Arm
アームの選択と、現在選択されているアーム番号の表示をします。
書式
(1) Arm アーム番号
(2) Arm
パラメーター
- アーム番号
- 整数値、または式で指定します。有効値範囲は、0~15で、16個までの異なるアームを選択できます。アーム0は、標準 (デフォルト設定)のロボットアームです。アーム1~15は、ArmSetによって定義される増設アームです。省略可能で、省略したときには、現在のアーム番号が表示されます。
結果
パラメーターの設定なしでArm命令が実行されると、現在選択されているアーム番号が表示されます。
解説
どのアームでロボット命令を実行するか指定します。Armで増設アームにポジションデータを共用させることができます。増設アームの設定がない場合は、標準アーム (アーム番号0)が作動します。出荷時にはアーム番号は"0"に設定されていますので、増設アームがない場合は設定を変更する必要はありません。しかし、増設アームを使う場合は、ArmSetにより、最初に設定してください。
実際のロボット構成が標準的な構成とは異なる場合でも、増設アームは、個々のロボットに合った適切なパラメーター設定ができるよう対応しています。増設アームは、下記の条件下で正しく作動します。
- 1つのポイントデータを2つ以上のアームが通過するように設定する。
- Palletを使う。
- CP動作を使う。
- 相対位置指定を行う。
- ローカル座標を使う。
回転関節を使う水平多関節型ロボット (RSシリーズを含む)の場合、関節角度はArmSetパラメーターで設定される値を基準に演算されます。したがって、増設アームやハンドの設定が必要な状況では、このコマンドを使用してください。
ロボットパラメーターデータは、コントローラー内のコンパクトフラッシュに格納されています。このため、本コマンドを実行するとコンパクトフラッシュへの書き込みが発生します。頻繁なコンパクトフラッシュへの書き込みは、コンパクトフラッシュの寿命に影響します。本コマンド実行を必要最小限にとどめることを推奨します。
注意
Arm 0
Arm 0についてArmSetを使って設定, 変更することができません。Arm 0は、標準的なロボット構成の設定に使われるようになっています。Arm値を"0"に設定すると、ロボットアームの標準パラメーターを使うように設定します。
アーム長補正オプション使用時
ArmCalibをOnにすると、Arm 0にアーム長補正値が適用され、自動的にArm 0に切り替わります。アーム長補正値を適用した動作を行う場合は、Arm 0で使用してください。ArmCalibをOnにしても、Arm 0以外では、アーム長補正値を適用した動作になりません。
ロボットアームの標準パラメーターを使用する場合は、ArmCalibをOffにして、Arm 0を使用してください。
設定されていないアーム番号
ArmSetで定義されていない増設アームの番号を選択するとエラーになります。
参照
ArmClr, ArmSet, ECPSet, TLSet, ArmCalibSet
Arm使用例
下記のプログラム例では、ArmSetとArmを使って、増設アームの設定を行っています。ArmSetで増設アームを定義し、Armでどのアームを現在のアームとして選択するか設定します。 (Arm 0はデフォルトのロボットアームでユーザーが変更することはできません。)
コマンドウィンドウでの操作例
> ArmSet 1, 300, -12, -30, 300, 0
> ArmSet
arm0 250 0 0 300 0
arm1 300 -12 -30 300 0
> Arm 0
> Jump P1 '標準アームの設定でP1へJump
> Arm 1
> Jump P1 '増設アーム1の設定でP1へJump