Pallet関数
パレット上の位置を参照するポイントデータ関数です。
書式
(1) Pallet (パレット番号, パレット位置番号)
(2) Pallet (パレット番号, 分割横座標, 分割縦座標)
パラメーター
- パレット番号
- パレット番号 (0~15の整数)を数値で指定します。
- パレット位置番号
- 分割ポイントを指定する番号 (整数)を、式または数値 (1~32767)で指定します。
- 分割横座標
- パレットの定義で指定した横座標を、数値 (-32768~32767)で指定します。
- 分割縦座標
- パレットの定義で指定した縦座標を、数値 (-32768~32767)で指定します。
解説
Palletは、あらかじめPalletステートメントで定義されたパレット上の1点の位置を返します。この関数を動作命令 (GoまたはJump命令など)とともに用いることにより、アームをパレット上の指定位置に動かすことができます。
パレット位置番号は、式または整数値で定義することができます。
注意
垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)でのパレット動作
垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)では、パレットや相対オフセットなどのポイント演算で得られたポイントに動作するとき、手首部が意図しない方向へ回転することがあります。これは上記ポイント演算がロボットの機種に依存しない命令であるため、必要な姿勢フラグの変換を行わずに動作してしまうことが原因です。
LJM関数はこのような手首部の意図しない回転を防止できます。
RSシリーズでのパレット動作
同様にRSシリーズでも、パレットや相対オフセットなどのポイント演算で得られたポイントに動作するとき、第1アームが意図しない方向へ回転することがあります。LJM関数はこのような第1アームの意図しない回転を防止するために、ポイントデータの姿勢フラグを適切に変換します。
また、RSシリーズでは、姿勢フラグが変換された際にU軸が動作範囲外に動作しようとしてエラーが発生することがあります。LJM関数はこのようなU軸の動作範囲外エラーを防止するために、U軸の目標角度を動作範囲内の目標角度に補正します。これは、姿勢フラグ選択で2を指定することによって利用可能となります。
UVW座標値
Pallet命令に指定した3点 (4点)のUVW座標値が異なる場合、ポイント番号1、および座標系データ1のUVW座標値を使用します。
ポイント番号2~4、および座標系データ2~4のUVW座標値は無視されます。
付加軸座標値
Pallet命令に指定した3点 (4点)の座標値が付加軸座標値 (ST軸値)を保持している場合、付加軸座標値においても均等に分割されます。つまり、付加軸を走行軸として使用している場合、パレット定義は走行軸の動作も考慮して計算するため、走行軸の位置を考慮したロボット動作範囲を超える大きなパレットを定義することが可能です。逆にパレット定義に影響されない付加軸が定義されている場合でも、パレット定義時には付加軸の位置にも注意を払う必要があります。
Pallet関数使用例
下記は、ワークをパレット1からパレット2に移すプログラム例です。
Function main
Integer index
Pallet 1, P1, P2, P3, 3, 4 'パレット1を定義
Pallet 2, P12, P13, P11, 4, 3 'パレット2を定義
For index = 1 To 12
Jump Pallet(1, index) 'パレット1のポイントインデックスへ移動
On 1 'ワークをピックアップ
Wait 0.5
Jump Pallet(2, index) 'パレット2のポイントインデックスへ移動
Off 1 'ワークをリリース
Wait 0.5
Next index
Fend