P# (2. ポイント指定)
ポイント指定と動作コマンドのためのポイントデータを指定します。
書式
point [ { + | - } ポイント指定] [ローカル番号] [ハンド(腕系)姿勢] [肘姿勢] [手首姿勢] [j4flag値] [j6flag値] [j1flag値] [j2flag値] [相対オフセット値] [絶対座標]
パラメーター
- ポイント指定
- ポイントデータを下記のいずれかで指定します。
- P番号
- P(式)
- ポイントラベル
- Pallet (パレット番号, 分割番号)
- 現在位置指定
- Here
- ポイントデータ関数
- XY関数, JA関数, Pulse関数など
- ローカル番号
- ローカル番号 (1~15)を指定します。番号の前に必ずスラッシュ"/"か、"@"マークをつけてください。"/"は座標がローカルになるのを意味しています。"@"マークは座標がローカル座標に変換されることを意味します。省略可能です。
- ハンド(腕系)姿勢
- 水平多関節型 (RSシリーズを含む)と垂直6軸型 (Nシリーズを含む)のロボットのハンド(腕系)姿勢です。/L (左腕姿勢)、または/R (右腕姿勢)を指定します。省略可能です。
- 肘姿勢
- 垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)の場合に必要なパラメーターです。/A (ABOVE)または/B (BELOW)を指定します。
- 手首姿勢
- 垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)の場合に必要なパラメーターです。/F (FLIP)または/NF (NOFLIP)を指定します。
- j4flag値
- 垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)の場合に必要なパラメーターです。/J4F0 または/J4F1を指定します。
- j6flag値
- 垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)の場合に必要なパラメーターです。/J6F0 から/J6F127の値を指定します。
- j1flag値
- RSシリーズと垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含まない)の場合に必要なパラメーターです。/J1F0 または/J1F1を指定します。
- j2flag値
- RSシリーズの場合に必要なパラメーターです。/J2F0 または/J2F1を指定します。
- j1angle値
- RSシリーズとNシリーズの場合に必要なパラメーターです。/J1A (実数値)を指定します。
- j4angle値
- Nシリーズの場合に必要なパラメーターです。/J4A (実数値)を指定します。
- 相対オフセット値
- 1つまたはそれ以上の相対座標調整を行います。省略可能です。
{+ | -} {X | Y | Z | U | V | W | RZ | RY | RX | R | S | T | ST } (式) - TL オフセットは、現在のツール座標系の相対オフセットです。
{+ | -} {TLX | TLY | TLZ | TLU | TLV | TLW} (式) - 絶対座標
- 1つまたはそれ以上の絶対座標を指定します。座標の前に必ずコロン":"をつけてください。この絶対座標は省略可能です。
:{X | Y | Z | U | V | W| R | S | T | ST } (式)
解説
ポイント代入や動作コマンドでは、ポイント式を使用します。 (下記例参照)
Go P1 + P2
P1 = P2 + XY(100, 100, 0, 0)
相対オフセット値の使用
ベースポイントに対して1つまたはそれ以上の座標をオフセットすることができます。次の例は、現在位置からロボットをX軸の正方向に20 mm動かしています。
Go Here +X(20)
これを再度実行すると、相対移動なので、ロボットは更にX軸方向に20 mm移動します。
垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)では、座標軸周りの相対回転をするときは次のように指定します。次の例は、ロボットのツール姿勢を現在の姿勢を基準にX軸の正方向に20°回転します。
Go Here +RX(20)
相対ツールオフセットを行うことができます。
Go Here +TLX(20) -TLY(5.5)
垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)では、相対オフセットで得られたポイントに動作するとき、手首部が意図しない方向へ回転することがあります。これは相対オフセット演算がロボットの機種に依存しない命令であるため、必要な姿勢フラグの変換を行わずに動作してしまうことが原因です。 LJM関数はこのような手首部の意図しない回転を防止できます。
Go LJM(Here +X(20))
絶対座標の使用
絶対座標を用いて、ベースポイントの1つまたはそれ以上の座標を変更することができます。次の例は、ロボットをX軸20 mmの位置に移動します
Go Here :X(20)
再度実行しても、ロボットのアームはすでに前の移動で指定された絶対座標位置に来ているので、動きません。
相対オフセット値と絶対座標は、ポイントデータを一時的に修正するときに便利です。次の例では、Zの相対オフセット10 mmを指定することで、ピック位置の上空10 mmのところを動き、ゆっくりとピックアップ位置に移動します。
Speed fast
Jump pick +Z(10)
Speed slow
Go pick
次の例は、第3関節の絶対値 "0"を指定することで、現在位置から垂直上に移動させます。
LimZ 0
Jump Here :Z(0)
ローカルの使用
"/"、または"@"マークを使うことでローカル番号を指定できます。"/"と"@"マークには、それぞれ異なる機能があります。
座標をローカル座標系で指定するときは、"/"を使います。下記ステートメント例では、"/1"を付加することで「P1の位置は、ローカル1の 0,0,0,0 」と指定しています。
P1 = XY(0, 0, 0, 0) /1
座標をローカル座標に変換するときは、"@"マークを使います。下記ステートメント例では、現在位置を示すローカル座標値をP1に登録しています。
P1 = Here @1
参照
Go, LJM関数, Local, Pallet, PDel, PList, Hand, Elbow, Wrist, J4Flag, J6Flag, J1Flag, J2Flag
ポイント指定使用例
代入ステートメントや動作コマンドでの、ポイント指定の例です。
P1 = XY(300,200,-50,100)
P2 = P1 /R
P3 = pick /1
P4 = P5 + P6
P(i) = XY(100, 200, CZ(P100), 0)
Go P1 -X(20) :Z(-20) /R
Go Pallet(1, 1) -Y(25.5)
Move pick /R
Jump Here :Z(0)
Go Here :Z(-25.5)
Go JA(25, 0, -20, 180)
pick = XY(100, 100, -50, 0)
P1 = XY(300,200,-50,100, -90, 0)
P2 = P1 /F /B
P2 = P1 +TLV(25)
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