると、テストモード時、実行制限される関数、コマンドを呼び出さないようにできます。
Integer A
If Stat(0) And &H4000000 Then ‘Testモードかどうかを判定する
A = 1 ‘Testモードの場合は仮の値
Else
Input A ‘Autoモードの場合はInputを使用
EndIf

テストモード操作方法

テストモードで、“シングルタスク/マルチタスク”を選択します。
ファイルを開く:
プロジェクト/をタップしてプログラム一覧を表示します。
ツリー表示された[プログラムファイル]からプログラムファイルを選択、ファイル名をタップします。プログラムは編集できません。
プログラムの検証:
[ファンクション]リストから実行したい“ファンクション”を選択し、[開始]ボタンをタップしてタスクを開始します。そして、操作ボタン (継続実行, ステップイン, ステップオーバー, Walk)をタップすると確認画面が表示されます。その状態でイネーブルスイッチをオンにして[Exe]キーを押します。一部の動作を実行して確認したい場合は、プログラムにブレークポイントを設定し、一時停止した後、[ステップイン], [ステップオーバー], [Walk] ボタンで一部を実行します。左側の行番号の部分をタップすると、ブレークポイントの設定と解除ができます。

項目 解説
開始 タスクを実行します。
停止 動作中のタスクを停止します。
継続実行 一時停止中のタスクでは、現在の行から実行します。
ステップイン

一時停止中のタスクの現在の行を実行し、次の行で停止します。

次の行がファンクション呼び出しの場合、呼び出し先ファンクションの先頭で停止します。

シングルタスクプログラム検証時、使用可能です。

ステップオーバー

一時停止中のタスクの現在の行を実行し、次の行で停止します。次の行がファンクション呼び出しの場合、呼び出し先ファンクションは、すべて実行された後に停止します。

シングルタスクプログラム検証時、使用可能です。

Walk

次の動作命令、または出力命令がある行まで実行し、停止します。出力命令で停止するかどうかは、Epson RC+で設定します。

シングルタスクプログラム検証時、使用可能です。