安全出力

安全出力の概要と動作パターン

安全出力は、安全I/Oコネクターの安全出力に接続されている安全機器に対し、ロボットコントローラーの安全機能に関係する情報を出力する機能です。
ロボットコントローラーの安全出力は、3つのポートがあります。
以下が、安全出力に割り当てできる情報です。

  • STO命令を発行中かどうか
  • 非常停止スイッチOn/Off (非常停止コネクター接続の非常停止スイッチ、ティーチペンダントに付帯する非常停止スイッチ)
  • イネーブルスイッチOn/Off
  • 安全速度監視(SLS)の有効/無効 (SLS_1,SLS_2,SLS_3,SLS_T,SLS_T2)
  • 安全位置監視(SLP)の有効/無効 (SLP_A,SLP_B,SLP_C)

安全出力の1つのポートに、安全機能に関係する情報を、複数割り当てることができます。複数割り当てた場合は、STO命令発行中(信号レベルはLow)、非常停止On(信号レベルはLow)、イネーブルスイッチOff(信号レベルはLow)、安全速度監視(SLS)が有効(信号レベルはLow)、安全位置監視(SLP)が有効(信号レベルはLow)のいずれかが発生していれば、安全出力の信号レベルはLowになります。

安全出力の状態と出力信号レベル
STO命令を発行中かどうかが割り当てられた安全出力からは、STO命令発行中であればLowレベル、STO命令を発行していなければHighレベルの信号が出力されます。

安全出力への割り当て 出力信号レベル
STO命令 High Low
標準機能 STO 命令を発行していない 命令発行中

非常停止スイッチのOn/Offが割り当てられた安全出力からは、スイッチOnであればLowレベル、スイッチOffであればHighレベルの信号が出力されます。

安全出力への割り当て 出力信号レベル
非常停止スイッチ High Low
標準機能 EP_RC* スイッチOff スイッチOn
EP_TP* スイッチOff スイッチOn

*: EP_RC: 非常停止コネクター接続の非常停止スイッチ, EP_TP: ティーチペンダントに付帯する非常停止スイッチ

イネーブルスイッチのOn/Offが割り当てられた安全出力からは、スイッチOffであればLowレベル、スイッチOnであればHighレベルの信号が出力されます。

安全出力への割り当て 出力信号レベル
イネーブルスイッチ High Low
標準機能 EN_SW

スイッチOn

(中間ポジション)

スイッチOff

(中間ポジション以外)

注意


SLSおよびSLPは、監視機能が有効になっているかどうかの出力になります。

マニュピレータ―が速度超過したり、領域に侵入したりしても信号は切り替わりません。そのため、速度超過したり領域に入ったことをトリガにする場合は、STO出力信号も一緒に使用してください。

安全速度監視(SLS)の有効/無効が割り当てられた安全出力からは、安全速度監視(SLS)が有効であればLowレベル、無効であればHighレベルの信号が出力されます。

安全出力への割り当て 出力信号レベル
安全速度監視(SLS) High Low
標準機能 SLS_T 監視無効 監視有効
SLS_T2
安全機能オプション SLS_1 監視無効 監視有効
SLS_2
SLS_3

安全位置監視(SLP)の有効/無効が割り当てられた安全出力からは、安全位置監視(SLP)が有効であればLowレベル、無効であればHighレベルの信号が出力されます。

安全出力への割り当て 出力信号レベル
安全位置監視(SLP) High Low
安全機能オプション SLP_A 監視無効 監視有効
SLP_B
SLP_C

安全機能の情報インプットから安全出力信号が出るまでの時間