Accel

Go, Jump, Pulse などのPTP動作の加減速度の設定と表示をします。

書式
Accel 加速設定値, 減速設定値 [, 退避加速設定値, 退避減速設定値, 接近加速設定値, 接近減速設定値]

パラメーター

加速設定値
最大加速度に対する割合を1以上の整数で指定します。(単位: %)
減速設定値
最大減速度に対する割合を1以上の整数で指定します。(単位: %)
退避加速設定値
Jump時における退避加速度を1以上の整数で指定します。省略可能です。Jumpコマンド時のみ設定可能です。
退避減速設定値
Jump時における退避減速度を1以上の整数で指定します。省略可能です。Jumpコマンド時のみ設定可能です。
接近加速設定値
Jump時における接近加速度を1以上の整数で指定します。省略可能です。Jumpコマンド時のみ設定可能です。
接近減速設定値
Jump時における接近減速度を1以上の整数で指定します。省略可能です。Jumpコマンド時のみ設定可能です。

結果
パラメーターが省略されたときは、現在のAccelパラメーターが返されます。

解説
AccelはあらゆるPTP動作 (Go, Jump, Pulse などの命令によって起こる動作)の加減速度を設定します。

Accelが設定する加減速度パラメーターは、1以上の整数値で設定します。この数値は、最大加速度 (または減速度)に対する割合を示します。通常100が最大値となりますが、100を越える設定が可能なロボットがあります。AccelMax関数はAccel設定できる最大値を返します。

Accelは、新たに加減速度を設定するときや、単に現在の設定値を出力するときなどに使います。新たに加速度や減速度を設定してAccelを使う場合、最初の2つのパラメーター (加速設定値と減速設定値)が必要です。

退避加速設定値, 退避減速設定値, 接近加速設定値, 接近減速設定値の4パラメーターは、Jump命令のみ有効で、省略可能です。これらのパラメーターは、Jump動作開始時の退避動作とJump動作終了時の接近動作の、それぞれの加速設定値と減速設定値を指定します。

下記のいずれかの場合、Accel値は、初期化されます。

  • コントローラー電源 オン
  • Motor On実行
  • SFree, SLock, Brake 実行
  • Reset, Reset Error実行
  • 停止ボタン, Quit All実行などによるタスクの終了

注意


ローパワーモード (Power Low)でAccelコマンドを実行するとき

ローパワーモード (Power Low) 時にAccelを実行するときは、新しい値は保存されますが、現在値は低く制限されます。TEACHモードがOFFで、パワーがHighに設定されているとき、Accelは有効になります。

Accel と AccelSの違い

Accel命令は、直線や円弧動作の加減速度を設定するものではありません。一方、AccelS 命令は、直線や円弧動作について加減速度を設定します。

100を越えるAccel設定

Accel設定は通常100が最大値となりますが、100以上の値が設定可能な機種があります。通常の使用においてはAccel設定値100が加減速度と位置決め時の振動とのバランスをとった最適な設定になっています。しかし、動作条件によっては、位置決め時の振動を小さくすることより、加減速度を上げてサイクルタイムの向上を優先したい場合があります。そのような場合には、Accel設定値に100以上の値を設定してください。ただし、動作条件によっては100以上の値を設定した場合でもサイクルタイムに変化がみられないことがあります。


参照
AccelR, AccelS, Go, Jump, Jump3, Power, Pulse, Speed, TGo

Accel使用例
下記は、AccelとSpeedを使った簡単な動作プログラム例です。AccelとSpeedには、あらかじめ定義された変数が使われています。

[例1]

Function acctest
  Integer slow, accslow, decslow, fast, accfast, decfast

  slow = 20     '低速度の設定
  fast = 100    '高速度の設定
  accslow = 20  '低加速度の設定
  decslow = 20  '低減速度の設定
  accfast = 100 '高加速度の設定
  decfast = 100 '高減速度の設定

  Accel accslow, decslow
  Speed slow
  Jump pick
  On gripper
  Accel accfast, decfast
  Speed fast
  Jump place
  .
  .
  .
Fend

[例2]

Jump命令時、パーツをていねいに あつかうように第3関節の下降減速度を遅くする例です。このような例では、Accel設定時に第3関節下降減速設定値パラメーターを低く設定することが必要です。

>Accel 100,100,100,100,100,35

>Accel
    100     100
    100     100
    100     35
>