架台
マニピュレーターを固定するための架台は、お客様が製作してください。
ロボットシステムの用途によって架台の形状や大きさなどが異なります。ここでは架台設計時の参考として、マニピュレーター側からの条件を示します。
架台は、単にマニピュレーターの質量に耐えるだけでなく、最大加減速度で動作した場合の動的な作用にも耐える必要があります。梁などを多く設け、十分な強度をもたせてください。
以下にマニピュレーターの動作によって発生するトルクおよび反力を示します。
- 水平面最大トルク:400 N · m(RS4-C351*), 700 N · m(RS6-C552*)
- 水平方向最大反力:1100 N(RS4-C351*), 1900 N(RS6-C552*)
- 垂直方向最大反力:1200 N(RS4-C351*), 1000 N(RS6-C552*)
架台のマニピュレーター取付用ねじ穴は、M6です。
マニピュレーターを取りつけるボルトは、強度がISO898-1 property class 10.9または12.9相当のものを使用してください。寸法は、以下を参照してください。
各部名称と外形寸法
マニピュレーターの取付寸法
マニピュレーター取付面の板は、振動を抑制するために、鉄製で厚さ20 mm以上のものを推奨します。表面粗さは最大高さで25 μm以下が適切です。
架台は外部 (床や壁)に固定し、動かないようにしてください。
マニピュレーター取付面は、平面度は0.5 mm以下、傾きは0.5°以下にしてください。設置面の平面度が悪いと、ベースの破損や、ロボットの性能が十分発揮できない場合があります。
架台の高さ調整を行うためにレベラーを使用する場合は、径がM16以上のねじを使用してください。
架台に穴を設けてケーブルを通す場合は、下図のコネクター寸法を参照してください。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | M/Cケーブルフード |
| b | シグナルコネクター |
| c | M/Cパワーケーブル |
| d | パワーコネクター |
| シグナルコネクター | パワーコネクター(ストレート) | パワーコネクター(L アングル) |
|---|---|---|
(単位: ㎜)
M/Cケーブルは、マニピュレーター本体に取りつけられています。取りはずすことはできません。また、無理に取りはずさないでください。
架台にメンテナンス窓が設けられていない場合は、メンテナンスを行うときに、マニピュレーターを架台から取りはずす必要があります。架台を設計するときには、メンテナンス性についても考慮してください。
コントローラーを架台に納める場合の環境条件 (スペースについての条件)は、以下のマニュアルを参照してください。
"コントローラーマニュアル"
架台設計例
以下は、RS3を最大加減速度で動かした場合に、RS3の振動に影響を与えないように剛性を確保した架台の設計例です。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | メンテナンス窓 * |
| b | 作業面高さ |
| c | コントローラー設置スペース |
| d | アジャスターボルト |
| e | 第1関節 回転中心 |
*: アーム1カバーをはずせるスペースを設けること
架台質量 : 約 300 kg
フレーム部材 : 鉄管 □100 × 50 mm 肉厚3.2 mm
アジャスターボルト : M36
断面二次モーメント (断面A-A部) : Ix = 1.2×109mm4
Iy = 1.2×109 mm4
- 架台高さと幅のアスペクト比を小さくしてください。
- コントローラーなどは架台の下側に設置し、架台の重心位置を低くしてください。
- 開口部は梁などで補強し、できるだけ小さくしてください。
- 架台の高 さや幅, 梁の位置, 重心位置などにより、条件は異なります。
ベース用スペースの例
RSシリーズとN2シリーズのどちらでも設置を可能にするためのベース用のスペース例です。
位置決め穴や取付穴に干渉しない範囲で、下記のように架台を設計してください。
縦: 140 mm以上
横: 基準穴より131 mm以上、および69.6 mm以上
[単位: mm]
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| A | 取付穴 |
| B | 位置決め穴 |
| C | マニピュレーターカバー外形 |
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