ソフト軸制限
ソフト軸制限の概要と動作パターン
ソフト軸制限機能は、ロボットの関節動作範囲を監視する機能です。ロボットの各軸の回転角度、または上下移動のいずれかが、各軸の動作範囲を超えた場合は、ロボットの非常停止およびSTOを実行し、ロボットを停止します。安全機能による停止時のロボットコントローラーの状態・表示・通知については、以下を参照してください。
操作 モードとソフト軸制限の有効化/無効化
操作モードがAUTO, TEST T1, TEST T2の場合は、ソフト軸制限は常に有効です。
操作モードがTEACHの場合は、ソフト軸制限は常に無効です。
ソフト軸制限 | 操作モードごとの有効化/無効化 A: 常に有効化 -: 常に無効化 | |||
---|---|---|---|---|
AUTO | TEACH | TEST T1 | TEST T2 | |
標準機能 | A | - | A | A |
ソフト軸制限とSTO命令の関係図
ロボットの各軸の回転角度、または上下移動のいずれかが、動作範囲を超えたことを検知した場合は、ロボットの非常停止およびSTOを実行し、ロボットを停止します。安全機能による停止時のロボットコントローラーの状態・表示・通知については、以下を参照してください。
マニピュレーターの動作範囲
スカラ型マニピュレーターでは、第1関節(回転), 第2関節(回転), 第3関節(上下), 第4関節(回転)全てが、ソフト軸制限で監視する対象です。
6軸型マニピュレーターでは、第1関節 (回転), 第2関節 (回転), 第3関節 (回転), 第4関節 (回転), 第5関節 (回転), 第6関節 (回転)全てが、ソフト軸制限で監視する対象です。
ロボットの各軸の回転角度、または上下運動の動作範囲は、ロボットモデルそれぞれで規定されるパルスレンジ以下の値を設定できます。設定可能なパルスレンジは、以下のマニュアルを参照してください。
"マニピュレーターマニュアル - 動作エリア設定"
動作範囲の設定は、安全機能マネージャーで行ないます。
注意
安全機能マネージャーで設定する動作範囲は、”Epson RC+ ユーザーズガイド”に掲載の”動作レンジ設定”で設定する各種設定パラメーターとは連動しません。整合するように設定してください。
メカストッパーとソフト軸制限を併用する場合
ソフト軸制限のみを使用する場合
警告
ロボットの動作エリアを制限してロボットシステムを設計する場合は、ソフト軸制限での制限、または、メカストッパーによる制限を行ってください。ただし、ロボットの安全規格の要求により、1軸のメカストッパーは、ソフト軸制限に置き換えできません。 メカストッパーによる制限は、以下のマニュアルを参照してください。
"マニピュレーターマニュアル"
ロボットの速度が、安全速度監視(SLS)によって制限されている場合は、制限領域は、安全速度監視(SLS)で設定された速度から算出される停止距離に基づいて、決定できます。安全速度監視(SLS)の機能を利用しない場合は、ロボットの最大速度から算出される停止距離を考慮し、制限領域を決定してください。
メカストッパーとソフト軸制限を併用する場合は、メカストッパーが制限となるため、停止距離を考慮して動作範囲を設定する必要はありません。
ソフト軸制限のみ使用する場合は、停止距離を考慮して動作範囲を設定してください。停止距離は、以下のマニュアルを参照してください。
"マニピュレーターマニュアル - Appendix B: 非常停止時の停止時間と停止距離"
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